さて、今回紹介する作品はこちら、『友人キャラは大変ですか?』の7巻です。
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著者:伊藤康
イラストレーター:紅緒
レーベル:ガガガ文庫
発売日: 2019/6/23
出版社: 小学館
ASIN: B07SWBYW6D
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あらすじ
VS魔神編、クライマックス!
連絡の途絶えたシズマを追って、異界に突入することになった火乃森龍牙と仲間たち。
もちろん、友人キャラの俺も同道している。
なんてったって、シズマは俺の息子(育ての意味での)。普通に心配なのだ。
異界の意外な姿に驚くのも束の間、俺たちはキュウキ陣営の襲撃を受ける。
ええい、ここが正念場だ!
第三部以降ややこしくなっちまったが、元凶のキュウキをぶっとばせば龍牙の異能バトルストーリーはめでたく終了、俺の本来の居場所(日常パート)も取り戻せるって寸法よ!
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もくじ
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**『友人キャラは大変ですか?』とは
『友人キャラは大変ですか』とは、次のような話です。
主人公の小林一郎は、主人公キャラの友人キャラに憧れる男の子。彼は自分を友人キャラとして立たせてくれる主人公キャラを求めていた。そんな彼が見つけたのが、火乃森龍牙。
龍牙はスポーツ万能で成績優秀。しかし、クラスのみんなとは一歩引いていて、なにか秘密を抱えている。その秘密は、人間界を密かに脅かす異形の軍団、奈落の使徒。彼らを倒すための異能を受け継ぎ、戦う血の運命にあることだった。
龍牙の秘密を知った小林は影からその動向を探りつつ、クラスで孤高であろうとした龍牙の友人キャラとなった。
しかし、ひょんなことから龍牙の秘密を知っていることが本人にバレてしまう。すると、龍牙は小林が知らなかった更なる秘密を打ち明ける。
なんと龍牙は女の子だったのだ。
これにより、彼女の友人キャラでいるために龍牙にしていた行為の数々が彼女の彼に対する恋愛感情につながっていたことも明らかになる。
それにより、小林は龍牙の彼氏をすることになってしまう。
さらには、龍牙の仲間たちも小林に好意を寄せるようになり、しかも小林自身には内なる能力があることも明らかになる。
はたして小林は友人キャラに戻れるのか、という話です。
面白いですよ。切り口が今までのラノベであまりないタイプ。だからこそ、次どうなるかが予想しづらい。そして、主役の抱えている悩みはラノベ的でもある。
自分は主役になりたくない。だけども、ワクワクする物語に立ち会いたい。キノの旅からはじまり、涼宮ハルヒ、氷菓と続いていく傍観者でいたい主人公の系譜。
それでいて、冷めたような人間というわけでなく、立ち振る舞いがコミカルでだれかのサポートに情熱を注ぎたいキャラだからこそ好感が持てていいですね。
メタ的な立ち位置のキャラが主人公なので、個人のふるまいが全体に影響を与える系の話かと思いきや。アクションもしっかり描写できています。
**魔神との最後の戦い
今回、5巻で混戦を極めた魔神編もいよいよまとめに入っていった形となりますね。
こんがらがっていた問題が次々と解決していく。
そして、さまざまなキャラクターたちどうしで起きていた小さな物語が一つの大きな物語に向かって集約しようとしている点はとてもカタルシスを感じます。
**異界と人間界
今回、小林たちは異界に行くことになります。
このへんが、この作品特有の予想とは違うことが起きるコミカルな展開だけでなく。
8巻からの展開を見越しての世界観の構築のための展開にも見えます。今まで、異界は話には出ていても、どんな世界なのかは語られていなかったからですね。
だから、小林に異界に直接行かせることで、次の舞台の世界観を整えたんでしょう。
**小林と阿義斗、阿義斗と龍牙
今回、小林と阿義斗、阿義斗と龍牙の違いが決定的となる巻となりました。
阿義斗は、龍牙と同じく小林が認めるほどの主人公気質であり、小林と同じ、裏側から世界を動かそうとする存在です。
似た性質を持つからこそ、彼らに別の道や彼ら自身の本質を問いかける存在となる。
龍牙は主人公にふさわしいのか。力を持ちながら、龍牙に主人公を求めることは正しいことなのか。
この辺に対し、小林たちがセリフでなく行動で示せたからこそ感動するんですね。
しかし、まだまだお互いにすれ違いがあるよねってところをギャグで見せることで、そろそろ次の巻からはその辺の話をしたいよねって感じにしてますね。
では、次巻も追って報告いたします。
友人キャラは大変ですか?4【SS付き電子特別版】 (ガガガ文庫)
- 作者: 伊達康
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/01/26
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