そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『僕は君に爆弾を仕掛けたい。』について

 さて、今回紹介する作品はこちら、『僕は君に爆弾を仕掛けたい。』です。


僕は君に爆弾を仕掛けたい。 (角川スニーカー文庫)
著者:高木敦史
イラスト:遠坂あさぎ
レーベル:スニーカー文庫
発売日: 2018年9月1日
出版社: 株式会社KADOKAWA
ASIN: ISBN978-4-04-107334-6

あらすじ(「Book」データベースより)
小手毬さんはとても可愛い。でもそれは見た目だけ。本性は身勝手で強引で偉そうで、ホントにろくでもない。僕の敵、だったのに。よりにもよって彼女が僕の仕掛けた爆弾を見つけるものだから、さぁ困った。きっとものすごく面倒くさいことを言い出すぞ。「犯人を引きずり出せるかどうか、賭けをしない?私が勝ったら笹子くん、キミ私の下僕になること!」…ほらね。そのまま二人仲良く、文化祭を控えた学内で起こる怪事件に次々巻き込まれるハメに―。かまってほしい彼女と彼の、学園謎解きラブコメディ。

 破天荒なヒロインとひねくれものの主人公による学園ミステリー。
 面白いですよ。学園を舞台に、爆弾に関連した事件を次々と説いていく。
 助手役の主人公が探偵役のヒロインに振り回された結果、平穏そうな学園に眠る悪意を次々と呼び覚まし、解決していく流れは『魔少年ビューティー』を思い出しました。
 作品の形式は短編集。主人公たちの前で起きる一連の事件は、彼らを取り巻く世界観を強調する形になる。
 舞台となる学園で起きる事件はさ。最終的に内々で処理される形で終わってさ。かなり消化不良な感じなんですよ。
 そこがさ、彼らの通う学園の閉鎖的な空気につながるんですね。
 で、最終的にヒロインが文化祭で裏で行う活動がその閉鎖的な空気との戦いにつながるってのが、ちょっとしたカタルシスになるんですね。
 世界観とキャラクターの設定、ミステリー要素も面白いので、次巻も追って報告いたします。