そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『はじらいサキュパスがドヤ顔かわいい。』について


はじらいサキュバスがドヤ顔かわいい。 ~ふふん、私は今日からあなたの恋人ですから……! (電撃文庫)
著者:旭蓑雄
レーベル:電撃文庫
発売日: 2018年7月10日
出版社: 株式会社KADOKAWA
ASIN: B07F7R85YV

あらすじ
「くっくっく……さあ、ヤス。私が男に慣れるための練習台になるのです……!」
 生身の女子に性欲を抱けない男子高校生ヤスが同人即売会で出会った憧れの絵師ヨミさん。その彼女の正体は、性欲を集めて貪る淫魔・サキュバスだった!
 だけどサキュバスのくせに男性恐怖症だという彼女は、上司から課される搾欲ノルマをクリアするため、エッチな絵を公開して世の男性の性欲を集めることしか能の無い業界の落ちこぼれ。
 一人前のサキュバスになるために「安全パイ」のヤスを利用して、男性と接することに慣れていこうとするヨミ。恋人の振りをするなかで彼女は次第にヤスに心惹かれていくが、一方ヤスはヨミの描くエッチな絵にしか興味を持っておらず……?

どんな話か

ひとりの男の子が、ひょんなことからある女の子が抱えている秘密、あるいは悩みに気づいて、それを解決、解消するために彼女をサポートする立場に着く話です。

1人の女の子との関係構築をとことん描いた作品だ。ヒロインの天谷夜美はサキュパスなのに男性恐怖症。ここまでだとよくある設定なのだが、さらに彼女はエッチな絵に定評のある神絵師だった。
彼女はサキュパスなのに男性恐怖症のため、えっちなイラストを描くことで精力を集めている。そんな彼女が男性恐怖症を治すための練習台として選んだのが二次元にしか興味がない男、津雲康史、通称、ヤス。

夜美は男性恐怖症を直すためにデートしたり、お弁当を食べたりするのだがって話です。

キャラクターについて

ヒロインの天谷夜美がとにかくかわいいです。お調子者で、ドジっ子な彼女は見てて楽しいですね。
表紙を見るとわかる通り、ドヤ顔の似合うかわいい女の子なんですよ。
それでいて、サキュパスとしての本来の役目をこなせない自分にコンプレックスを抱いている。

また、彼女の相手役であるヤスも魅力的なキャラクターだ。彼は自分は二次元にしか興奮しない人間であることを自称しててさ。サキュパスの術もまったく効かないキャラなんですよ。

そんな彼が、じつはヒロインだけは違う存在として扱いはじめるというのが、個人的には尊いですね。

最後に、お互いがお互いのことを好きなのか、というのをはっきりさせようとするんですけどね。その辺に対して、悪魔の証明みたいな状態になるのも面白い。

話の内容として起承転結のしっかりできたこの1巻だけで完成している作品でもあるんですけども。できたら、2巻も出たら読んでみたいですね。