そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『この素晴らしい世界に祝福を!』16巻について

さて、今回紹介する作品はこちら、『この素晴らしい世界に祝福を!』の16巻です。


この素晴らしい世界に祝福を! 16 脱走女神、ゴーホーム!【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)
著者:暁なつめ
イラストレーター:三嶋くろね
発売日: 2019/8/1
出版社: KADOKAWA
言語: 日本語
ASIN: B07VRLSJ8J

あらすじ
『追伸。探してください』セレナが起こした騒動の後、手紙を残してアクアが家出した。マスコット的な存在であるアクアの家出によって、にわかに騒がしくなるアクセルの街。しかし、そんな状況にも関わらず、カズマは『レベル1』であることを理由に追いかけようともしなくて!?
様子のおかしいカズマを気遣っためぐみん達に、原点にして宿敵であるジャイアントトード狩りに誘われ――そこでカズマは、誰も想像がつかないようなパワーアップ方法をひらめく!?
「留守番するのはもう止めだ! あのアホを追いかけるぞ!」
ついに、カズマがチート獲得!? 家出女神を追いかける16巻!

『この素晴らしい世界に祝福を』とは

『この素晴らしい世界に祝福を』とは、もともとは小説家になろうで連載されていた異世界転生ものです。
主人公のスバルはひょんなことから死んでしまう。すると女神のアクアから異世界への転生を進められる。
転生前に自身の死因を笑われた彼は、この中から好きなものを異世界に持ち込めると言われ、女神であるアクアを選ぶ。
こうして、神のチートを得たカズマは異世界無双を夢見るが、現実はそうもいかず、みたいな話ですね。

面白いですよ。アニメ化もされて、1期が好評だったため、2期も放送されました。異世界転生ものと聞かれて真っ先に上がる作品ですが、じつは話の内容は異世界転生と期待したら、という異世界転生を笑うコメディ系の作品。

ヒロインであるめぐみん、主人公の悪友であるダスト、トリックスターなバニルなど、主人公以外にも魅力的なキャラクターがたくさんいる。

また、異世界転生なのに冒険は少なく、初心者の街、アクセルからほぼ出ていないが、世界観が人気でTRPG化もされてる。

この長期シリーズもついに16巻です。

では、読んだ感想に入りましょう。

カズマがレベルアップ

15巻であることがきっかけでアクアは魔王討伐へと向かう。
カズマはレベル不足のため、一度はアクアを追いかけることを諦めるも、レベルアップのためにリッチーのウィズと悪魔のバニルと共にダンジョンに潜ることに。
この辺の流れがいいですよね。アクアを追いかけない、と決めるカズマの判断は彼らしい考えてのことだし。その上で彼だからこそできる秘策で決断をする。
ウィズとバニルの活躍が自然と入っていたのもよかった。この二人は好きなんですけど、表だって活躍するキャラではないですからね。いい感じの見せ場が読めて嬉しいです。

魔王軍の女幹部

あと、よかったのが、魔王の女幹部さんですね。15巻で出たばかりなのに、同人誌なみにかわいそうな感じがそそりますよね。
今巻でも、停滞すると思われる空気を変えて、物語を前に進める導き手としての役割を持ってました。
再登場しても、敵なのに今からかわいそうな目にあっちゃうんだろうな〜って思ちゃう時点で笑っちゃいますね。
アクシズ教の見せ場を作った点もなおよし。

ラストに向けて

ラストに向けて、どんどん動き出していくとこがワクワクしますね。
16巻のラストでとても大きな障害が立ちはだかりますが、それがまさかギャグで終わっていたあれが伏線として機能するとは思わなかった。
このままこのシリーズがどうなるか気になりますね。
ネットでは魔王を倒して最終回でしたが。魔王の娘という存在が続刊フラグのようにも読み取れます。