そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『友人キャラは大変ですか』の5巻について


友人キャラは大変ですか? 5 (5) (ガガガ文庫)
著者:伊藤康
レーベル:ガガガ文庫
発売日: 2018年6月24日
出版社: 小学館
ASIN: B07DTCDXF2

あらすじ
もうひとりの主人公、登場!?

最近、雪宮さんが体調不良で学校を休んでいる。
彼女は白虎の巫女。生命力は折り紙つきで、そんな雪宮さんが体調不良なんてこれは一大事だ。

すわ、雪宮汐莉メインエピソードが始まるかと思いきや――。

俺的に、とんでもないメインイベントが始まってしまった。
うちのクラスに、転校生が来たのである。しかも、とんでもない主人公オーラの持ち主が!

「よろしくお願いする。名前は、天涼院阿義斗(てんりょういん・あぎと)だ」

こんな主人公感のあるやつは、龍牙のほかに見たことがねえ……!

……俺も最近、友人キャラ(笑)みたいになってたからなあ。
男・小林一郎、ここは阿義斗とがっつりダチになって、友人キャラの面目躍如としてやるぜ!

どんな話

この作品は、メタ視点を持った友人キャラが友人キャラのままでいようと頑張る話です。
主人公の小林一郎は、友人キャラに憧れています。ある日、彼は理想の主人公、火乃森龍牙と出会い、彼の友人キャラを目指します。
最初は冷たく突き放す龍牙も、小林には心を開くようになる。そんなある日、小林は火乃森が女であることを知ってしまい、そのまま彼女と付き合いことになってしまいます。

また、異能バトルを繰り広げる龍牙の非日常にも巻き込まれるようになり。このままでは友人キャラではないと考える彼はなんとか友人キャラに戻ろうとするのだが、という話です。

3巻までの基本のストーリーラインが、主人公が目的のために行った行動が想定とは違う結果を呼ぶっていう『ロミオとジュリエット』や『プロデューサーズ』でもあるラインをたどっています。

んで、4巻からはそのラインがシリーズ全体の流れに関わっていくようになっていく。小林くんも完全に異能バトルのメインの一人となり。日常の中で蠢く、敵の陰謀を察知して龍牙たちを導きながらも自分も戦闘に参加せざるおえない場面が増えていきました。

今巻では、それに加えて新キャラも登場し、大きな急展開をみせます。今回も順に話していきましょう。

キャラクターについて

今回、新キャラとして天涼院阿義斗が出てきます。小林が認める新たな主人公キャラ。
龍牙を主人公とした異能バトルでメインを張る運命を受け入れつつあった小林は転校してきた阿義斗に対して、友人キャラとしての本能がくすぐられ。彼と積極的に交流するようになります。
すると、龍牙はそんな小林に嫉妬するように。

前半では、雪宮汐梨が抱えている悩みと並行しながら、龍牙→小林→阿義斗の三角関係を描いています。

そして、物語が中盤に差し掛かったところで、ある急展開が起きます。

急展開

阿義斗、じつは龍牙のことが好きらしく彼女に告白します。さらに、なにか悩みを抱えていたであろう雪宮汐梨。彼女の抱えていた悩みというのが明らかになります。

二つの事件が新しいイベントを呼び、小林の苦難が始まる。この辺、トウテツがいい感じにムードメーカになっていて。ギャグのキレもよかったですえね。

んで、並列に進んでいた日常と非日常がじつは一つの結末に向かっていてさ。大きな物語が動き出すであろうってところでさ。続きは6巻を待っててねって感じだったよ。

今後の期待

今回、新キャラがじつはたくさんいてさ。異能バトルや日常面で表向きの人格は描かれたんだけどさ。
主人公とガッツリ関わったらどんなキャラクター性を見せるのかはそこまで明らかになっていないんですよね。
阿義斗くんとの関係もまだ消化されていないであろうエピソードがありますから。
次巻ではそこに期待しています。

では、6巻も追って報告いたします。