そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『異世界ですが魔物栽培しています』3巻について

さて、今回紹介する作品はこちら、『異世界ですが魔物栽培しています』の3巻です。

異世界ですが魔物栽培しています。3 (ファミ通文庫)

あらすじ
次なる世界樹の種を求めてホド大陸にいる勇者ザッハークを訪ねたキョウ達だったが、面会もそこそこに牢屋に入れられてしまった。ザッハークは何故か全ての魔物を駆逐しようとしているという。しかし、そんな彼らを助けてくれたのは赤い髪の少女ルビィとイースの兄アンスール!レジスタンスのリーダーだというアンスールは、勇者を倒すためキョウに魔物を栽培して欲しいと頼むのだが―。世界を揺るがす波乱の異世界栽培ファンタジー努涛の第3弾!

カクヨムのURL
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880905941

コミカライズのURL
http://sp.seiga.nicovideo.jp/comic/27393

目次

シリーズ全体の魅力

『異世界ですが魔物栽培』しています』はグルメものの要素を持ったポケモンです。

1巻では農業とグルメの要素が半々の作品でした。主人公のキョウは、ある日、宅配便を受け取ろうと扉を開けた瞬間、異世界に転移してしまいます。

異世界に来た彼は、たまたま持っていた植物図鑑をもとにして異世界での農業を試みます。しかし、結果、生まれたのはモンスター。

勝手に農業をはじめた主人公を注意しに来たリリィによって助けられ、彼女に話を聞くことで、この世界の魔物が種から生まれることを知る。そして、主人公には種から魔物を育てる才能があることがわかる。

それから、主人公はリリィの協力により、本格的に農業をはじめ、食堂を営むミナや商人に魔物を卸す仕事をはじめる。

そうするうちに、グルメ貴族とのフィティスやカサリナとのグルメ勝負。ジャック・オー・ランタンのジャックやマンドラゴラのドラちゃん、魔王の娘のスィを仲間にする。

そして、1巻のラストで世界観と主人公たちの目的が提示され。彼らは旅に出ます。

世界を守るために、魔物を生み出す樹、世界樹の復活が彼らの目的となり。そのために、キョウたちは世界樹の種を集めることに。

こうして、2巻からはグルメ要素を削り、農業の要素を残しつつ、旅とモンスターの要素が大きくなりました。

これによって、街を巡ってその街の実力者から能力を認めてもらうことで、その証としての種を手に入れる。
いわば、ポケモンと同じストーリーラインをなぞることになります。
1巻で登場した多数のキャラクターを動かしながら。主人公をゴールに導く人間関係交通整理のうまさは目を惹くものがあります。

では、3巻の紹介に移りましょう。

今回はモンスター育成ものに焦点をあてた3巻について言及した後、新キャラ、アンスールについて話し。次巻への期待で締めます。

モンスターの育成もの

2巻では、農業が中心だったんですが。3巻からは完全にモンスターの育成ものにシフトしましたね。
毎巻ごとに読み味が違うことに動揺しつつも、次はどうなるのかというワクワク感があります。
本作の魅力としては既存のファンタジーをなぞりながらも、作者のアレンジのかかった魅力的なモンスターというのがあって。
今回はそうしたモンスターの魅力が詰まった巻となりました。

イースの兄、アンスールについて

新キャラのアンスールが出て来ましたね。3巻までいくと、主人公が別の町から別の町に訪れて、町の実力者から種をもらうって流れができましたから。
そのストーリーラインを守りつつ、緊張感を持たせるためにその目的を邪魔する障害としてのキャラクターとして出てきたんでしょうね。
つまり、ポケモンでいうところのロケット団です。
アンスールには人類に対する復讐という目的がありますから。彼がどんなふうに主人公と関わるかが興味深いです。

では、次巻も追って報告いたします。