そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『おことばですが、魔法医さま。』について

さて、今回紹介する作品はこちら『おことばですが、魔法医さま。』です。


おことばですが、魔法医さま。 ~異世界の医療は問題が多すぎて、メスを入れざるを得ませんでした~ (電撃文庫)
著者:時田唯
レーベル:電撃文庫
発売日: 2017年3月10日
出版社: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
ASIN: B06XCBZ1S1

あらすじ
優秀な医学生の伊坂練次郎が召喚された世界……そこは回復魔法が正統な医療として発展した異世界だった。魔法医の少女コーディによる魔法治療を目にした伊坂は、それが内科的な病気にあまり効果がないことに気づく。ならば!と現代知識を活かして病に苦しむ人たちを診て回るが、それを知ったコーディはなぜかプンスカ怒りだし――?? 「魔法こそ唯一絶対の医療なんです! あなたの言うカガク?なんて認められません!」 自らの医療魔法に絶対の自信をもつ少女と、現代医療に全幅の信頼を置く青年。二人の出会いが異世界医療に革命を起こす!?


もくじ

どんな話か

現代で医大に通っていた大学生が異世界で知識チートを行う話です。

主人公の名前は伊坂練次郎。彼はひょんなことから異世界に召喚されます。その時に出会ったのが魔法医の少女、コーディ。

彼は異世界で魔法医療を目にすることになるのだが、その魔法医療というのが、症状に対する原因を探らずに、ただ回復魔法をかけるものだった。

コーディが扱う異世界の医療と、伊坂の信じる現代医療には決定的な違いがあることを強調させたところで。

そんななか、とある病を抱えた患者さんがやってきて。コーディーがいつものように回復魔法をかけて終わらせたところを伊坂は現代医療の知識で患者を助けるのだけれども、みたいな話です。

話としてはキムタク主演の『HERO』のような恋愛要素のあるバディもので、ある種の常識が確立しルーティンワークで進んでいる空間が一人の新参者によって壊される話です。

医療魔術こそが一番だと考えていたコーディーは突然やってきた伊坂の現代医療に初めは反発し。彼と対立します。しかし、彼が人々を救う結果を見ることで、彼を信頼すると同時に、伊坂もコーディーの人柄や医療魔術の長所にも目を向けるようになり信頼関係を築いていきます。

医療の知識を未開の地で有効活用って話だと『JINー仁ー』が有名なんですけども。あの作品と比較すると、『魔法医さま』には外科手術はなく、薬の処方や原因の究明がメインです。

前半でなんの病なのかを考えるミステリー要素があり。病に対する対処方法にはなるほどと思うような豆知識がある。それとヒロインとのイチャラブもある。

それとファンタジーの世界ですから、魔物との戦闘シーンもありますし、その世界、独特の設定や世界観もある。

誰が手に取っても読みやすくてわかりやすい医療ものになっています。

医療ものってさ。ドラマや漫画でもわりと対象年齢が高くなりがちなんだけど。この作品にはそういうとっつきづらさみたいなのがない気がするんですよ。

様子見で1巻だけ読もうと思ったんですが。予想以上に面白くて、2巻を買っておけばよかったと思いましたよ。

給料日になったら2巻を買って読んで、報告いたします。