そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『佐々木とピーちゃん』8巻について。ネタバレ注意!

さて、今回紹介する作品はこちら、『佐々木とピーちゃん』の8巻です。

佐々木とピーちゃん 8 巡り巡って舞台は学校、みんなで仲良くラブコメ回 ~真実の愛を手にするのは誰だ?~【電子特典付き】

書籍情報
ASIN: B0CS5XDLCW
出版社:KADOKAWA
発売日:2024年1月25日


もくじ

アニメ化決定! てんこ盛りの鍋料理!

『佐々木とピーちゃん』は次のような話です。
独身サラリーマン、佐々木は中年にさしかかるにつれ、かわいいペットと過ごす日々に憧れていた。
そんななか、ペットショップで出会ったインコのピーちゃんに一目惚れし、彼(?)を購入することに。
さっそく家に連れ帰ると、ピーちゃんは佐々木に語りかけた。彼が言うには、自分は星の賢者、ピエトロであり、異世界からこちらの世界に転生したとのこと。
佐々木はピーちゃんとの出会いをきっかけに、彼の魔法で異世界と現実世界を行き来し、異世界で商人として成功する。さらに、ピーちゃんから魔法を教わるようになる。
そんななか、女性が不思議な力を持った男性に襲われる場面を目撃した佐々木。ピーちゃんから教わった氷柱を飛ばす魔法で女性を助ける。
しかし、助けた女性は異能力に対抗する公安の特殊捜査官だった。助けた佐々木は彼女にスカウトされて捜査官となる。
こうして佐々木は、異世界で商人をやり、現実世界で異能力者としての二足のわらじを履くことになる。
さらにはデスゲーム、魔法少女、宇宙人とさまざまな事件に佐々木は巻き込まれていく。
このシリーズの面白いところが、巻ごとにそれぞれの事件を解決していくのでなく、1 巻のなかに複数の事件が同時進行で進み、時に絡み合う点である。
世界観の違う話が絡み合っているのに、わかりづらさがないのはとても面白い。
話が進むにつれて、キャラクターたちが宇宙人の十二式を中心に擬似家族を作る展開もワイルドスピードを彷彿とさせる。
現在、アニメがはじまっており、二期も楽しみにしている作品だ。

佐々木たちが学校に潜入!?

宇宙人の十二式が学校に行きたいと言ったため、佐々木と二人静は彼女の護衛と監視のために教師をすることに。
十二式が進学した学校にはお隣りさんがおり、5巻から登場のマジカルブルーも十二式の監視のために転校する。
佐々木が教師をするという展開はとても興味深かった。佐々木、二人静、星崎たちを束ねる上司である阿久津との会話が知能指数が高くて好きです。
高校生である星崎が学力の面で今回の潜入で不向きであることは予想できましたが、そこから体育ならできると言った星崎に、体育の問題を出す場面はコミカルで良かったです。

二人静のヒロイン力が強い

今回、佐々木は数学の教師に。二人静は英語の教師になりました。
いわば、職場の同僚としての関係で物語が進んでいく。そのため、二人静の活躍が必然的に増え、ヒロイン力が上がるのを感じます。
現時点で佐々木と一番親密なヒロインのように感じます。
のじゃロリババア、昨今では王道ゆえに独自の味付けを追求する風潮があるため、王道を味わうことが逆に難しい。二人静はそんななかで、目新しさがありながらも古き良き味わいを感じさせる素晴らしいヒロインです。
今後も活躍する場面が見たい。
しかし、今巻でヒロイン力が偏って上がっているのも事実。
今後のヒロインレースで他ヒロインの活躍を見ていきたいところです。

トリックスター、十二式

今回、宇宙人の十二式も魅力的に描かれています。明確にはされていませんが、作中でピーちゃんと競り合う勢いでつよいであろうキャラ。
いわば破壊神ビルスみたいな、機嫌を損ねると地球がヤバいともされている彼女は、物語を動かすトリックスターとしての役割を持ちはじめています。
彼女がいるからこそ、世界観が違うキャラたちが一つのチームとしてまとめられていてこの作品の台風の目となっている。
今後の動きに目が離せません。

9巻では、十二式はyoutuberに興味を持った様子。次巻でどんな展開になるのか、今から続きが楽しみです。