そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『始まりの街で世界最強〜ハーレムでイチャつくたびにつよくなります〜』について

 今回紹介する作品はこちら、『始まりの街で世界最強〜ハーレムでイチャつくたびにつよくなります〜』です。

始まりの街で世界最強 ~ハーレムでイチャつくたびに強くなります~ (ぷちぱら文庫creative 254)

もくじ

どんな話か

 主人公のアルスは新米冒険者。ゴブリンにすらバカにされるほど弱い。冒険者になるために、田舎から始まりの街にやってきた。街では高レベルの冒険者が集まり、浮ついた様子。新人冒険者の集まる街が、なぜ高レベルの冒険者で賑わっているのか。しかも、彼、彼女たちはどこか浮ついた様子だ。理由を聞いても幼い容姿のアルスは周囲から相手にされない。気にすることをやめ、冒険者として活動するための最初の一歩として、パーティーの募集をギルドの掲示板に貼る。募集するメンバーは3人の女性、種族問わず、募集する当人は初心者。募集の張り紙にどよめく冒険者たち。3人も相手にするだと!? と周囲から言われるも、アルスにはなんのことだかわからない。
 戸惑うアルスに、話しかける一人の女性。天使のアイシャ、武術を嗜んでいる。
 彼女とお試しでパーティーを組む。天使であるのにも関わらず魔法使いでなく武道家で、ガサツであることを気にしている彼女。アルスはそういったことを気にせずアイシャのことをかわいいという。絆されたアイシャ、冒険後に宿でアイシャはアルスを誘ってセックスする。
 すると、次の日にアルスがゴブリンと戦うと、自身のレベルがいつの間にか上がっており、以前は負けていたゴブリンを圧倒していることに気づく。その後、アイシャから、この街では大昔に作られた魔法陣により、パーティーを組んだメンバーとエッチすればするほどレベルが上がることを聞かされる。
 これにより、タガが外れたようにエッチする二人。他にも支援魔法を得意とし、「癒やしの女神」と呼ばれる悪魔のフィーネ。魔法使いのアマゾネス、エマがパーティーに加わる。
 始まりの街とその周辺でエッチをしながらレベルを上げていく彼らの冒険の行方とは。

どこが面白いか

 エッチをすればするほど強くなる。ベタな設定でかなり面白く描けています。
 ゴブリンやオーガなどの冒険パートは、まさに異世界ものって感じで描かれています。
 モンスターが人語を解しており、主人公たちとコミカルなやり取りをしています。
 序盤のゴブリンにバカにされる主人公からは情けなさを感じるも、その後でお腹を好かせた猫を助けることで頼りないけどいい人であることがわかる。キャラ立てをしたうえで街にはベテランの冒険者が集まっており、なぜか浮ついた気分でいるところも面白かった。読者には、これからの展開がなんとなく予想できているが、主人公はどういった状況なのかわかっていない。そこが主人公が自覚したらどうなるのか、というワクワク感を煽りました。
 主人公としては、強くなったら冒険の旅をしたいと考えている。しかし、田舎から出るときは女の子にモテたいという気持ちもあった。そのため、ヒロインたちに流される形でズルズルと始まりの街に滞在する日程を伸ばしてエッチ三昧の日々を送っていく流れにはエロさを感じました。そのうえで、終盤に魔物を倒していくうちにドミノ倒しのように自体が急変していく流れもなんでこうなるねん!って感じで面白かったです。

キャラクターの魅力

 天使の武道家、悪魔の聖職者、アマゾネスの魔法使い。本作のヒロインたちはもとの種族には似合わない職業で戦っている。また、天使なのにガサツ。悪魔なのにおっとり。アマゾネスなのに気弱、といった具合で中身も種族イメージの逆を狙っている。
 そして、彼女たちはもとのコミュニティで自身の特性を欠点として評価されている。しかし、主人公は素直な性格だから、そんな彼女たちの特性を個性として認めている。3人はそういった流れで親密度を上げ、セックスに至っている。
 どの娘もかわいいです。さいしょは変化球が強いところが気になりましたが、しっかりと会話や冒険中の行動でそれぞれのヒロインの魅力を引き立てているため、とても可愛かったです。種族としての特性も、エッチなことに利用しており、そういう使い方をするのかと感心する場面もありました。

どこがエロいか

 冒険者といえば、冒険するのが目的で、始まりの街は、いづれは出ていかなければいけない場所です。主人公は始まりの街に来た当初は、ここで経験を積んだら、いずれはもっと魔物の多いところで活躍したいと考えていた。
 その前提があるからこそ、レベルが上がるからという理由により、冒険に出かけるよりもエッチの回数が増えていき、街中や宿の中で3人と身体を重ねていく主人公。この流れは退廃的で甘美でした。
 やらなければいけないことがあるはずだけど、それよりもエッチを優先してしまう。そして、ヒロインもそのことを受容してくれるという事実自体がすでにエロいんです。そもそも街全体が性に奔放な街のため、そのこと自体が許されている。終盤の3日3晩エッチしようという流れはとてもエロかったです。
 それが終わったあとで、駆け足で物語が一気に動いた点もコミカルで面白かった。

 おすすめの作品です。ぜひ読んでみてください。