そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』の5巻について

さて、今回紹介する作品はこちら、通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』です。


通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?5 (ファンタジア文庫)
著者:井中だちま
レーベル:富士見ファンタジア文庫
発売日: 2018/5/20
出版社: KADOKAWA / 富士見書房
言語: 日本語
ASIN: B07CGH9WGQ

あらすじ
「作ったサラダは、参加賞としてお持ち帰りしていいのよね」ゲーム世界の母親1位を決める天下一母道会に出場することになった大好真々子。優勝候補として、真々子が注目を集める中、スタッフとして大会に参加していた真人も、色んな種族の母親からなぜかモテモテで、ハーレム状態に!?「マー君が望むなら、お母さんは、エルフで獣人で妖精で筋肉質の、特別なお母さんになるわ!」それを見た真々子は愛する息子のため、色んな姿に変身!?そんなカオス状態の中、母親に変装したアマンテとソレラ、さらには真々子によく似た謎の母親HAHAKOも現れて―!?

シリーズ全体の魅力

『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか』とは、タイトルでわかるとおり母親をメインヒロインにした異世界転移もののコメディです。
主人公の大好直人は思春期の高校生。主人公の母親でありメインヒロインでもある大好真々子にもつい反抗的な態度を取ってしまう。
そんななか、直人と真々子は国が母と子の関係を改善するために作ったMMORPGの世界に閉じ込められてしまう。クリア条件は母と子が仲良くなること。
閉じ込められた二人はクリアのために仲間たちと旅をするのだが、って話ですね。

最初はタイトルで気をてらった作品かと思いきや。しっかり現代の親と子の関係をテーマにした作品になっている。

まず、真々子の設定が「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃」なんですけどね。これ、どういうことかといえばさ。真々子の攻撃だけで戦闘が終了しちゃうからさ。直人が活躍できないんですよ。

つまり、母親の力が強すぎる親子関係っていうのを異世界チートに変換した結果なんですね。

1巻から3巻までのテーマは二つあります。それは母親が強すぎる状態で子はどうするか、と強すぎる力を持った母親はどうするかです。

この作品に出てくる敵キャラがさ。1巻と2巻が、異世界でチート能力を手に入れてしまったことで暴走してしまった母親なんです。

それと、旅に加わる仲間がいるんですけどね。彼女たちはそれぞれ異世界で暴走してしまった母親の娘なんですよ。

真々子は暴走した母親を止め、直人はその子供たちと対立したり、仲良くなったりして成長していくというストーリーラインなんですよ。

でさ、たぶん3巻で「強すぎる母親とその子供」ってテーマに一区切りがついてさ。4巻で箸休め兼真々子のチート性の調整を入れた上で今回の5巻に移ります。

では、5巻の話に移りましょう。

天下一母道大会開催

さて、天下一母道大会がはじまりました。異世界にいる母親たちの一番を決める大会です。
大会には、忍者、獣人、エルフ、ロボットと色んな母親が出て、直人を取り合うというカオスな状況でしたね。
今回出てきたキャラは今巻だけで終わらせるには惜しいキャラが多かったですね。また、再登場してほしい。

真々子が色んな姿に変身

それと注目したいのが、真々子さんの七変化。今回、母道大会に出場した真々子は反抗組織からの妨害でエルフ、悪魔、獣人、幼女に姿を変えます。飯田ぽちさんによるそれぞれのイラストが可愛いんですよね。
ぜひ本屋で見つけたら見開きだけでも確認してみてください。

直人と真々子の成長

今回、二人の成長がわかる回でしたね。母親の真々子は自分の意思で大会に参加したいと言いますし、直人はそれを止めずに母親を応援する立場に移ります。
全体的にキャラクターの成長が強調された回だと感じました。

今後の期待

たぶん、6巻で新たな展開を見せるのでは、というのが僕の予想です。5巻ってさ。アニメ化したら一期の最終回はこの回だろなって思わせてくれる回なんですよ。
一回で提示されたテーマの答えを形にしたものですし。絵的にも映える回が多かったですよね。
もう、アニメ化の話が来ているんじゃないかなってのが僕の予想です。
なので、次からは今までちょくちょく出てきた反抗組織との対立が表立ったものになるのではないでしょうか。

それでは続刊も追って報告いたします。