そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

平穏系知識チート⁉︎『静かにしてますよ?』について

今回紹介する作品がこちら、小説家になろうで連載していた完結作、『静かにしてますよ?』です。


表紙と、あらすじとタイトルからわかるチート能力の異世界転生女の子が平穏な生活を目指すんだけど、自身の溢れる才覚を隠しきれなくて結局周囲から神聖視されるんだろうな感が気になってたんですよ。

読んでみたら、その通りのはなしでした。

面白いのは5話から15歳までの人生を描いてる点ですね。一年ごとに、転生女の子は転生前の知識を活かしてジャンプをつくったり、トイレをつくったり、温泉をつくったりします。

ちなみに、帯に恋アリ、DIYアリって書いてあるからさ。現代知識チートをやるかと思えばさ。わりと細かい部分を魔法でなんとかするからさ。ガチの現代知識チート要素は薄いです。

たださ、ヒロインのチートによってどんどん発展する村。さらに、ヒロインは村と村の間に鉄道をつなげてその発展を世界へと広げるって流れは見てて気分がいいです。

それとさ、この作品、文章は人によってはとっつきづらい。この人、携帯小説でも書いてたのかなって思うくらいさ。よく言えばよしもとばなな的っていうのかな。わりとヒロインのみる風景の描写だったり、人物の描写よりも、彼女の心理、考え方の描写を優先する文章だからさ。ラストのじつはギャグかと思ってたあのシーンは壮大な伏線だったのさって展開がさ。わかりづらくてポカーンとする人もいるかもしれません。

後、作者さんが主婦さんだからとネットに上がってから書籍化するまでに間が空いたからかな。時々はいるヒロインのギャグにその時その時の空気でしか笑えない時代性を感じます。

これ一巻だけで終わる話だし、すぐ読み終わるし、のわりには他では10巻かけてやる話をサクサクとやってくれるからさ。オススメだよ。