そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

東京ダンジョンマスター ~社畜勇者(28)は休めない~

 さて、今回紹介する作品はこちら、『東京ダンジョンマスター~社畜勇者(28)は休めない~』です。

あらすじ
東京のターミナル駅”秋葉原”は、突如現れた異世界の魔物により封鎖された。雪村上総はそこでJK巫女の白河紅と出会い、駅の深淵にあるダンジョンの最下層を目指して戦う――

 
 カクヨムで連載中です。
 今回は元異世界勇者のチートもの、巫女とファンタジーの入り混じった世界、東京がダンジョン化と、とにかくいろんな設定のてんこ盛り感についてはなしていきます。

目次

元異世界勇者のチートもの

 タイトルに社畜勇者(28歳)って書いてあるんだけどさ。最近、カクヨムでもプッシュされているおじさんが現実世界で起きたファンタジーな事件を解決しますって話なんですよね。28歳をおじさんっていうのも抵抗ありますけどね。
 この主人公がさ。じつは元異世界の勇者なんだぜっていうチートで、東京で起きたある事件を解決するってのが面白いんですよ。
 序盤、いいっスよね。深夜にさ。いうほど遅い時間でもないんだけどさ。今日も残業で遅くなった家に帰ってきてもう寝ようって時にさ。異世界からお姫様と女騎士がとつぜん召喚されてさ。主人公様! お久しぶりですとかいうんだよ。
 でさ、じつは俺は異世界を救ってたんだぜって説明があってさ。んで、主人公は世界を救った後に現実世界に戻ってきたら、学校を中退したような状態でさ。苦労して入社したとこがブラックだったみたいなはなしだったんだよ。
 でさ、俺、こっちの世界ではそんな豊かな生活を送ってないんだって言ったらさ。ヒロインたちは好きスキモード全開でさ。それでもあたしたちは主人公が好きだから3人で一緒に貧しくても幸せな生活を暮らしたいのよって話をしてさ。明日は休みだから服を買いに行こうって言ってさ。服を買いに行っていろいろイチャコラ会話したり、ディズニー映画の『』みたいに架空の世界のお姫様が現実の世界に来たら的なギャグをいくつかやるんだけどさ。これが3分の一なんだよね。
 様式美、いいよね~。カクヨムってさ。打倒小説家になろうってことでさ。わりと脱王道をしようとした作品が多くてさ。ひさびさにこういうの読めた~ってさ。うれしくなっちゃったよ。

東京のダンジョン化

 でさ、ふつうに服を買いに東京で女の子とイチャコラしてますって話として読んでたんだけどさ。じつはあれがただの日常パートかと思いきやさ。じつは後半、異世界から主人公に復讐しようとする魔物たちが出てきてさ。東京がダンジョン化するんだけどさ。じつは、東京でヒロインたちとデートしたり、ショッピングするのはさ。ちょっと前までは東京は楽しくて物も買えたりするんだけどさ。この後で駅がダンジョン化して、変貌しますよっていう前振りだったんだよね。この構成もうまかったです。
 アニメ化したら、このへん絵的に映えますよね。日常と異常の変化をうまく強調させた采配です。
 できれば、駅の名前を出すだけじゃなく。それぞれの景色の描写もこだわってくれたほうが異化してしまったのがわかりやすかったな~と個人的に思いました。

巫女とファンタジーが入り混じった世界

 でさ、主人公とお姫様と女騎士がさ。東京でダンジョン化した駅を攻略しようって話になるんだけどさ。その話にもっていくためにさ。物語を動かすきっかけになる依頼人の立ち位置になるキャラがいてさ。それがJK巫女さんなんだよ。
 服を買いに行ったその日の夜にさ。主人公は幸せの有頂天のタイミングでさ。会社から呼び出されるんだよ。幸せなラブコメ世界というファンタジーから現実の世界に一本の電話で引き戻される。休日のサラリーマンにはよくある話ですよね。
 でさ、案の定、会社に戻るとそこで嫌なことがあってさ。電車で帰ります。つらいな~、かなしいな~って思っているその時にさ。地震のような揺れがあってさ。突如、電車は止まる。そしたら、秋葉原駅でさ。なんなんだっと動揺する周囲の人々。するとさ、現れるのが魔物でさ。主人公は異世界の時に培った力で魔物を倒すんだよ。
 お察しの通り、駅がダンジョン化したんだよね。駅を抜けて家に帰ろうとする主人公なんだけどさ。すると、彼は途中で一人の女性をみつけます。その子巫女姿でさ。妖術使っちゃうんですよね。
 それがさ、日本で起きている妖怪関連の事件を秘密裏に処理する組織の一員らしくてさ。巫女さんなわけよ。もちろん、主人公助けてさ。
 主人公の強さに目をつけた巫女さんはさ。主人公たちを雇うことにするわけだよ。
 ちなみに、主人公の会社は巫女さんとのギャグパートで潰されます。
 安心して少女のもとで働けますよね。

 ちなみに1巻だけ読んでいるんですけどね。今回はこの巫女さんがさ。組織の中でどんな悩みがあって。主人公と出会うことでどう成長するのかって話でした。
 ストーリーラインもキャラの立て方の兼ね合い、設定の重ねがけもじっくり考えられたいい作品でした。作者のこれも書きたいし、これも書きたいんだっていう意欲、あるいはこれとこれとこれを詰め込めば絶対流行るべと考える野心。この二つのうちのどちらかがある作品だなと感じました。

 いや~、久々に読みやすいザ・ライトノベルって感じのが読めて幸せでしたね。
 2巻も今度読みますよ。

東京ダンジョンマスター ~社畜勇者(28)は休めない~ (ファミ通文庫)

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