そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『僕はリア充絶対爆発させるマン』1巻から3巻までについて

さて、今回紹介する作品はこちら、『僕はリア充絶対爆発させるマン』です。


僕はリア充絶対爆発させるマン (ファンタジア文庫)
著者:浅岡旭
レーベル:富士見ファンタジア文庫
発売日: 平成29年11月20日
出版社: 株式会社KADOKAWA
ASIN: ISBN978-4-04-072522-2

あらすじ
この社会では、モテ度を数値化した『恋愛適性』によって人生が決まる。適性が高い者はリア充養成学校『告立校』に進学し、低い者は非リア専用の『独立校』へ強制送還される。初の適性0点を出したリア充に憧れる少年・遙真は、リア充から迫害を受けるなか、突如『リア充を爆発させる能力』を発現する!「あの独身術…アンタ非リアの天才ね」困惑する彼に目を付けたのは反リア充組織の少女・姫奈。勢いのまま彼女と共にリア充のフリしてリア充破壊活動に挑むことに!?さらに無個性やニートな非リア系女子たちも続々と仲間になり―。非リアヒロインと贈る異能青春ラブコメ、大爆誕!

作者のTwitter
https://twitter.com/arthurianroman

どんな話か

未来を舞台にしたディストピアものです。導入のストーリーラインが、未来に存在している不平等の格差に気づかず、逆にこの世界の体制に同調する側であった主人公が、とあることをきっかけに差別される側に回り、同じ立場の仲間たちとともに体制と戦うようになる。
同じのだと、映画なら『第9地区』、ラノベなら『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』、後、メジャーなのだと『レゴザムービー』と同じ導入でしたね。

『レゴザムービー』もさ。主人公が今日もみんなと同じように働こうって言ってさ。歌いながら1日のレゴシティでの1日の様子を語ってさ。あることをきっかけに反体制側に回る。

ディストピアものでは理想的な導入でさ。最初、主人公が体制に賛成する側に回らせたほうが世界観が説明しやすいし、後でそんなまさかこんなことになるなんてって感じでハラハラさせれますよね。

本作の世界では、少子化と性犯罪率の上昇を問題視した日本が、恋愛適正率を思春期の時期に測っていてさ。高い人には恋愛を推奨する教育を、低い人には独身で生涯をおえるための教育を行う施策を取っていた。それにより、リア充と非リアの差別意識が国民の間で生まれてしまいましたって世界なんだよ。

この世界では社会で差別され抑圧された非リアたちはリア充を撲滅させる組織、喪中の獅子がカップルを別れさせるテロ行為を行なっていました。

そんななか、主人公の八木遥真はリア充に憧れる高校生。リア充たちが集まる告立校に入るため、日々恋愛指数を上げるための努力を 欠かしていませんでした。しかし、待ちに待った合格通知日の際、自身が恋愛適正が0であることを知ってしまう。

こっからの流れがいいですよね。リア充に憧れていた主人公の目の前でさ。リア充は醜いって思わざるおえないエピソードが次々と流れる。それにより、主人公の中でリア充を憎む気持ちが生まれ、彼の運命を変える「ヒロインとの出会い」が起き、彼は喪中の獅子に入り、精神的に追い詰められた非リアだけが持つことのできる異能に目覚める。

ここで、非リアとリア充に分ける体制に置かれた思春期の心の揺らぎにより、この世界には独身術と愛気道の二つの異能が存在することが明らかになります。主人公は「リア充を爆発させる」という独身術に目覚めました。

こっから、1巻の後半は異能バトルになって行き、主人公の目的が、不思議な力を持つと言われる性遺物を集めることと告際恋合たちとの戦いになっていきます。

ダブルヒロイン制

この話は異能×ラブコメ。なので、ヒロインたちのイチャコラが多いです。比率的にはラブコメが7、異能が2、SFが1ですかね。
メインで絡むのが主人公の運命を変えるきっかけとなった伊集院姫奈。中学の時はリア充に憧れていたが、あることをトラウマに、リア充を憎むようになる。
主人公と反発するも、彼と似た生い立ちをもつ彼女はしだいに彼に惹かれるようになる。しかし、非リアを憎み、恋愛を憎むため彼の前で素直になれないツンデレなとこが可愛い。
そんな彼女に対するライバルが国続聖愛。恋愛適正が100で告際恋合の議長。1巻で困っているところを主人公に助けられることで好意を持つようになる。そして、主人公から他のリア充とは違うところを感じて彼のことが好きになる。
ラブコメの3角関係で大事なのが、くっつく理由と同じくらいくっつかない理由による恋のパワーバランスの調整。
姫奈は恋愛に対する恨みにより、立場上主人公のそばにいることができても、自分の気持ちを認められない。反面、聖愛は主人公に対して素直に恋を表明するも、立場上、敵であるため主人公に近づけない。
この辺で上手いこと「恋のパワーバランス」を取っています。

物語が進む連れて広がるハーレム

このダブルヒロインを軸に、主人公のハーレム候補のヒロインが敵味方陣営問わず増えていく。
1巻の時は恋愛適正0と言われていた主人公が、この人は他の人とは違う効果でどんどんハーレムを拡大します。
僕、ヒロインのなかだと一ノ瀬雪が好きですね。

3巻での締め方について

本作、あとがきによると「今回をもちまして一区切りとなりました。」とのことで、つまり事実上、3巻で完結しています。
そのため、3巻では時間が半年経っていて、最後の強敵が残りの性遺物を駆使して主人公たちと戦い。追い詰められた結果、主人公はある選択を強いられるという話になっています。
1巻や2巻と比べると、ストーリーの流れが一気に早くなっていて、これはこれでかなり面白い。
ただ、個人的にはこの話は1巻分じっくりやってほしかったなといったエピソードや問いかけが多かった。
例えば、今回、前半では主人公の恋心を自覚した姫奈がそれにより独身術を使えなくなる事態に陥ります。
そんななか、独身術と愛気道を超える力の存在が示唆され、それがラストの伏線になるんだけどさ。
今回姫奈に対する問いかけの答えを主人公がラストで出すわけだけどさ。
それは、1巻かけて姫奈が自分で考えて答えを出してさ。たぶん主人公が手に入れた能力と同じ種類の力を覚醒するはずだったんじゃないかなと、読んでて思っちゃうんですよね。
個人的には、キャラクターが可愛くて好きだったのでもっと巻数が欲しかったのが正直な気持ちですね。

今後の期待

この作者さんの次回作は引き続き読んでいきたいですね。バカっぽい設定の詰め込み方が好きですし。主人公のキャラの立て方と世界観の伝え方が綺麗です。
ヒロインの引き出しも多く。彼女と主人公の反発からの、好意を持つまでや考えが変化していくまでの細かいエピソードの積み方も上手い。
ハーレムもののため、複数のエピソードが絡むわけなんですけどね。大筋の話がブレないようにしながら、キャラクターそれぞれの細かいエピソードを積んでいき方が上手いんですね。
こういう人の次回作は期待せずにはいられませんよ。今度、新刊が出たらすぐに買わせていただきます。

『オタギャルの相原さんは誰にでも優しい』について

さて、今回紹介する作品はこちら、『オタギャルの相原さんは誰にでも優しい』です。


オタギャルの相原さんは誰にでも優しい (MF文庫J)
著者:葉村哲
レーベル:MF文庫J
発売日: 2018/7/25
出版社: KADOKAWA / メディアファクトリー
ASIN: B07DW175KQ

あらすじ
「オッケー!じゃ、あたしがカノジョになったげる!」相原璃子はオタクでギャルで巨乳で水泳部のリア充である!なんかノリと勢いで僕(リアルに興味のないクソオタク)のカノジョ(仮)になってくれやがった相原さんマジ天使!一緒にいれば楽しいけれど、現実の僕らはギャルとオタクの単なる仲良しオタ友コンビだ。ラブコメ展開に用はない!「あたしら『青春オタク同盟』!オタク同士で楽しく青春しようぜ!」二人でアニメ見て!ゲームして!サメ映画も見て!オタクに優しい本屋でオタデート!今日も明日も明後日も、居心地の良いこの時間が続くんだと―夢を見ていた、僕だけが。


もくじ

どんな話か

ある日、オタクの綿貫アキラのもとにオタクでギャルの相原璃子がやってきて「オタ友になろうぜ」とはなしかける。
強引な相原に誘われるままに2人は仲良くなり、相原はノリと勢いで綿貫の仮彼女になる。

オタクとのギャルとの間の友情とだからこそ、踏み込むことのできない恋の話って感じですね。

青春ラブコメとして完成度高いですよ。僕は会話劇や、合間合間の仕草ややりとりの解説が苦手なんですけどね。

この作品って、2人の男女が普通に出会って、普通に仲良くしてさ。だんだん好きになっていくという少女漫画的な話だからさ。

いつもみたいに、上手いこと解説できるような作品じゃない。そのくらい、会話の流れが上手い作品ですよ。

挿絵も可愛いですね。ヒロインの相原さんさ。よ〜く見ると、口元に八重歯があるんですよね。属性と強調せずにさりげなくあるしさ。唇や太ももも肉感的ですよね。帯で隠れているけど、むっちりとしたニーソの魅力を活かした拍子になっている。

これは純粋に2巻が気になりますね。ヤマ場があくまで好きを自覚して、告白したんだけど、それは友だちとしての関係を壊してしまうという日常の崩壊によるハラハラ感が面白かったからさ。2巻からはどんなヤマ場があるのかは気になります。

それでは、2巻も追って報告いたします。

『魔法少女さんだいめっ』について

さて、今回紹介する作品はこちら、『魔法少女さんだいめっ』です。


魔法少女さんだいめっ☆ (ガガガ文庫)
著者:栗ノ原草介
レーベル:ガガガ文庫
発売日: 2018/6/24
出版社: 小学館
ASIN: B07DPL8V7K

あらすじ
「やーい、おまえの母ちゃん魔法少女ー!」幼い頃から魔法少女の息子としてからかわれてきた少年、ハル。ついに母親、ぷるりら☆遥奈が引退すると聞いて歓喜したのもつかの間、まさかの二代目契約を結ばされてしまう!絶対に魔法少女になりたくないハルは、全力で三代目を探すのだが…?「私は夢見草満咲。魔法少女になる女です!」ハルが出会ったのは、熱狂的な魔法少女オタクながら“才能ゼロ”の満咲だった!桜舞う町で、新たな魔法少女物語が幕を開ける―。熱血にして爽快!マジカル☆夢追いラブコメ!第12回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作。

【期間限定お試し読み増量版】 魔法少女さんだいめっ☆ (ガガガ文庫)

魔法少女の才能ゼロの女の子が努力で魔法少女になろうとする話。
主人公のハルという男の子が、母親が魔法少女のため、幼い頃からからかわれていてさ。だからこそ、魔法少女が嫌いだった。
そうして高校生になった時、ついに母親が魔法少女を引退するのだが、2代目の契約をされてしまう。なんとか、魔法少女になることを避けたい彼は3代目をさがしたところ、満咲という魔法少女に対する熱意はあるも才能がない女の子を見つけ、彼女をサポートすることになる。
努力によって一歩ずつ前進していく様子を情緒的に描くことでスポ根のような熱血ものとして描いています。

設定も面白いですね。魔法少女の息子というのも珍しいし。その魔法少女が町の観光キャラとして成り立っているところもいい。

また、キャラクターも魅力的だ。この世界観をもっともっと味わいたいと思わせてくれる。
今回、僕が王道のストレートに面白い作品の感想を書くのが苦手なだけで、ストーリーもキャラクターも完成度の高い作品であることは確かです。ぜひ、2巻を読みたいですね。

気になった方はぜひ書店かアマゾンで購入してみて下さい。

『エロマンガ先生』10巻について

さて、今回紹介する作品はこちら、『エロマンガ先生』10巻についてです。


エロマンガ先生(10) 千寿ムラマサと恋の文化祭 (電撃文庫)
著者:伏見つかさ
レーベル:電撃文庫
発売日: 2018/8/9
出版社: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
ASIN: B07F7Q8XB3

あらすじ
『エロマンガ先生』待望の最新刊! 年下の先輩作家・千寿ムラマサがマサムネに……!?

「兄さん……一緒に、寝てもいい?」
 紗霧との甘い日々を過ごしていたマサムネは、ムラマサの父・麟太郎に呼び出される。千寿ムラマサのえっちすぎる新作小説が大騒動を巻き起こす!
 秋――『青春の思い出』を作るため、ムラマサの通う女子校の文化祭に赴いたマサムネたち。
「兄さん! お嬢様の群れをジックリと観察したい!」
「クラスの人気者ですよ、花ちゃんは」
「千寿ムラマサ先生は文芸部の神です」
 コスプレ喫茶に占いの館、エルフのミスコン出場などなど、文化祭を巡るうち、謎に包まれていた梅園花の学生生活が明かされていく。そして運命の後夜祭へ……。

シリーズ全体の魅力

『エロマンガ先生』はバクマンを皮切りに増えていったライトノベル作家を主人公にしたクリエイターものの作品です。

このジャンルは、同時期に『妹さえいればいい』も存在しており。最近だと、『このラブコメが1位』という作品も有名。

この作品のことを語る上で注目すべきは、この作品の作者、伏見つかささんの前作に『俺の妹がこんなにかわいいわけがない』があり、この作品が最終回で炎上してしまったことだろう。

その時の炎上理由が、複数の人気キャラが主人公と関係性を築き上げた上で、最終的に妹を選ぶのだが。その際にドロドロとしたやりとりがあり、人気キャラが汚れ役をやらざるおえなくなる事態に陥ったものの。やっぱり妹とは付き合えないよねっと言って、元の関係性に戻ったようにみせかける展開が読者のヘイトを集めてしまったことにあった。

このハーレムだったラブコメが最終巻で1人の女の子を選ぶためにグダグダになるという展開は、長期連載のハーレムラブコメでは致し方のないことで、『妹さえいればいい』の作者、平坂読も、前作の『僕は友達が少ない』で同じくハーレムの末の最終巻が炎上している。

ちなみに、ハーレムものは長期連載の中でじょじょに人気が下降して最終巻の存在は一部のファンだけで読まれる場合が多いので。この炎上は最後まで読者の注目を集めることができた作者の力量によるものである。

こうして炎上を経験した作者が自分の描くライトノベルとはなんだろう。あるいは、ラノベ作家とはどうあるべきかと考えて自身の業界をぶたいにした作品を書いたということは因果関係としてとても興味深い。

こうしたハーレムでの炎上を踏まえて、平坂読さんの場合は、連載中の『妹さえいればいい』では、誰が誰を好きになって、どう失恋するのかと言った「人間関係の交通整理」を意識したラブコメを描いている。
一方、伏見つかささんの場合は、血の繋がった妹が問題なら、義妹にしよう、さらには両親はすでに死んだことにすることで、妹キャラとの正規ルートを開拓した。

この辺に2人の作家のキャラクター性の違いが出ている。

こうして、主人公の正宗と狭霧は8巻でめでたくゴールイン。9巻ではイチャイチャ満載の障害などもはやないと言わんばかりのラブコメとなりました。

しかし、これで諦めるライバルヒロインではなかった。彼女たちは主人公のハートを射止めるためにあれやこれやと画策していたのである。

その中の1人、ムラマサの恋の暗躍が炸裂するの今巻のメインの話となる。

千寿ムラマサについて

千寿ムラマサ、正宗よりも年下であるが、同じ出版社のラノベ作家としては彼女の方がベテランといういわゆる「年下の先輩」。

時代小説作家、梅園麟太郎の娘で、自身に課した締め切りが守れない時は生爪を剥がすほどストイックな性格。普段は着物を着ている。

初出は2巻。バトルものの連載を終えた、正宗が今度は妹との恋愛を描いたラブコメを次作の連載にしようと考えていたなか。彼女の連載を邪魔するライバルキャラとして登場する。
しかし、それはすべては正宗のバトルものを読むためであった。じつは彼女は正宗がネットで連載していた頃からのファンで、彼のバトルものを読むためにラブコメの連載を邪魔していたのである。

自分にとって一番面白い作品を書いてお腹いっぱいになるのが夢。だからこそ、正宗が自身のために作品を書いてくれることになった際、もう書く必要はないと断筆宣言をした時もあった。

正宗に対する好意の示し方はヤンデレの傾向があり、1人の時にエア正宗と会話していたりする。

彼女の魅力は自分のために作品を書くという貪欲な姿勢でしょう。彼女を見ていると、僕個人自分が書きかけのままにしているWEB小説を書きたくなります。自分が一番自分の書いている作品を面白いと思っていた時のことを思い出すんですよね。

今回、彼女が正宗を落とすためにしたことは、彼女らしい行動で僕は好きです。

今回の話

今回、主人公はムラマサの父、麟太郎に呼ばれて彼女の家を尋ねます。すると、麟太郎は正宗に彼女の書いた未完成の作品を読ませます。その内容は中学三年生の娘が年上の婚約者のいる男と禁断の恋をする話で、どう読んでも、正宗とムラマサをモデルにした作品だった。

じつはムラマサは主人公の気持ちを動かすためにこの小説を書いており、この作品が完成するのは文化祭の3日目になる予定だった。

彼女は後編に自身の恋愛経験を繁栄させるために、正宗に文化祭の時に一緒にデートしてほしいと言うのだが、という話です。

面白いですよ。内容としては、主人公のコミュニティで見せていたペルソナと、別のコミュニティで見せる彼女のペルソナは違うという話でさ。

ムラマサ先輩の中学校での一面が明らかになる回でした。

ムラマサ先輩の魅力として多面性によるギャップがあってさ。最初に見せるのが正宗の前に立ちはだかるライバルとしての面を見せていたんだけどさ。じつはそんな彼の熱烈なファンでもあってさ。さらには時代小説の作家の娘としての顔や、ヤンデレとしての一面もあってさ。着物のように、綺麗な布が折り重なっていて、それが脱げていくたびに新たな色が浮かび上がるとこが魅力なんですよ。

今後の期待

今回読んでて、今後、期待としたいと思った点はやはりムラマサ先輩を中心として開拓された新たな人間関係ですね。彼女たちは今巻だけのキャラクターなのかそれとも今後、正宗たちに大きく関わるのかは興味が尽きない。

また、今回はムラマサ先輩の個人回であった以上、11巻は山田エルフである可能性は高い。彼女の恋の鞘当てがどのようなものになるかは今から気になってしかたない。

それでは、11巻も追って報告いたします。

『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』7巻について


スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました7 (GAノベル)
著者:森田季節
レーベル:GAノベル
発売日: 2018/7/12
出版社: SBクリエイティブ
ASIN: B079K6ZMT4

あらすじ
≪WEBサイト「ガンガンGA」にてコミカライズ&スピンオフ小説好評連載中!≫
300年スライムを倒し続けていたら、いつの間にか――狐耳(と尻尾)が生えてました!?

「モフモフできるお姉様が欲しい」とイタズラされたせいです…(魔王め!)
おかげで本能に逆らえなくなった私は、「油揚げ」を求めて、魔王城中を暴れ回る事になってしまうのですが――!?
ほかにも、私を転生させてくれた女神様と再会したり(感動!)、ピラミッドっぽい遺跡で、幻の古代文明を解明したりします!

巻末にベルゼブブのドタバタわーきんぐ物語
「ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました」も収録でお届けです!!

小説家になろうの連載
https://ncode.syosetu.com/n4483dj/
コミカライズの連載
http://www.ganganonline.com/contents/slime/

シリーズ全体の魅力

『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』は、平穏系の主人公の話です。

主人公の相沢梓は現世で過労死してしまいます。しかし、女神様によって不老不死の魔女のアズサとして転生することに。

次の人生ではスローライフを送ろうと考える彼女は、薬を作り、毎日コツコツスライムを倒す日々を送る。こうして300年の時が立ちました。

300年後、彼女の住む高台の近くの村ではアズサの名前を知らないものはいません。魔女として細々と暮らしていた彼女はスライムを倒す傍ら、薬を研究して町の人々の病を治して暮らしていました。これにより村の人口は増え町と発展する。酒場に行けば、自分が病気を治した人からお礼を述べられ。前世で誰にも認められずに仕事を抱え込んでいた時は違う充実感に満たされていました。

『スライム300年』って、じつは主人公個人だけをみてみると。彼女は物語の序盤で抱えていた願望をかなり初期の段階で叶えているんですよね。

異世界転生ものってさ、基本猿の手と同じストーリーラインでさ。なんでも願いを叶えられる超常の存在がいたとして。その存在に自分が願った通りのものを与えられた時。その人は本当に幸せになるのか。はたして言葉で伝えた通りのことが自分の本当の願望なのかってのが根底にあったりするんですよ。

実際、神様の前で次の人生はこうしたいって願っても彼らの前にはなんらかの障害があったり、自分が予想していたこととは違う結果があったりして。右葉曲折の結果、仲間だったり、本当の自分を見てくれる女の子だったりが手に入るってストーリーが多かれ少なかれあるんですよ。

アズサの場合、彼女は健康な体とのんびりできる田舎の暮らしを願った結果、不死の魔女の身体と田舎の土地と家を手に入れる。そして、そのまま300年立ちましたって省力されてさ。その言葉の裏にあった、努力しても誰も認められないという。過労死した異世界転生者が深層心理で抱えていた不安を次のページでの街の人たちからの感謝の言葉で解消している。

つまり、願望が叶っている世界なんです。

そんな状態でこれから物語がはじまるんですよってなった場合、どうなるかといえばさ。主人公の目的がなくなった状態なわけだからさ。そこから物語が進むのは停滞した日常であり、それの代表的な流れがサザエさんやこち亀、という家族ものや人情ものにつながるんですよ。

スライム300年とは、努力とはなにか、というメッセージが一巻にあるんだけどさ。それも一度物語としてラストを迎えた後だからこそ。弟子となるライカに教訓として伝えることができるんです。

それでは、7巻の内容に移りましょう。今回は魔王ペコラが活躍する短編、ロザリーに友達ができる、ベルゼブブのスピンオフについて話した後で今後の期待について語ります。

魔王ペコラが活躍する短編

今回は魔王ペコラが活躍する短編が多かったですね。彼女は作中で、ベルゼブブのように主人公たちに事件を持ち込む依頼者の役割や、『こち亀』の中川やドラえもんのように。物語の舞台を作り上げるための便利キャラとしての役割を持っています。
つまり、話を転がしやすいキャラなんですね。
実際、魔界の農相であるベルゼブブと魔王のペコラがいることで、魅力的な魔物キャラとアズサとの間の接点は作られています。
それにアズサを振り回すことのできる唯一のキャラクターでもあります。 今回、彼女のおかげでアズサの可愛らしい一面を見ることができましたからね。
ペコラはいいキャラですよ。

ロザリーに友達ができる

アズサの家に憑いている悪霊のロザリーに同じ悪霊の友達ができました。古代文明の王で死してもなおその怨念で現世に残る悪霊のムー。彼女(彼?)のキャラクター性が明らかになるのはこれからだと思うので、今後の活躍が気になりますね。

ベルゼブブのスピンオフ

それと、ベルゼブブのスピンオフが収録されていましたね。これは5巻の時から収録されていた彼女がヒラ社員から魔界の農相までに出世するまでを描いたスピンオフです。
今回はじつは過去にアズサやファルファ、シャルシャ、ライカにすでに会っていたよという話でしたね。
こぼれ話らしい。いいスピンオフです。

今後の期待

今後の展開で気になる点は、ついにアズサが自分を異世界に転生させてくれた女神様と再会できたこと。後、アズサの今後の成長の可能性。また、サンドラ関連のストーリーが進行する可能性ですね。

7巻で、アズサは自分を異世界に転生させてくれた女神様と再開します。今まで、ドラゴン、エルフ、魔人、獣人、アンデット、悪霊といろんな種族と交流し、精霊とも知り合いとなった彼女ですがついに神様との交流が行われることになるんですね。

こうなってくると、人間関係に関しては手を広げ切った感じがするので、こっから先どうなるかが気になりますね。

また、次のようなセリフをアズサが地の文で言ったのも気になります。

もしかすると、私もまだ成長できる余地があるのかも。たとえば、魔族とか古代文明の魔法を覚えるとかね。あるいはこの世界の神様から何か力を授けられるとか。
そのために一生懸命になりすぎて、スローライフどころじゃなくなるのは勘弁だけど、通信教育のノリでやれて挑戦できるなら試してみてもいいかもしれない。時間はたっぷりあるわけだし

アズサが異世界での風習や文化に対して所感を述べるのは珍しいことではないので、深い意味はないかもしれませんけども。じつは新たな力を得るための伏線の可能性もありますよね。レベルMAXになりましたってのがタイトルなわけでさ。今までアズサが成長するってことはなかったんだけどさ。やろうと思えば新しいスキルや魔法を手に入れることはできるんですよね。
そういう展開ももしかしたらあるかもしれません。

また、今回、ロザリーと同じ存在が出てくることで後半は彼女をメインにした短編だったわけなんですけども。このアズサの家族に当たる存在が自分と近しい存在がいるところを見つけ、主人公のアズサも一緒に行くって流れってさ。5巻のシャルシャとファルファの精霊会議や、6巻のハルカラのエルフの森であった展開と同じなんですね。
そうなると、消去法で考えればマンドラゴラのサンドラも自分と似た存在がいる場所をみつけ、アズサもその場所について行くという展開が今後あるのではないかというのが僕の予想です。

もちろん、いつものことながら外れても当たっても面白いんですけどね。

では、8巻も追って報告いたします。

『はじらいサキュパスがドヤ顔かわいい。』について


はじらいサキュバスがドヤ顔かわいい。 ~ふふん、私は今日からあなたの恋人ですから……! (電撃文庫)
著者:旭蓑雄
レーベル:電撃文庫
発売日: 2018年7月10日
出版社: 株式会社KADOKAWA
ASIN: B07F7R85YV

あらすじ
「くっくっく……さあ、ヤス。私が男に慣れるための練習台になるのです……!」
 生身の女子に性欲を抱けない男子高校生ヤスが同人即売会で出会った憧れの絵師ヨミさん。その彼女の正体は、性欲を集めて貪る淫魔・サキュバスだった!
 だけどサキュバスのくせに男性恐怖症だという彼女は、上司から課される搾欲ノルマをクリアするため、エッチな絵を公開して世の男性の性欲を集めることしか能の無い業界の落ちこぼれ。
 一人前のサキュバスになるために「安全パイ」のヤスを利用して、男性と接することに慣れていこうとするヨミ。恋人の振りをするなかで彼女は次第にヤスに心惹かれていくが、一方ヤスはヨミの描くエッチな絵にしか興味を持っておらず……?

どんな話か

ひとりの男の子が、ひょんなことからある女の子が抱えている秘密、あるいは悩みに気づいて、それを解決、解消するために彼女をサポートする立場に着く話です。

1人の女の子との関係構築をとことん描いた作品だ。ヒロインの天谷夜美はサキュパスなのに男性恐怖症。ここまでだとよくある設定なのだが、さらに彼女はエッチな絵に定評のある神絵師だった。
彼女はサキュパスなのに男性恐怖症のため、えっちなイラストを描くことで精力を集めている。そんな彼女が男性恐怖症を治すための練習台として選んだのが二次元にしか興味がない男、津雲康史、通称、ヤス。

夜美は男性恐怖症を直すためにデートしたり、お弁当を食べたりするのだがって話です。

キャラクターについて

ヒロインの天谷夜美がとにかくかわいいです。お調子者で、ドジっ子な彼女は見てて楽しいですね。
表紙を見るとわかる通り、ドヤ顔の似合うかわいい女の子なんですよ。
それでいて、サキュパスとしての本来の役目をこなせない自分にコンプレックスを抱いている。

また、彼女の相手役であるヤスも魅力的なキャラクターだ。彼は自分は二次元にしか興奮しない人間であることを自称しててさ。サキュパスの術もまったく効かないキャラなんですよ。

そんな彼が、じつはヒロインだけは違う存在として扱いはじめるというのが、個人的には尊いですね。

最後に、お互いがお互いのことを好きなのか、というのをはっきりさせようとするんですけどね。その辺に対して、悪魔の証明みたいな状態になるのも面白い。

話の内容として起承転結のしっかりできたこの1巻だけで完成している作品でもあるんですけども。できたら、2巻も出たら読んでみたいですね。

『神絵師殺しの戌亥さんとエロい絵に定評のある俺』について


絵師殺しの戌亥さんとエロい絵に定評のある俺 (講談社ラノベ文庫)著者:猫又ぬこ
レーベル:講談社ラノベ文庫
発売日: 2018年6月29日
出版社: 講談社
ASIN: B07DTH488R

あらすじ
絵のエロさに定評があるものの、話作りの才能が壊滅的なせいで、連載を勝ち取れずにいる新人漫画家の俺のもとに、売れっ子ラノベ作家からイラストの依頼が舞いこむ。戌亥詩織と名乗る一つ年下の作家に同棲を迫られ、一緒に暮らすことにしたのだが―あんたが俺のために用意した仕事部屋に鉄格子がはめてあるんですけど!?しかも超速筆で異名が“絵師殺し”って…このままだと俺、病院送りになるんじゃないか!?まあ俺のために美味い料理を作ったりエロいことをしてくれるのは嬉しいけど…って、俺と一緒に仕事したいラノベ作家、ほかにもいるのかよ!エッチな絵が大好きな美少女作家が次々と押し寄せてくるクリエイト系ラブコメ開幕!



どんな話か

夢に向かって行き詰まっている主人公が、自分とはかけ離れた人物と接することで自分の中にある殻を破って夢に一歩前進する話です。

サービスシーン多めのハーレム物ですね。漫画家をするにはストーリーが壊滅的にひどい主人公の近衛虎徹。しかし、代わりに彼はエロい絵にはすごい才能がある。

ある日、彼は編集の紹介でラノベ作家、戌亥詩織って子の挿絵を担当することに。そしたら、その子は女の子で。エロいシチェーションや身体を描くためには実際に体験するのが一番だって岸辺露伴みたいなことを言ってさ。主人公を監禁して無理やり同棲生活をしながらラッキースケベを体験するみたいな話です。

かわいい女の子と仕事できると思ったらヤバイやつだった展開は途中までどうなるんだろうと思って読んでましたし。上手いこと折り合いがついて二人目のヒロインが出た後のイチャラブも良かったですよね。

わりとフェチィサービスシーンが多いのも魅力です。設定が設定だからさ、エロばかりでもストーリの進行の邪魔にならず、むしろ作品に欠かせないものになっているところはすごいですね。

僕は二宮弧々亜ちゃんが好きですね。クラスのアイドルがじつはエロいのが好きなライトノベル作家だったという展開はギャップがあっていい。自分にとって高嶺の花かと思われていた女の子の好感度がじつはMAXだったというのはグッとくるものがありますよ。

それでは、2巻も追って報告いたします。

『異世界語入門〜転生したけど日本語が通じなかった』について

さて、今回紹介する作品はこちら、『異世界語入門〜転生したけど日本語が通じなかった〜』です。


異世界語入門 ~転生したけど日本語が通じなかった~
著者: Fafs F. Sashimi
レーベル:Lエンタメ小説
発売日: 2018/8/5
出版社: KADOKAWA / メディアファクトリー
ASIN: B07F6QK86N

あらすじ
気が付いたら異世界に転移し、見知らぬ家の中にいた八ヶ崎翠(やつがざき・せん)。
 チート能力を得てハーレムを作り、楽しい日々を送る――そんな異世界生活を期待した翠だったが、目の前にいた銀髪の美少女・シャリヤの発した声を聞き、愕然とする。
 彼女の言葉が分からない……? 転生した異世界では、日本語が通じなかった。
 翠は慌てて異世界語を学び、彼女とコミュニケーションを試みる。折しもこの世界は戦時下にあり、戦闘に巻き込まれた2人は、シャリヤの友人や味方らしき軍人と共に別の街への避難を余儀なくされるのだった。だがなんと、避難先で待っていたのはシャリヤとの相部屋生活!?
 異世界ハーレム生活を目指し、転移前の世界で先輩(その名も「インド先輩」!)に学んだ語学に関する知見を総動員して、異世界語マスターに挑む翠。文字・単語・表現を一つ一つ学び、徐々に意思の疎通を図れるようになってきた矢先、避難先においても戦闘は激しさを増していく。果たして翠は、異世界の言葉を使いこなしてハーレムを作ることができるのか?
 言葉が通じる異世界なんて本当の異世界じゃない!? 女の子と話したいという「超」純粋な動機で挑む異世界語習得ストーリー!

カクヨムのURL
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885835084

これは万人にオススメしたいライトノベルですね。いつものようにもくじのとおりに順に説明して行きます。


もくじ

どんな話か

主人公、八ヶ崎翠はある日異世界に転生する。そこで転生チートができることを期待するも、その世界での言語が彼にはわからなかった。
なぜか世話してくれるアレス・シャリヤと協力しながら彼は異世界語(リバライン語)を学ぶ。

この本を担当したLエンタメ小説シリーズは学び(Learning)とエンタメを両立させた小説の出版を目指しているレーベルだそうです。

今回の『異世界語入門』もその標語どおりの面白さを持った作品です。

完全にオリジナルの言語をですよ。主人公は言語学の知識を駆使しながら、単語を一つずつ読み解いて行く。
すると、後半に進むにつれて異世界語の上に注釈がついて、どんどん意味がわかるようになって行く。

しかし、あくまで主人公の一人称なので。じつは彼が意味を誤解した単語はそのまま訳文につながるため、時々、齟齬も生じてしまうというのが次どうなるかわからないハラハラとさせてくれるんです。

読んでいて、作者は外国語を学ぶのが本当に好きなんだろうなと思います。この人は2年前にインドのチュンナイに住んでいてそこでタミル語を勉強していたそうです。

だからこそ、この作品にはひとりの青年が道の言語をああでもないこうでもないと言って解き明かして行く楽しさがあります。

言葉を学ぶっていうのがパズルを解くようなものなんだってのは外国語を学ぶ人がよく言う常套句なんですけど。それが実感として伝わる作品になっている。

今回、まだまだ世界観自体把握できていなくで、語れることは少ないのだけれども。すごいのを読んだという感覚だけは本当にあるので、ぜひ書店かアマゾンで購入してみてください。

『神アプリ曰く私たち相思相愛らしいですよ』について

さて、今回紹介する作品はこちら、『神アプリ曰く私たち相思相愛らしいですよ』です。


神アプリ曰く、私たち相思相愛らしいですよ? #【攻撃力】全振り幼なじみは俺がデレるとすぐヘタレる (MF文庫J)
著者:真野真央
レーベル:MF文庫J
発売日: 2018/7/25
出版社: KADOKAWA / メディアファクトリー
ASIN: B07DVY4F2H

あらすじ
翔の幼なじみ・凛珠は積極的なのにこちらがデレるとすぐにヘタレる。おかげで初恋同士だったが結ばれず、信頼度抜群のコミュニケーションアプリでも相性度は1%―と嘆いていたら、翔の恋愛力ステータスが幸運全振りに!?すると相性度最高な女の子との運命の出会いが早速訪れ、素敵な恋が始まると期待したのだが…。乙女チックな後輩や婚約を迫ってくる同級生など一筋縄ではいかない運命の相手が次々と出現!さらには凛珠の反撃も始まり―。おめでとうございます!お二人は幸せ間違いなしの相思相愛です!(一体誰と!?)「相性度1%幼なじみ」VS「運命の出会い」ステータスが鍵を握る青春ラブコメ開幕!

どんな話か

この作品は現実の世界にもしこんな道具があったら、というドラえもんてきな話です。
作中でがLstatus(エルステ)という恋愛力をステータスで測るアプリがあります。恋愛力は5つのステータスにわかれています。攻撃力、防御力、バイタリティ、メンタル、テクニック、幸運の5つです。
さらに、このステータスを参考に、互いの相性度を測ることができる。相性度が95%の者が近くにいれば運命の出会い鐘がその場で鳴る。

この作品の主人公、友柳翔は幼馴染の火澄凛珠のことが好きでした。しかし、凛珠は攻撃力には全振りだが、それ以外は0のため積極的なのに翔がデレるとすぐにヘタれる女の子だった。そのため、相性度は1%。

そんなある日、突然、主人公のステータスが幸運が100にそれ以外が0の極振りに変わる。さらに、大町花楽、佐伯裕子との間に運命の出会い鐘が鳴り、2人から好意を寄せられる。
相性度1%の幼馴染とアプリが示す運命の出会いのどちらを選ぶのか、という作品です。

下着フェチ

ジャンルとしてはハーレムもののラブコメ。もちろん、サービスシーンもありありのこちら。読んでてわかるのがさ。作者の下着フェチですね。イラストレーターのあずーるさん。女の子の服からチラッと見える下着ってシチュエーションがめちゃくちゃエロいんですよ。

バイタイリティ極振りの大町花楽はデートに主人公に自分の下着を選ばせていますし。メンタル極振りのクーデレの佐伯裕子の夜這いのシーンは着物からちらつく白い下着とかかまあエロい。

肉体的な魅力を封じ込めているブラだったりがさ。恥らいつつもチラッと見せることがさある種その先の行為に期待を持たせる瞬間だからこそエロいっていうのがさ。挿絵の人も書いている人もわかっているっていうのはさ。すごい貴重。正直に言えばこれだけで2巻が買いたくなりますね。

文明肯定

こういう特別なアイテムが現実世界にあったらって場合はさ。あくまでそのアイテムはきっかけに過ぎなかったり、それに頼りすぎると、身を滅ぼしたりするんだけどさ。

この作品では、あくまでスマホのアプリでさ。活かすも殺すも主人公次第って扱いになっているんですよね。

この辺は意外だなと思うと同時に、自分のセンスの古さをちょっと実感しちゃいましたね。

今回の話もさ、ヒロインたちは相性度の高さから主人公を好きになるんだけどさ。もちろん、それ自体に対する葛藤もそれ相応にあってさ。そのうえでそれぞれのアプリに対する向き合い方があるってのがさ。キャラクターそれぞれの魅力位繋がっているんですよね。

今後の期待

下着云々は置いといてさ。じつは1巻のラストで驚きの展開があってさ。どうなるのって感じだったからさ。2巻も引き続き読んでいきたいですね。

それでは、2巻も追って報告いたします。

『てのひら開拓村で異世界建国記』2巻と3巻について


てのひら開拓村で異世界建国記 2 ?増えてく嫁たちとのんびり無人島ライフ?【電子特典付き】 (MF文庫J)
著者:星崎崑
レーベル:MF文庫J
発売日: 2017/6/25
出版社: KADOKAWA/メディアファクトリー
ASIN: B072Z7Y219

あらすじ
異世界に転生した少年・カイは生まれた時から邪神に呪われており教会の掟によって魔物だらけの弧島に捨てられてしまう。絶体絶命の状況に陥ったカイ…。助けが来ないこの島で生き延びることはできるのか!?と思いきや、なぜか島に住んでいた少女・アビスと共に暮らすことに。しかも邪神の祝福による『てのひら開拓村』というスキルを持っていて、箱庭内の村で自由に物を生産できるようになったり、貰った種から戦士(二頭身)や魔法少女(狐耳)が生えてきたりと、気付けば楽々サバイバルに!さらに島流しにあった少女や亡国の姫と女騎士を救ったりしてるうちに、あれ、いつの間にか国まで作ることに!?どこでも生産&交易能力で、異世界のんびり建国記!

どんな話か

ファンタジーを舞台にした異能バトル。主人公が転生した世界には生まれながらに神様から加護を受けることのできる特殊な人間がいる。主人公もその一人だったのだが。彼の持っている加護は国で実権をもつ教会からは邪神からのものとして扱われている加護だった。

そのため、彼は一人、無人島に置き去りにされるのだが、彼の持つ加護、てのひら開拓村は、自分だけが行き来できる村を作ることのできる能力で、事前にその村を発展させていた主人公はその力で食料を供給し。すでに島にいたヒロインや助けたヒロインたちとともに島を発展させていくのであったという話です。

この作品の魅力は、主人公が活躍することで。彼にとって大事な場所であるテリトリーが繁栄するシムシティ的な面白さがある点です。

『くま、クマ、熊、ベアー』なんかも同じストーリーラインがありますね。

さらに、その発展が、主人公の強さに影響していく。そこが異能バトルとしての面白さもあっていいです。

それと、物語が進めば進むほど、ヒロインも増えて。ちゃんとイチャコラしている場面が多いのも魅力ですね。

成長する仲間たち

2巻と3巻で注目するカエデとサラの成長ですね。この作品は危機的な状況に追い込まれたヒロインを主人公が助けるって形が多いので。仲間になっ時点で好感度がマックスで、後はサービスシーンでのイベントが多いんですけどね。

そのかわり、キャラクターが主人公のもとで成長するってのは手順を踏んで描いています。

カエデちゃんとか。2巻と3巻で、どんどん強さが増してっていますからね。ちゃんと成長する前にそのためのエピソードも描かれていますから。絵的に迫力のある場面が成長した結果としても読めて感動しますし。

後、サラさんのところも。彼女は能力を封印されていたわけなんですけども。封印を解くためにいろいろなイベントを重ねていく過程はワクワクしましたよ。

RPGのレベルを上げたらちょっとずつ強くなるのが楽しいって感覚が作品の中で再現されていますね。

増えていく人口

ヒロインだけでなく、いろいろな人種が主人公の島にやっていくのは達成感があって面白い。この作品は必ず通らなければいけない障害として。

異教徒を排除するために動く教会との戦闘ってのがあるどうと何度も言われててさ。彼らもそこに向けて武器や仲間をあつめているんですよ。

その辺が僕としては幻想水滸伝みたいな。国同士の戦争もあるRPGみたいで面白いんですよね。

今後の期待

やはりなにも考えずに好感度マックスのヒロインとのイチャイチャはこれからも読んでいきたいし。

なぜ、主人公たちの受ける加護が邪神扱いされているのかも気になりますね。

また、ひとつの国としてその規模が大きくなりつつある主人公の住んでいる島も今後どうなっていくのかが気になります。

それでは、4巻も追って報告いたします。

『昔勇者で今は骨』1巻と2巻について

さて、今回紹介する作品はこちら、『昔勇者で今は骨』です。


昔勇者で今は骨 (電撃文庫)
著者:佐伯庸介
レーベル:電撃文庫
発売日: 2018年1月10日
出版社: KADOKAWA /アスキー・メディアワークス
ASIN: B078J6XMCY

あらすじ
世界を滅ぼす魔王との、最後の戦い。どうしても負けられぬその戦いで瀕死の重症を負った勇者アルヴィスは、最後の手段・死霊術までも使って戦いきって……スケルトンになっちゃった!? それから三年後。魔王討伐後の処理を仲間へ丸投げした勇者改めスケルトン・アルは、平和になった世界でニート生活をエンジョイしていたのだが…… 『い・つ・ま・で・遊び惚けとんじゃアルヴィスー!』 ――世界が彼を放っておくはずもなく。魔王が倒された後の世界で、それでも助けを求めている人はいる。骨になっても心は勇者! コツコツ世界を救っちゃう(※骨だけに)、お気楽異世界ファンタジー!

カクヨム(番外編を掲載中)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885760878

どんな話か

自身をアンデットにするという代償を支払った末に魔王を倒した勇者が、昔の仲間を探すために冒険者として旅に出る話です。

ストーリーラインは水戸黄門ですね。骨の姿のため、周囲から奇異の目で見られる主人公がなんらかの事件が起きた際に持ち前のチート性で解決するという「舐めてたアイツはすごいやつ」の要素もあります。

この物語の土台となる主人公のアルヴィスも魅力的だ。自身が骨であることを活かしたギャグも面白いし、飄々としつつもシリアスな場面では決めてくれる。

ヒロインも個性豊かだし、主人公になぜ惚れて行動を共にするのかっていう因果の結び付け方もしっかりしてますよね。ちゃんと魅力的なエピソードがそれぞれ用意されているからさ。キャラの関係性に深みがあるんですよ。

しかも、主人公が骨で性欲がなさそうだからハーレムに対して反感も湧かないしさ。

それと、2巻で今までのキャラクターが王都を守るために戦う場面があるんですけどね。そこが総力戦として魅力的に描かれている。1巻で主人公になにができてなにができないのかをはっきりさせているから。仲間はこの能力でそれを補うっていう役割が読者にはっきり伝わるように描けててさ。

買った後の達成感がいいですよね。

今後の期待

2巻はじつはいいところで終わっててさ。メチャクチャ気になるんですよね。

ある大きな問題が解決して、じゃあ旅に出ようってところで終わるんだけどさ。それで場面転換して、失踪していたイザナってのがどこそこにいるらしいってのがわかる場面で締められている。

アルヴィスが、今、旅をしている理由がイザナを探すことにあるからさ。なんで彼女が失踪したのってのはわりと気になるところではありますね。

それと、ある決意をしたミクトラが今後、アルヴィスとどんな関係性を築くのかってのも気になりますし。

そもそも、ハルベルに死霊術師としての才能があるのはなにか理由があるんじゃないかってのもきになりますね。

3巻が出たら、追って報告していきたい次第です。

『おことばですが、魔法医さま。』について

さて、今回紹介する作品はこちら『おことばですが、魔法医さま。』です。


おことばですが、魔法医さま。 ~異世界の医療は問題が多すぎて、メスを入れざるを得ませんでした~ (電撃文庫)
著者:時田唯
レーベル:電撃文庫
発売日: 2017年3月10日
出版社: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
ASIN: B06XCBZ1S1

あらすじ
優秀な医学生の伊坂練次郎が召喚された世界……そこは回復魔法が正統な医療として発展した異世界だった。魔法医の少女コーディによる魔法治療を目にした伊坂は、それが内科的な病気にあまり効果がないことに気づく。ならば!と現代知識を活かして病に苦しむ人たちを診て回るが、それを知ったコーディはなぜかプンスカ怒りだし――?? 「魔法こそ唯一絶対の医療なんです! あなたの言うカガク?なんて認められません!」 自らの医療魔法に絶対の自信をもつ少女と、現代医療に全幅の信頼を置く青年。二人の出会いが異世界医療に革命を起こす!?


もくじ

どんな話か

現代で医大に通っていた大学生が異世界で知識チートを行う話です。

主人公の名前は伊坂練次郎。彼はひょんなことから異世界に召喚されます。その時に出会ったのが魔法医の少女、コーディ。

彼は異世界で魔法医療を目にすることになるのだが、その魔法医療というのが、症状に対する原因を探らずに、ただ回復魔法をかけるものだった。

コーディが扱う異世界の医療と、伊坂の信じる現代医療には決定的な違いがあることを強調させたところで。

そんななか、とある病を抱えた患者さんがやってきて。コーディーがいつものように回復魔法をかけて終わらせたところを伊坂は現代医療の知識で患者を助けるのだけれども、みたいな話です。

話としてはキムタク主演の『HERO』のような恋愛要素のあるバディもので、ある種の常識が確立しルーティンワークで進んでいる空間が一人の新参者によって壊される話です。

医療魔術こそが一番だと考えていたコーディーは突然やってきた伊坂の現代医療に初めは反発し。彼と対立します。しかし、彼が人々を救う結果を見ることで、彼を信頼すると同時に、伊坂もコーディーの人柄や医療魔術の長所にも目を向けるようになり信頼関係を築いていきます。

医療の知識を未開の地で有効活用って話だと『JINー仁ー』が有名なんですけども。あの作品と比較すると、『魔法医さま』には外科手術はなく、薬の処方や原因の究明がメインです。

前半でなんの病なのかを考えるミステリー要素があり。病に対する対処方法にはなるほどと思うような豆知識がある。それとヒロインとのイチャラブもある。

それとファンタジーの世界ですから、魔物との戦闘シーンもありますし、その世界、独特の設定や世界観もある。

誰が手に取っても読みやすくてわかりやすい医療ものになっています。

医療ものってさ。ドラマや漫画でもわりと対象年齢が高くなりがちなんだけど。この作品にはそういうとっつきづらさみたいなのがない気がするんですよ。

様子見で1巻だけ読もうと思ったんですが。予想以上に面白くて、2巻を買っておけばよかったと思いましたよ。

給料日になったら2巻を買って読んで、報告いたします。

ワンワン物語1.2.3巻について


ワンワン物語 ~金持ちの犬にしてとは言ったが、フェンリルにしろとは言ってねえ!~ (角川スニーカー文庫)
著者:犬魔人
レーベル:角川スニーカー文庫
発売日: 2017年11月1日
出版社: KADOKAWA / 角川書店
ASIN: B076W869D7

あらすじ
過労で死んだロウタの願いは、もう働かなくていい金持ちの犬への転生だった。その願いは慈悲深い女神によって見事かなえられる。優しい飼い主のお嬢様、美味しいご飯に昼寝し放題の幸せな毎日。しかし、ある日気づいてしまう。「大きな体、鋭い牙、厳つい顔…これ犬じゃなくて狼だ!?」ロウタは全力で犬のフリをするも、女神の行きすぎサービスはそれどころではなかった。狼は狼でも、伝説の魔狼王フェンリルに転生していたのだ!

カクヨムのURL
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882868581
小説家になろうのURL
https://ncode.syosetu.com/n0624dx/
ニコニコ静画
http://sp.seiga.nicovideo.jp/comic/30935

どんな話か

この作品は人外転生もののチートコメディです。主人公は次生まれ変わるなら、金持ちの犬になりたいと考えて、死にました。
目覚めると彼は大富豪のメアリの飼い犬、ロウタとして生まれたことに気づきます。

おいしいステーキにかわいいご主人様との暮らしから一ヶ月。ロウタは巨大な犬に成長。すると、一ヶ月で大きな体に成長したことや、狼のような見た目から自分が普通の犬ではないことに気づくロウタ。

しかも、ご主人様が魔物に襲われた際、思わず口から光線を出してしまうロウタ。

僕はお金持ちの犬になりたいと願っただけなのにこんなの話が違うよ!っていう話です。

異世界転生でよくある、一人の人間がある願いを超常の存在に叶えてもらったらって話です。

古典だと『猿の手』、映画だと『マスク』。漫画だと『ドラえもん』ブレイク・スナイダーの脚本術だと魔法のランプとも呼ばれている。物語の最初が主人公の願いが叶うことで始まるストーリーですね。

小説家になろうだと、『私、能力は平均値でって言ったよね』が一番きれいにこのストーリーラインに乗っかっています。

さらにこれは人外転生、犬になるはずがフェンリルになってしまったロウタはその超常的な力で、平穏な生活を求めようとするも、自分がある目的のために行った行動が想定したこととは違う結果を読んでしまう。

これにより、ロウタは平穏な生活を望みながらも、それとは真逆のトラブルを飛び込んでしまい、結果として自分の住んでいる領地を繁栄させていき。仲間を増やしていきます。

1巻から3巻は、そんな感じのストーリーラインを回しながら。愉快な仲間たちを増やして領地を繁栄させていく話です。

今後の期待

1巻から3巻は、仲間を増やしながら、ロウタはこんなことができるあんなことができる。逆にこれはできない。これは苦手。代わりに仲間のアイツはこれができるみたいなさ

地固めしているとこなんだと思います。

それをしながら、魔王が倒れた後に散り散りになったという幹部みたいなのがさ。どうも復活しているらしいぞみたいなのがさ。あるんですよな。

確か、3巻の最後にそれ関係の悪役との戦いになりましたから。となってくると、自分の住んでいるテリトリーの発展と仲間が増えていくのを達成感にしたユルユルとした日常をやりながら、この幹部たちとの戦いで緊張感を持たせるってのをやっていくんだろうなと思います。

物語のメリハリのつけ方がうまいので、これが今後、どんな話を展開していくのかが気になります。

では、4巻も追って報告いたします。

『友人キャラは大変ですか』の5巻について


友人キャラは大変ですか? 5 (5) (ガガガ文庫)
著者:伊藤康
レーベル:ガガガ文庫
発売日: 2018年6月24日
出版社: 小学館
ASIN: B07DTCDXF2

あらすじ
もうひとりの主人公、登場!?

最近、雪宮さんが体調不良で学校を休んでいる。
彼女は白虎の巫女。生命力は折り紙つきで、そんな雪宮さんが体調不良なんてこれは一大事だ。

すわ、雪宮汐莉メインエピソードが始まるかと思いきや――。

俺的に、とんでもないメインイベントが始まってしまった。
うちのクラスに、転校生が来たのである。しかも、とんでもない主人公オーラの持ち主が!

「よろしくお願いする。名前は、天涼院阿義斗(てんりょういん・あぎと)だ」

こんな主人公感のあるやつは、龍牙のほかに見たことがねえ……!

……俺も最近、友人キャラ(笑)みたいになってたからなあ。
男・小林一郎、ここは阿義斗とがっつりダチになって、友人キャラの面目躍如としてやるぜ!

どんな話

この作品は、メタ視点を持った友人キャラが友人キャラのままでいようと頑張る話です。
主人公の小林一郎は、友人キャラに憧れています。ある日、彼は理想の主人公、火乃森龍牙と出会い、彼の友人キャラを目指します。
最初は冷たく突き放す龍牙も、小林には心を開くようになる。そんなある日、小林は火乃森が女であることを知ってしまい、そのまま彼女と付き合いことになってしまいます。

また、異能バトルを繰り広げる龍牙の非日常にも巻き込まれるようになり。このままでは友人キャラではないと考える彼はなんとか友人キャラに戻ろうとするのだが、という話です。

3巻までの基本のストーリーラインが、主人公が目的のために行った行動が想定とは違う結果を呼ぶっていう『ロミオとジュリエット』や『プロデューサーズ』でもあるラインをたどっています。

んで、4巻からはそのラインがシリーズ全体の流れに関わっていくようになっていく。小林くんも完全に異能バトルのメインの一人となり。日常の中で蠢く、敵の陰謀を察知して龍牙たちを導きながらも自分も戦闘に参加せざるおえない場面が増えていきました。

今巻では、それに加えて新キャラも登場し、大きな急展開をみせます。今回も順に話していきましょう。

キャラクターについて

今回、新キャラとして天涼院阿義斗が出てきます。小林が認める新たな主人公キャラ。
龍牙を主人公とした異能バトルでメインを張る運命を受け入れつつあった小林は転校してきた阿義斗に対して、友人キャラとしての本能がくすぐられ。彼と積極的に交流するようになります。
すると、龍牙はそんな小林に嫉妬するように。

前半では、雪宮汐梨が抱えている悩みと並行しながら、龍牙→小林→阿義斗の三角関係を描いています。

そして、物語が中盤に差し掛かったところで、ある急展開が起きます。

急展開

阿義斗、じつは龍牙のことが好きらしく彼女に告白します。さらに、なにか悩みを抱えていたであろう雪宮汐梨。彼女の抱えていた悩みというのが明らかになります。

二つの事件が新しいイベントを呼び、小林の苦難が始まる。この辺、トウテツがいい感じにムードメーカになっていて。ギャグのキレもよかったですえね。

んで、並列に進んでいた日常と非日常がじつは一つの結末に向かっていてさ。大きな物語が動き出すであろうってところでさ。続きは6巻を待っててねって感じだったよ。

今後の期待

今回、新キャラがじつはたくさんいてさ。異能バトルや日常面で表向きの人格は描かれたんだけどさ。
主人公とガッツリ関わったらどんなキャラクター性を見せるのかはそこまで明らかになっていないんですよね。
阿義斗くんとの関係もまだ消化されていないであろうエピソードがありますから。
次巻ではそこに期待しています。

では、6巻も追って報告いたします。

『ぱすてるぴんく』について

さて、今回紹介する作品はこちら、『ぱすてるぴんく』の1巻と2巻です。


→ぱすてるぴんく。 (講談社ラノベ文庫)

著者: 悠寐ナギ
レーベル:講談社ラノベ文庫
発売日: 2018/5/2
出版社: 講談社
ASIN: B07CKT4G3T

あらすじ
ぼっちの高校生軒嶺緋色には彼女がいる。ブログのコメント欄から恋を芽吹かせ、ビデオ通話で愛を育んだ“ネット彼女”の楢山スモモ。新年度初日。クラス替えも静かに乗り切り、素早く帰宅した緋色だが、彼の前に、ここにいるはずのない少女が現れた!! 画面の向こうのかわいい彼女が、ぼっちの殻をぶち壊す! 本当に大事にしたかったのは、大切な人? それとも……。痛くて痒くてそれでも進む、炎上系スマホラブコメ!!

ここを起に持ってきたか

ネット恋愛を題材にしたラブコメです。面白いですよ。まず、最初に読んでびっくりしたのがですよ。この作品、スカイプ越しに彼女と楽しそうに会話するところから始まるんですよ。しかも付き合って1周年記念だね、みたいな話ししててさ。もうその時点でびっくり。
だってさ、付き合うまでの過程をそこまで描写せず、わりとサラッと書いて終わらせてるんですよ

二人が付き合っているのに理由いる? 当たり前じゃんって言いたげにさ。

この時点で、俺が普段読んでいるラブコメとはかなり毛色が違うなと思いましたよ。

本来であれば起承転結の結にしてもいいくらいのイベントをさ。起に持って行って、だけど二人の恋はこれからが本番なんだよってやるのはさ。俺よりも若いのに恋愛経験が豊富そう、というか、俺には絶対書けんって思いましたよ。

だって庶民は、シンデレラがお姫様になったところで勝ち確だと思ってさ。ハッピーエンドだねって思うわけでさ。その後が大変なんだよねって言い出すのはさ。わりとある程度豊かになって上流階級での暮らしというさ。成功した後の人生を想像できるくらいの余裕ができてからじゃん。

この発想になる時点で、人生経験の差みたいなものを感じましたよ。

ガンダムに振り回されるセイラさん

俺さ最初の部分を読んだときはさ。あ〜あ、これはきっと『耳をすませば』や『モノクロームサイダー』みたいに、俺の学生時代にこんな青春はなかったみたいなさ。心をえぐられる思いをすんだろうなって、戦々恐々したんだけどさ。

読んでみると、そんなでもなくてさ。逆にさ、心に余裕を持ってさ。主人公が不幸になる場面ではちょっと笑っちゃったりもしました。

それは僕が『君の名は』を一人で見た時にミツハが手のひらを見たら「好きだ」としか書いてないみたいな場面で爆笑するような嫌なヤツだからってのもあるんだけどさ。

それだけじゃなくてさ。

この作品はさ。ネットをバカにしていたはずの人種がさ、iphoneによって身近なものとして使うようになってさ。それによって苦しんでいる青春模様がさ。

なんか小学生の時から2ちゃんやってるとか、オンラインゲームやってたみたいな側からしてみたらさ。そうか君たちはそういう失敗をしちゃうのかって思うんだよ。

そもそもさ、主人公の軒峰緋色っていう高校生はさ。自分のことを隠キャだって言ってんだけどさ。そりゃ、もともと隠キャの性質を持っていかもしれないけどさ。じつは中学の時は陽キャなんだよね。

でさ、中学の時にある失敗をしてさ。それを境に高校からはクラスのみんなとあまりかかわらないように生きてきたんだよ。

その辺のさ。失敗もそうだし。その後の主人公たちの戦う敵みたいなものがさ。いわゆる大きな力を持ってしまった未熟なものたちとの戦いに、どうしても見えちゃうんですよね。

たぶんこれさ。俺だけじゃないと思うんですよ。今のうちに予言するとさ。これ、絶対アニメ化、映画化、ドラマ化されると思うけどさ。
絶対、要所要所でさ。SNSでの立ち振る舞いやブログのところとかさ。ツッコむオタク出ると思うんですよ。

もちろん、これは俺の話だって言ってさ。聖地巡礼しちゃったみたいな人とか出るし。王様のブランチあたりで。じつはこのお店、あのドラマの名シーンで使われたんですとか言ってさ。でかでかとラノベの挿絵が出たりすると思いますよ。

でも、この作品世界のネットに振り回されている人らがさ。ネットの慣れ親しんだ一部にとってはさ。なんかさ、異世界人を見ているような気分になるんですよ。

言葉がうまく説明できないんだけどさ。

なんていうかさ。この作品ってさ。スマホを抜きにして考えればさ。同調圧力というクラスの中にある空気感が主人公の敵になってるんですよ。

弱キャラ友崎くんやようこそ実力至上主義の教室とか、わたモテとかね。最近の作品でわりとよくみる敵キャラ。

そこにSNSが加わっているんですよね。

主人公たちはこの同調圧力に苦しめられた末に、周囲の目を機にするあまり俺は大事なことを忘れていた。愛している彼女のそばにいることの方がクラスのみんなの目よりも大事じゃないかって結論に至るんですよ。

俺さ、恋愛ものに対して斜に構えた考えを持ってるしさ。知り合いに中学時代の軒峰くんみたいなことした人を見たことがあるから、完全に他人事ってのがあるんだけどさ。

これ、ここまでおおごとにならないと気づけないのかと思っちゃうんですよ。たぶん、絶対にこれを読んで救われる人いるだろうしさ。名作なんだけどさ。

教室の隅でアニメをするオタクが通り過ぎている悩みをスゲェ悩んでいる様がさ。完全に他人事で読んじゃうんだよね。

絶対アニメ化やドラマ化するよ

読んでて確信したのが。これ、このまま連載が進めばアニメ化、ドラマ化、実写映画化はわりとあるんじゃないかと思っているんですよ。

まず、ネットやSNSという今の若者が使っているアイテムをストーリーにうまく絡めている。
思わず笑っちゃうって言ったけどさ。クラスのカーストが低かったひとや感性が古いひとが共感しないってだけで。
話自体は時代性があってさ。面白いんですよ。

共感しないってのも、ちょっと語弊があってさ。俺はこんな経験したことないけど、同じ立場だったらこう考えちゃうのかもなっていう感情移入はしちゃうくらい完成度は高いですから。

それと、秋葉原の2k540とかさ、実際の場所をモデルにしてヒロインとのデートや感動的な場面を描いているのはすごいですね。
主人公たちがどの辺に住んでいるとかも、書いてないけど考えてんだろうなってのがわかるくらい風景の描写が細かい。

アニメ化、ドラマ化する時に場所のすり合わせするのが大変そうだなって思いましたもん。
ライトノベルの時点で聖地巡礼ができる作品ってあんまり見ないですよ。

この二つの点でアニメ化やドラマ化はいつかするんじゃないかと思っていますよ。

今後の期待

期待としては、やはりまだ掘り下げられていない夕波檸檬と萌葱印の活躍が気になりますね。この二人はまだ表向きの人格しか読者にみせていない印象なんですよね。

檸檬ちゃんは、社交的なようにも見えるんですけど。クラスのみんなの目を気にするところがあるってのがさ。なんかむかしあったのかなって思わないでもないし。

萌葱は、スカイプ越しでの会話だけでさ。挿絵とかなかったですよね。

絶対なにかしらのエピソードがまだこれから出てくるのではないかと思います。

それでは、3巻が出ましたら追って報告いたします。