そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います』3巻

さて、今回紹介する作品はこちら、『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います』の3巻です。

痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 3 (カドカワBOOKS)

あらすじ
第二回イベントを相棒のサリーとワンツーフィニッシュで飾ったメイプル。新たにギルド【楓の木】を創設し、仲間とともに強化に励むのだが……? 後に「人外魔境」「魔界」と恐れられる、最凶ギルドが産声を上げる!

目次

シリーズの魅力

まずは3巻目ですので、シリーズ全体の魅力から話します。
『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います』はこんな話です。

ある日、主人公の本条楓は友人の理沙の勧めでMMO RPG、【New World】を始める。楓はキャラメイクの際、「痛いのは嫌」という理由で防御力に極振りしたメイプルを作ってゲームをプレイします。すると、幸運に幸運が続いて特別な行動をしないと得られない特殊スキルやレア装備を手に入れたメイプルはまたたくまにゲーム内で最凶の存在に君臨するようになる。

 1巻は些細なきっかけが大きな事件に発展していくことによって起きることで笑いが起きるストーリーラインをなぞっていますね。
 落語とかによくありますよね。例えば、『天狗裁判』。一人の男が悪夢にうなされたことをきっかけに様々な人に夢の内容を問われ、最後には天狗裁判にまで発展するって話です。昔からよくある笑いのパターンなんですよ。

 メイプルも「防御力に極振りする」というアクションをきっかけに、いくつもの幸運が舞い込んで、最終的にワールド内で恐れられるチートキャラに変貌します。ゲームをやりなれていない女の子が思わぬ幸運で強くなっているのが可愛い。しかも、彼女自身は自分のチート性に気づいてなくてさ。周囲は彼女のヤバさを認識している。メイプルの視点と周囲の視点を交互にやって、ゲーム内での彼女の知名度が上がっていく様は達成感があって面白いですね。

 2巻からは運営によるダンジョンの攻略イベがはじまってさ。メイプルのチート性に注目する運営との戦いが主人公からは無自覚な状態で始まっています。毎回、メイプルたちがダンジョンに挑戦すると、運営の視点によるダンジョンの解説がはいるため、ダンジョンを主人公たちがどうやって攻略するかって点がハンタハンターのハンター試験編やグリードアイランド編的で面白いです。
 それと、このイベント戦でいくつかの新キャラが出てきたんですが。じつはそれが今回のギルドの設立で仲間になるんですよね。キャラ立て回になってるんですね。

 それでは、3巻の話に移りましょう。今回は、ギルドの設立、チート化する仲間たち、さらにチート化するメイプルの順に話します。

ギルドの設立

今回の話の肝はギルドの設立ですね。どうやら、2巻で描かれたチートを抑えこもうとした運営と無自覚にスキルの組み合わせでチート化するメイプルの戦いはいったん終わってですね。
いつのまにか、【New World】の看板プレーヤーになっていることに気づいた運営は彼女たちのことを見守ることにします。

んで、じつは彼女と同じくステータスを極振りにしてる子たちがいることも書いてますね。
今巻ではATに極振りした姉妹、ユイとマイが登場してるんですけどね。それだけでなく、ギルドバトルかその次の巻でメイプルと同じ極振りプレーヤーが出てくるんでしょう。

こうやって次巻の伏線と、運営との対立関係を解消した上で、今回の話はギルドの設立が中心となります。

次のギルドバトルに向けた地固めでしたね。2巻で仲を深めたキャラクターたちがメイプルの作った【楓の木】に入る。

メンバーは主人公のメイプル、親友のサリー、天才少年のカナデ、和装のカスミ、生産職のイズ。今巻が初登場のユイとマイ。それと、メイプルと同じ大盾使いのクロムが加入したのが意外でしたね。

彼は一巻では、メイプルのチート化する過程にリアクションしまくるヤムチャ的な立ち位置でしたから。

チート化する仲間たち

今回はギルドに加入した彼らが1巻のメイプルと同等のチート性を得る修行回のような話でした。
クロム、カナデ、イズはメイプルとサリーと同じくレア装備、スキルを手に入れ強化されました。

中でも今巻で印象的だったのはユイとマイでしょう。彼女たちはメイプルが一巻で強くなった流れを汲みながら強くなったので、現在のさらにチート化したメイプルとの比較にもなり面白かったですね。

さらにチート化するメイプル

今巻、メイプルがさらにチート化しましたね。
3巻では最初の方にメイプルとサリーのステータス画面が書いてあったんですけどね。
4巻だと、メイプルだけでまるまる一ページ使うんじゃないかってくらい強くなりましたよ。
それと、見た目が変わる系のが多かったんで、ぜひこの辺はコミカライズやアニメ化で見たいですね。

次巻ではギルドどうしの争いに移るだろうってフリがあってさ。【楓の木】以外のギルドのメンバーが、どうやってメイプルのギルドと戦うかって作戦も立てる場面があるからさ。

その辺の計画が潰れてさ。舐めてたアイツはスゴイヤツ展開が始まるのが今から楽しみです。

では、続刊も追って報告いたします。