そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『こんな青春でマジになれなくてどーするんの?』について

 さて、今回紹介する作品はこちら『こんな青春でマジになれなくてどーすんの?』です。


こんな青春<ゲーム>でマジになれなくてどーすんの? (MF文庫J)
著者:さくらいたろう
イラストレーター:もきゅ
レーベル:MF文庫J
発売日: 2018年8月25日
出版社: 株式会社 KADOKAWA
ASIN: ISBN978-4-04-065166-8

あらすじ
教室だと無気力で影も薄い学園カースト最底辺の中平修だが、オンラインで人気のFPSフラグ争奪戦ゲームではトップランカーの実況配信主「しゅー」として名を馳せていた。ある日プロのゲーミングチームに誘われた修は、もういっそ学校なんて辞めちゃうか!と盛り上がる。しかし新生チームメイトとの顔合わせに現れた女の子たちの中には、ゲームなんかとは無縁そうな学園カーストのトップでクラスの人気者・秋月なぎさの姿が! 修はとっさに正体を隠したままでチームを組むことにするのだが、まさかのゲーム内で「しゅー」がなぎさから告白されてしまう事態に!? 青春&ゲームで、修のWプレイ新生活スタート!>>

 この作品はせんせーのおよめさんになりたいおんなのこはみーんな16さいだよっ? (MF文庫J)の作者、さくらいたろうさんの新作です。
 魅力的なキャラクターと複雑なゲーム性が両立したいい作品ですよ。
 本作ではVRでできる海の中で行うシューティングゲームが中心になっています。
 主人公はゲームが大好き。彼は自分が唯一輝けると考えていたマートリップというゲームのプロチームのリーダーになる。
 彼はゲーム内で名前の知っている黒騎士、川合桜、うさぎをスカウトしてプロチームを結成します。
 ところが、スカウトした3人は全員美少女で、その中の一人がクラスメイトの秋月なぎさであった。
 彼は素性を隠して、なぎさことうさぎと接するも、彼女から突如告白されてしまい、という話です。

 面白いですよ。さくらいたろうさんの著作である『せんせーのおよめさんになりたいおんなのこはみーんな16さいだよっ?』は、4人のヒロインをぎっしりつめこみながらもしっかりそれぞれのヒロインの魅力をちゃんと描いたきれいなお弁当箱のような作品でした。今回も複数のヒロインをしっかりとそれぞれのイベントごとに配置しながらも一個のコース料理として破綻なく並べているところが作者の力量のうまさを物語っている。
 1品1品の料理の完成度が高いし、それぞれの料理の並べ方も矛盾がないということです。

 そして、ちゃんとすべてのイベントがメインディッシュの秋月あずさと主人公との関係に収束するようになっている。
 ハーレムとしても、熱いスポコンとしても、一人のヒロインとの青春ものとしても完成度が高いので次巻も楽しみにしています。