そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『ポーション頼みで生き延びます』3巻について

さて、今回紹介する作品はこちら、『ポーション頼みで生き延びます』です。

ポーション頼みで生き延びます!3 (Kラノベブックス)
著者:FUNA
レーベル:Kラノベブックス
発売日: 2018/5/2
出版社: 講談社
ASIN: B07C6RHJ27

あらすじ
ポーションを生み出すチート能力を貰い、異世界に転生したカオル。行く先々でポーションチートを使ったり女神セレスを呼んで奇跡を起こしては大騒動を繰り返し、たどり着いたのはユスラル王国。薬屋を開業し、生み出した薬を販売しながら今度こそ平穏に目立たず生活……できるはずもなく、効き過ぎる薬を求めて軍人から貴族までが押し寄せて……! 大人気シリーズ第3巻、「女神の友人」カオルが今度はどんな奇跡を起こすのか!?

小説家になろうのURL
https://ncode.syosetu.com/n6088cy/
コミカライズのURL
http://sp.seiga.nicovideo.jp/comic/27543

まずは3巻目になりましたので、いつものようにシリーズ全体の魅力を語ってから3巻の内容について話して行きます。

シリーズ全体について

『ポーション頼みで生き延びます』はこんな話です。

主人公の長瀬薫(カオル)は神様のミスで死んでしまう。そのお詫びに、別の世界に転生してもらうことに。転生の際、カオルは異世界の女神、セレスに三つの条件をお願いする。
無限に入るアイテムボックス、すべての文字と言語の理解、そして念じた効果のポーションが自分の考えた通りの容器に入って現れる力。
この力により、カオルは異世界でポーションを売ることで安定した生活を送ろうと考える。
しかし、転生したい世界ではモンスターはいても魔法やポーションが存在しない世界だった。

1巻と2巻の前半のストーリーラインは「去ってしまったあの子は天使だった」です。ある街に見知らぬ女の子がやってきて、その女の子にはなんらかの能力がある。街には、その子を助ける人もいれば、その子を利用しようと考える人もいる。そして、街にある大きな危機が迫った時に、その危機を脱するために奇跡を起こした結果、女の子の正体が明らかになり。少女は去ってしまう。去ってしまうと、女の子を助けた人には幸運が訪れ、利用しようとした人には不幸が訪れる。去ってしまった後で、街の人々は「なんてこったあの子は天使だったんだ、カムバック!」で終わるストーリーラインのことです。

昔話ではよくあるパターンです。
有名なのだと鶴の恩返しですね。
よそ者だからって、冷たくするともしかしたら神様でバチが当たるかもよみたいな教訓話によくあるんですよ。

ポーション頼みはこのストーリーラインを何度も回しながら。主人公の力を利用しようとする存在の規模がどんどん大きくなるんですよ。

領主、王子、王国と神殿での争い、さらに国どうしの奪い合いに発展する。
そうなっていくうちに、あの子は僕たちの考えている以上に凄いやつだったんだってオチで終わってさ。彼女の神格化が進む。

でさ、2巻の半分あたりで、この作品の第1部完的な、テーマに一区切りがついて、新しい展開に移るための話があるんだけどさ。

それがさ、このままだと私結婚できないじゃんってオチなんですよ。

そもそも、カオルが異世界で望んでいることが幸せな結婚なんですよ。しかし、カオルに近づく男性は彼女の現世での知識やポーションの生成能力を狙って近づくんですよ。
カオルは、それ私のこと見てないやんってことでさ。彼らから逃げたり、いなしたり、返り討ちにして。そこから去るんですね。で、その際に奇跡を起こしながら逃げていくので。なんてこったカオルは神様だったんだってことになるんですよ。

それでどんどん神格化していくにあたって、彼女は普通の人が容易に関わってはいけない存在になっていき。それにより、周囲のキャラは結婚しているけど。自分だけ一人なのに気づくってのがさ。

このシリーズの第1部のオチでさ。2部からはカオルは神様としての立場を捨てて、自分のことがあまり知られていない他国へと仲間とともに旅たつ。

するとさ、2部からは神様であることはもう周知の事実なので。神様であることを隠して、悪人を懲らしめる時だけ、そのことを明かす水戸黄門形式の話に変わるんです。

では、3巻の話に移りましょう。

今回は薬屋を始めるカオル、流行病の蔓延、セレス再登場の順に話します。

薬屋をはじめるカオル

今回、ようやくカオルは1巻で果たそうとしてついぞ果たせなかった薬屋をオープンします。
3巻ではその薬屋での町の人との交流がメインとなります。
薬屋で軍人病、現世で言うところの水虫を治す薬を販売し。その薬を独占しようとする貴族や同業者との争い。
町の人のとあるお悩みの解決。
この辺は1巻の時に期待していた展開でもあったので読めてよかったですね。

流行病の蔓延

でっ、今回のクライマックスで起きた大きな事件が流行病の蔓延。3巻で仲良くなった人らとのつながりも使っての解決になりましたので。カタルシスが良かったですね。
また、今回流行病の原因が、1巻で言われていた世界の歪みによって生じたものでした。今後もこの世界の歪みは主人公たちの倒すべき障害として現れるのでしょう。

セレス再登場

それと、セレスの再登場。2巻で出てきていたので、また出てくるだろうとは思っていましたけど。予想以上に早かったですね。
もし、4巻、5巻も連続して出るとしたら彼女が今後どういう立ち回りをするのかが気になりますね。

では、続きも追って報告いたします。

ポーション頼みで生き延びます!3 (Kラノベブックス)

ポーション頼みで生き延びます!3 (Kラノベブックス)