そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『母乳ちゃんは射したい』について

 今回紹介する作品は、『母乳ちゃんは射したい』です。

母乳ちゃんは射(だ)したい。 先輩と妹、ミルクハーレム (美少女文庫)

もくじ

どんな作品か

 主人公の甲斐ヒカルは吹奏楽部、全国大会に出ている。ある日、先輩の桜沢ともみに放課後に呼び出され、自分の赤ちゃんになってほしい、と頼まれる。彼女は胸から母乳が出る体質で、自分の母乳を吸ってくれる相手を探していた。母乳は、エッチな気分にならないとよく出ないため、甲斐ヒカルと桜沢ともみは、性行為をしながら母乳を出す。
 しかし、そんな自分達の活動を、主人公の妹である甲斐すずかは見てしまう。彼女も、主人公たちの性行為に加わるようになる。
 文化祭、遊園地、プール、温泉旅館。主人公は桜沢ともみと甲斐すずかに、いろんな場所やシチュエーションで性行為を行う。」

どう面白いのか

 「私の赤ちゃんになってください!」
 開始して、5ページで生徒会長であり、先輩でもある桜沢ともみから母乳が出る体質であることを告白される主人公。
 なぜ、母乳が出るのか。出るとしてなぜ主人公に頼むのか。吹奏楽部所属であることと母乳を吸うことは関係あるのか。数ページでいろいろな疑問が出るのですが、ツッコミ不在の中ではなしは進み。当然のように、流れるようにベッドの中にいき、母乳を吸う主人公。心中は頼られた先輩に答えたい、という思いからくるもの。
 本作は同人誌のノベライズです。その同人誌のスピード感を文章にそのまま置き換え描かれています。
 駆け足で進む導入には、勢いがあり、没入感があります。
 そこからは、さまざまな場所での性行為が描かれています。短編の連作集の形をとっています。
 誰もいない場所でしっぽりとヤるだけでなく、人混みの中でのプレイも多い。
 バレるのではないか、というハラハラ感でのプレイには倒錯的な興奮だけでなく、ハラハラする緊張感があります。
 途中で加入する妹のすずかもいいキャラをしている。トラブルやアクシデントが起きた際に起点を効かせて解決に回るし、3人での性行為につながっていく。

キャラクターの魅力

 生徒会長、胸が大きい。学園のあこがれの的。序盤で、モブキャラたちによるヒロインに対する所感が描かれたうえで、その中の一人であるはずだった主人公が彼女に呼び出されて、赤ちゃんになってほしいと言われる。
 ここまでの流れが数ページにも満たない。とても早い。
 みんなのあこがれの的である桜沢ともみ。唐突に距離が縮まった二人の日常はとてもいいです。
 エロ描写を中心とした作品でありながら、クラスメイトとの会話や、文化祭での出し物、体育祭で先輩とお弁当を食べるなど、学園モノの日常も丁寧に描いている。だからこそ、母乳がたまり、胸が張ってしまうというアクシデントが唐突に起き、火急にひと目を偲んでエッチしなければいけないというシチュエーションが際立っています。
 主人公に対して反抗期の妹の甲斐すずかもとてもかわいいです。
 生意気な態度でありながら、陥没乳首という身体的なコンプレックスを抱えている。
 日常での生意気な態度と、性行為中の甘えた様子がとてもギャップが会ってエロいです。

どうエロいか

 クラスのあこがれの的である生徒会長であり、主人公にとっても憧れの先輩である桜沢ともみ。
 彼女がたくさんいる生徒の中から頼れる存在として選ばれた主人公。
 彼女の胸に吸い付くという行為を、頼まれてやるという立場の優越感。
 胸を活かした性行為の数々がとてもエロいです。また、人の多い場所、イベントでの搾乳場面が多く。
 背徳感や倒錯感の溢れた描写ば多い。同じ秘密を共有し、二人の性行為に加わる妹の甲斐すずかも魅力的なキャラです。

 スピード感があり、濃度の濃い性描写が最後まで連続する作品です。オススメの作品ですので、ぜひ読んでみてください。