そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『始まりの魔法使い』2巻について

さて、今回紹介する作品はこちら、カクヨムで連載中、『始まりの魔法使い』の2巻です。

カクヨムURL: https://kakuyomu.jp/works/4852201425154953954

あらすじ
かつて神話の時代に、ひとりの魔術師がいました。彼は、“先生”と呼ばれ、言葉と文化を伝え、魔法を教えました。そんな彼を人々はこう呼びました。―始まりの魔法使い、と。そんな大層な存在ではないのだが―「だから火を吹かないで!」「ごめんごめん。私にとってはただの息だからさ」竜として転生した“私”は、エルフの少女・ニナとともに、この世界の魔法の理を解き明かすべく、魔法学校を建てることにした。そこで“私”は、初めての人間の生徒・アイと運命の出会いを果たした―。これは、永き時を生きる竜の魔法使いが、魔術や、国や、歴史を創りあげる、ファンタジークロニクル。

 スゴイ作品ですね。絶対アニメ化しますよ。何億年も生きるであろうドラゴンが人が原始人の頃から魔法を教えて世界を発展させていく話。単純なようで設定が細かくていいんですよね。あと、今巻で一巻ごとのストーリーラインも見えて来ましたね。

今回は二巻で見えてきたこのシリーズの魅力を2巻の内容と交えながら順に話していきます。

目次

長い年月の発展を描く現代知識チート

 このシリーズの主人公はドラゴン。彼は転生前は魔法に憧れていたため、現代で魔法を研究していたがついに魔法を学ぶこともできずに死んでしまった。そんな彼がドラゴンとして生まれた世界が魔法の存在する世界。彼は魔法を研究するために、原始人の状態の人類を導きながら、先生として学校をつくるって話です。
長命のドラゴンが何千年もかけて人類の発展を手助けする。じつは今までの転生ものでありそうでなかったはなしですよね。
毎巻ごとに魔法に対するある発見をしながら、人類の問題を解決するために現代知識を使う。
この2つのストーリーを進めながらヒロインとの恋も描いているのが面白い。
今巻で主人公が解決する人類に起きた問題が食料問題。畑、牧畜、鉱山に至るまで、現代知識チートが多めの回でしたね。現代知識チートのおもしろいところでよく誤解があるのが。無力そうな主人公がたまたま持っている知識で無双するのが面白いのではなくってですね。そのことに対する概念のない世界でその知識をどうやって伝えるかが肝なんだと思います。
 たとえば、距離や大きさの概念がないときにどうやってそれを伝えようかって時にさ。人類は何百年も自分たちの発展を支えていた大きさの変わらない主人公を大きさの基準にしててさ。じつは暦の概念も竜暦というさ。主人公が生まれた年から数えるようになっているんだよね。そういう風にさ、主人公の伝えたい知識がそのまま伝わるんでなく。その世界の基準で残って積み重なっていくのがいいですよね。

毎巻ごとの魔法に対する発見

 このシリーズの主人公の目的が三つあってさ。一つが人類の発展なんだけどさ。もう一つが魔法の研究なんだよね。読んでてビックリしたよ。魔法って何だろうって考察をさ。1巻で終わらせてさ。あとは発展していくのかなと思いきやさ。じつは魔法を使うには理想的な形があるんだっていう発見が新たに出ましたよね。異能力ものってさ。ルールが決まったら。後はルールにぎりぎり従いつつもインフレを重ねていくもんなんだけどさ。じつは異能力ものとしてのルールがまだはっきりさせていないように思いますね。

引き継がれる文化と問題

 今巻の現代チートによって、人類が農業と牧畜をはじめましたね。あと、魔法学校でも生徒たちの何人かが成長して教師になりました。発展した文化や歴史に積み重なった状態でバトンを渡しているんですが。3巻に引き継がれているのはなにもプラスの面だけでなく。後々に問題になりそうなことも積み重さざる負えなくなりましたね。それが今回のラスボスなんですけどね。彼らが後々の歴史にどういった存在になるのか。気になりますね。 

毎巻ごとに嫁が変わる

 あと、1巻のエピローグの時点で誰にもわかる形で示されていましたけど。やっぱり毎巻ごとに嫁キャラが出てそのヒロインと死別、あるいはなんらかの理由で離れてしまうことになりそうですね。そして、彼女たちは最後に何かしの形で復活するための伏線を残していて。どこかの段階で、アベンジャーズやワイルドスピードのように全員集合する巻があるんでしょう。今から楽しみですね。
 このストーリーラインは読者にわかるように書かれているんで。うまく予想できるのに驚かせるような王道で面白がらせるのか。それとも、ストーリーラインで予想させつつもズラして見せることで面白がらせるのか。今後に期待ですね。