そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

にじさんじ公式ライバー、月ノ美兎について

 さて、今回紹介するバーチャルYouTuberはこちら、にじさんじ公式ライバー、月乃美兎です。

 

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 長い黒髪。目尻の下がった優しそうな瞳。Twitterや公式サイトだとみんな証明写真のようにキリっとした顔をしてますよね。

 

 その顔が中の人という、魂が入った瞬間に歪んでしまう。美しい人形が魂をもった瞬間ある種の歪みを持ってしまう。それがある種の人間性というバーチャルユーチューバーの魅力なんですけどね。

 

 彼女がデビューしたのが2018年の2月くらい。当初、見た目と真面目そうなツイートで清楚な委員長のイメージがあったそうなんですよ。しかし、第1回の雑談配信のあたりでさ、そのイメージが崩れるんですね。見ている映画にムカデ人間をあげたり、幼少期に草を食べていたり、小学生の時にアイマスやラブプラスをやっているとかさ。

 

 いわゆる、サブカルの魂と16歳の肉体のなかでの明らかに両立しえないものがさ。なぜか奇妙なバランスでその形を保つものだからだ。はじめて見たときはさ。校長は真面目な話をしているのにカツラがずれているみたいな。笑っていいのに、笑っちゃダメな空間にいるような奇妙な感情の揺さぶられ方をしましたよ。

 

 お笑いの役目としてさ。その時その時で、無意識にできているモラルに気づいてそれを破壊するっていうのがあるんだけどさ。

 

 あの当時はさ、バーチャルのじゃロリ狐娘とか、バーチャルおばあちゃんとか、電脳少女シロちゃんとかさ。見た目とリアルのアンビバレンスなカオスや、可愛らしい見た目の過激な発言とかさ。バーチャルユーチューバーってすげぇじゃんっていう型みたいなのはもうできていると思ってたんだよ。

 

 それでも、ある程度これはしないどこうという体裁みたいなものがさ。まだあったんだというのがさ。月ノ美兎によってわからされた感がありますよ。しかもさ、その革命というのがさ洗濯機のPCを置いて、そこで水をのむっていう盲点だよ。

 

洗濯機の上にPCを置いて中腰で配信してて。幼少期は草を食べてて、その頃にアマガミやラブプラスをプレイしていてムカデ人間が大好きな16歳の高校生ってだけでさ。もうお腹いっぱいじゃん。でも、まだ話終わんないんだよ。

 

 それでさ、そんな月ノ美兎さんが雑談配信やアウトラストの実況のかたわらではじめたのがさ。ヨーロッパ企画という彼女がいなければ生涯知ることもなかったであろうクソゲーですよ。

 

 ヨーロッパ企画、全編実写でつくられたクソゲーです。ホントにさ、つまらないとかおもしろいを超えた虚無のようなゲームでですね。

 

 そんなゲームをさ。月ノさんは嬉々としてやっていてさ。それが見ているとなんでかおもしろいんだよね。つまらないとかおもしろいとかってさ。だれかと共有するだけでこんなに面白くなるんだと思うし。それがかわいい女の子ってこんなにかわるんだなって思いましたよ。

 

 僕、月ノさんに関しては、かえみとがニコニコ動画で流行りだしてからアーカイブで追いかけた勢ですから。あの当時、一緒にゲームができたリスナーさんは羨ましいなって思いますよ。

 

 で、現在は時々、雑談配信をしながらJK組、一期生でのコラボ配信をしながら、月ノ美兎の放課後ラジオをやっていますね。

 

 月ノ美兎の放課後ラジオ、通称みとらじ。月ノ美兎さんがバーチャルユーチューバーさんをゲストに呼んで、いろいろ話したり、リスナーさんのお便りをよむラジオ形式の配信です。

 

 毎回来る豪華ゲストとの絡み、それに呼応した茶番とかもおもしろいんですけどね。一番はこれをやるまでの今までの集大成感ってのが僕は好きなんですよ。

 

 OPとか、途中ではいるBGMとかがあるんですけどね。そういうのリスナーさんから送られたものなんですよ。

 

 そういうのを聴いているとですね。いろいろあってここまで来たんだなって込み上げるものがありましたよ。

 

 まあ、俺アーカイブ勢で人気になってから見はじめているはずなんですけどね。

 

 たとえるならですよ。駅伝とか、オリンピックとかあるじゃないですか。あれってさ。走るまでとか、競技が始まるまでにさ。この選手はこんな人なんですみたいな特集って何度もやるんですよね。この人は子煩悩とか。海外で中国語が喋れなくて苦労したとか。すっごいささやかでどうでもいい話。ああいうのをずうっと見ているとさ。これから数分、あるいは数時間だけの選手がさ普通の人に見えてさ。親近感みたいなのが湧くってのはあると思うんですよ。

 

 月ノさんも同じ感覚を抱くことがあってですね。あの人の過去の動画を見ていると、変わり種のアイドルっていうよりも普通の人って感じがしちゃうときがあるんですよね。

 

 幼少期に草を食べていたとか、ハロウィンの時に血を吐く女の仮装をしていたとか。捉えどころのないところもあるんだけどさ。そういう小話でさ。「ヤベーやつじゃんwww」と思うんだけどさ。そういうのをひとつずつ聞いていくたびに他人とは思えない親しみを抱くようになってさ。あの子がニコニコ超会議に出ました、テレビデビューしました、みたいな話をさ。ホントにクラスメイトの女の子の話のように自分のことのように喜べる自分がいてさ。いつのまにか、自分の日常の延長線上に月ノ美兎がいたみたいなさ。小学生男児の失恋になりがちな好きになり方を奴らは俺だけじゃないと思うんですよ。

 

 平成が終わってさ。いろんなバーチャルユーチューバーがこれからも出てくるんだろうけどさ。たぶん、同じ空気を共有した僕らがなんだかんだで目で追っちゃうアイドルが月ノさんな気がするからさ。これからも応援していきたい次第ですよ。

 

 例のごとくおすすめ動画を貼っとくので気になる方はチェックしてみてください。

 

youtu.be

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ユリイカ2018年7月号 特集=バーチャルYouTuber

ユリイカ2018年7月号 特集=バーチャルYouTuber

  • 作者: キズナアイ,届木ウカ,月ノ美兎,赤月ゆに,万楽えね,みゅみゅ,皇牙サキ,広田稔,じーえふ,海猫沢めろん,ばるぼら,さやわか,黒瀬陽平
  • 出版社/メーカー: 青土社
  • 発売日: 2018/06/27
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