そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『異世界チートWエルフ嫁』について

 今回紹介する作品は、『異世界チートWエルフ嫁』です。

異世界チートWエルフ嫁 (美少女文庫)

どんな話か

  主人公の義仁は異世界転生者。冒険者として、第2の人生を謳歌している。魔法が使え、とても強い。
 彼は観光目的でエルフの里に来ていた。ここで日々を過ごす中、エルフの里を強襲し、森を燃やそうと画策する者の存在に気づく。
 計画が実行にうつされたとき、賊を倒し、二人のエルフの女性を助ける。
 街に戻ってきた主人公の義仁。館に入れると、彼のもとを訪れる二人のエルフ。それは以前助けたエルフだった。
 自分たちを助けてくれた義仁に一目惚れしたので、お嫁さんにしてほしい、と二人のエルフは義仁に言う。
 夜、義仁の寝室に訪れる二人。彼女たちは夜這いに来ていた。二人の誘惑に負け、性行為を行う。
 それから始まる同棲生活。義仁と冒険者をはじめてパーティーを組んでダンジョンを攻略する。その合間にもちろん性行為を行う。
 二人に流される形で美少女エルフたちとの爛れた性活が続く。
 そんななか、彼女を連れ戻そうと、エルフの里から使者がやってくる。
 じつは二人には義仁に隠している秘密があった。

どう面白いか

 主人公は王道の異世界転生者の主人公。魔法使いとしての才能に恵まれた男性。
 本作では二人のエルフ姉妹との異世界での爛れた日常が描かれている。
 それに対して、日常の崩壊を予期させるような障害が匂わせで出てくる。
 これがいい具合に先が気になると同時にノイズにならない。障害となる悪役の視点で描かれるパートでは、主人公の強さが周囲の人物のセリフや反応で描かれているので、悪役の考えた計画は失敗するであろうというのが読者にわかるように描かれている。
 では、どう失敗するのか。自信満々の彼らのザマァがみたいという感情がページをめくらせた。
 また、悪役の存在は本作ではアクセント程度で、エッチなことをさせてくれる美少女エルフ姉妹が主人公のそばにいることが本作の面白さだ。ファンタジーとしてのお約束を守りつつ。異世界での冒険のながらで、性行為にはいっているというソフトなハーレム展開がとても読み心地が良い。
 そして、物語の展開ではセリフだけで状況がわかり、地の文がシンプルに抑えられているが、官能描写にはいれば主人公の高ぶりに合わせて徐々に描写が厚くなっているところも、読み応えがあってよかった。

キャラクターの魅力

 美少女エルフ姉妹のアスタリシアとリュシア。二人はとても魅力的な人物だ。
 双子で幼い頃から仲の良かった彼女たちは、一人の男を共有する。性行為のシーンは基本、3Pだ。
 性行為の描写は、二人の美少女としてのルックスだけでなく、関係性が現れている。
 初性交の場面、二人の美少女エルフが主人公に夜這いをかける。そこで先にモーションをかけるのが姉のアスタリシアだ。
 夜中にネグリジェの姿でリュウシ後ともに主人公の前に現れキスをするアスタリシア。彼女とのキスが終わると、姉に促される形で、リュシアとも唇を重ねる。
 勝ち気な性格のアスタリシアとおとなしい性格のリュシア。アスタリシアがリュシアを引っ張ることが多いのだろうというのがわかる。
 それでいて、盛り上がると積極的になっていくリュシア。そのギャップはとてもいい。
 双子の要素をただのハーレムで収めずに、ちゃんと性行為の場面に反映させている。
 本作は異世界での要素はあっさりと描かれているが、その合間合間の性行為の回数が多い。
 双子エルフとの異世界でのエロい日常をメインテーマとしてブレずに描けている。

どうエロいか

 3Pの場面をしっかりと描けている。複数の女性と順番にやっているような感じがない。
 二人のエルフと一人の男性の性行為として描かれていると感じた。
 それでいて、異世界の生活もちゃんと描き過ぎにならない程度に描けている。生活が書かれているからこそ性活になっている。
 性描写の場面では二人の心理的な描写も描きつつ、その上での心と体の両方のつながりを求めての双子との3Pとなるのでとてもエロい。
 強気な姉と、それに引っ張られるおとなしめな妹。しかし、妹もじつは積極的。といった流れもとてもよかったです。

 おすすめの作品です。ぜひ読んでみてください。