そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。』について

さて、今回紹介する作品はこちら、『お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。』です。


お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。3 (ファンタジア文庫)
著者:凪木エコ
イラストレーター:あゆま紗由
レーベル:富士見ファンタジア文庫
発売日: 2019/4/20
出版社: KADOKAWA
ASIN: B07PRS72YR

あらすじ
1学期も終わり夏休み。充実したおひとりサマーバケーションを過ごすために綿密な予定を立てる姫宮春一を襲う新たな天敵。「姫宮さん、一緒に遊ぶ予定を立てましょう!」「やだ」高校受験日に助けた美少女お嬢様、白星有栖の超絶アピールが炸裂。おひとり様エネルギーが減らされる状況を毎度の如く春一は許さない!…のだが、おひとり様理論も通じない初めての強敵。おはようからおやすみまで有栖一色に染まり始め!?最後の手段として春一は、華梨たちクラスのリア充が開くキャンプに参加。協調性のなさアピール作戦を開始する―!ひねくれボッチートな青春ラブコメ、ソロ充は夏こそ輝け!!

『お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。』とは

この作品は次のような話です。
一巻、主人公の姫宮春一は、おひとり様を楽しむことで充実した毎日を送っていた。しかし、高校生になってから、クラスの人気者である美咲華梨から、友達がつくれないぼっちであると勘違いされ、一緒にクラスの親睦会のまとめ役をやることになる。
美咲は主人公を変えてあげようと、アドバイスするも、彼は彼女の想定以上の成果を上げる。これにより、美咲は彼が性格上の問題で隠キャを演じているのでなく、好きだからこそおひとり様をやってることを知る。
お互いの価値観がぶつかるなか、親睦会ではある問題が起きてしまう。
この問題を、姫宮春一が解決することで、この主人公は変わり者だけどやるときはやる男だなって読者は思います。

特に、文章で心理を描写できるライトノベルだからこそ。主人公の行動のうちに秘めるこだわりに共感できてさ。一巻で彼のことを最初から好きになって読むことができます。

2巻、この巻では、主人公は1巻で対立していた洞ケ瀬夢乃とひょんなことから交流を持つ。
それにより、彼女の夢を主人公は知ることになり、学園ものの王道でもある。将来の夢とはなにか、という問いがキャラクターたちになされる。
そして、夢と関わりのある進路で、洞ケ瀬と彼女の親友との間でケンカが起きる。ここで主人公と洞ケ瀬との間でのやりとりで、彼の自分の生き方に対する考え方がどういうものか読者に伝わります。

そして、2巻のラストでなにやらラブコメのにおい。一巻で主人公に告白したヒロインが再登場です。名前は白星有栖。はたして、3巻はどうなるのか、を今回話します。

新キャラの白星有栖

白星有栖、高校1年生。
彼女は高校受験のとき、主人公に助けられたことをきっかけに彼に対し、恋に落ちる。
そして、一巻のエピローグで彼に告白するのですが、フラれるんですね。3巻で万を辞しての登場。
1、2巻は主人公がどういうやつかを描くための巻でしたから。準備を整えた上で登場したキャラです。
3巻は主人公の恋愛観を描くための巻であると同時に、彼女を中心とした巻でもある。

3巻、白星有栖視点での主人公との邂逅、惚れるエピソードについて語られた後、主人公が夏休みを満喫するための計画を立てていた。我ながらに充実したソロ充の夏の計画を立てる主人公。もちろん、そうした計画は計画どおりにいかないもの。

2巻のラストで再登場した白星が彼のアルバイト先にも現れ、彼の日常にも関わっていく。

主人公にアタックする彼女は可愛いです。さらにヒロインたちを巻き込んでのカラオケで、彼女の主人公に対する想いを強調、主人公とほかのヒロインたちの距離感を再確認させた上での今巻のメインであるキャンプになるわけです。

キャンプ

ここが一番面白かったですね。王道中の王道なんですが、隠キャなキャラがなぜかアウトドアでメチャクチャソロを楽しむって意外と多いんですよね。
実際、ギャップがあっていい。
非日常てきな空間での集団行動ですから、主人公の特異性も伝わるんですよね。

今後の期待

そして、3巻のラストで急展開が起きる。
これは続きが気になります。
3巻全体で考えると、白星ちゃんは主人公たちに変化を起こす存在だったんだなと思います。
そもそも、白星有栖って名前がまず意味深です。
暗い中でも光る星。つまり見えない暗闇を照らす光ということ。この子の登場でいろんなことが明らかになるということ。
そして有栖といえば、不思議の国のアリスでしょう。有名なおとぎ話。少女のアリスが夢の国を探検し、最後には夢から覚める話だ。
これは彼女の誤解が解けるにもかかってるし、3巻のラストの急展開にもかかっている。
つまり、夢から覚めて、主人公は目下の問題について見て見ぬ振りはできないということです。
4巻で今回明らかになったことに対して、主人公がどう行動するかが気になります。

では、次巻も追って報告いたします。

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