そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『昔勇者で今は骨』1巻と2巻について

さて、今回紹介する作品はこちら、『昔勇者で今は骨』です。


昔勇者で今は骨 (電撃文庫)
著者:佐伯庸介
レーベル:電撃文庫
発売日: 2018年1月10日
出版社: KADOKAWA /アスキー・メディアワークス
ASIN: B078J6XMCY

あらすじ
世界を滅ぼす魔王との、最後の戦い。どうしても負けられぬその戦いで瀕死の重症を負った勇者アルヴィスは、最後の手段・死霊術までも使って戦いきって……スケルトンになっちゃった!? それから三年後。魔王討伐後の処理を仲間へ丸投げした勇者改めスケルトン・アルは、平和になった世界でニート生活をエンジョイしていたのだが…… 『い・つ・ま・で・遊び惚けとんじゃアルヴィスー!』 ――世界が彼を放っておくはずもなく。魔王が倒された後の世界で、それでも助けを求めている人はいる。骨になっても心は勇者! コツコツ世界を救っちゃう(※骨だけに)、お気楽異世界ファンタジー!

カクヨム(番外編を掲載中)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885760878

どんな話か

自身をアンデットにするという代償を支払った末に魔王を倒した勇者が、昔の仲間を探すために冒険者として旅に出る話です。

ストーリーラインは水戸黄門ですね。骨の姿のため、周囲から奇異の目で見られる主人公がなんらかの事件が起きた際に持ち前のチート性で解決するという「舐めてたアイツはすごいやつ」の要素もあります。

この物語の土台となる主人公のアルヴィスも魅力的だ。自身が骨であることを活かしたギャグも面白いし、飄々としつつもシリアスな場面では決めてくれる。

ヒロインも個性豊かだし、主人公になぜ惚れて行動を共にするのかっていう因果の結び付け方もしっかりしてますよね。ちゃんと魅力的なエピソードがそれぞれ用意されているからさ。キャラの関係性に深みがあるんですよ。

しかも、主人公が骨で性欲がなさそうだからハーレムに対して反感も湧かないしさ。

それと、2巻で今までのキャラクターが王都を守るために戦う場面があるんですけどね。そこが総力戦として魅力的に描かれている。1巻で主人公になにができてなにができないのかをはっきりさせているから。仲間はこの能力でそれを補うっていう役割が読者にはっきり伝わるように描けててさ。

買った後の達成感がいいですよね。

今後の期待

2巻はじつはいいところで終わっててさ。メチャクチャ気になるんですよね。

ある大きな問題が解決して、じゃあ旅に出ようってところで終わるんだけどさ。それで場面転換して、失踪していたイザナってのがどこそこにいるらしいってのがわかる場面で締められている。

アルヴィスが、今、旅をしている理由がイザナを探すことにあるからさ。なんで彼女が失踪したのってのはわりと気になるところではありますね。

それと、ある決意をしたミクトラが今後、アルヴィスとどんな関係性を築くのかってのも気になりますし。

そもそも、ハルベルに死霊術師としての才能があるのはなにか理由があるんじゃないかってのもきになりますね。

3巻が出たら、追って報告していきたい次第です。