さて、今回紹介する作品はこちら、電撃文庫、二丸修一作、『幼馴染が絶対負けないラブコメ』です。
著者:二丸修一@おさまけ2巻発売中 (@nimarushuichi) | Twitter
イラストレーター:しぐれうい🌂4日目西A60a (@ui_shig) | Twitter
レーベル:電撃文庫
出版社: KADOKAWA (2019/10/10)
ISBN-10: 4049128527
ISBN-13: 978-4049128529
発売日: 2019/10/10
あらすじ
幼なじみはやっぱり負けない!? まだまだ続く予測不能なヒロインレース!幼なじみの黒羽に告白し、見事玉砕した俺。死にたい。フラれるってこんなに辛かったのか……っていうか、あそこまでいったら普通OKするだろ! 笑顔で「ヤダ!」ってなんだよ! マジで女子の気持ちわかんねー。でもまてよ、白草は俺のことが好きなんだよな……今ならイケる……?のか……いやいやいや、ダメでしょ。もしまたフラれたらと思うと怖すぎるし。
そんなモヤモヤ爆発の俺のもとに、子役時代の後輩にして理想の妹、桃坂真理愛が襲来! 玄関開けたら1秒で「おかえりなさいお兄ちゃん!!」っていったいどこのラブコメだよ!?
末晴に芸能界復帰の話が持ち上がり、ヒロインたちの思惑が交差する、先の読めないヒロインレース第2弾!
『幼馴染が絶対に負けないラブコメ』とは
本作はその名の通り、幼馴染を題材にした作品だ。
主人公の丸末晴は可知白草に恋をしていた。しかし、そんな白草が年上で俳優でイケメンの阿部と親しげに話すとこを見かけ、二人が付き合っている噂を聞く。失恋した彼は、幼馴染の志田黒羽に乗せられた形で告白祭での復讐を決意する。
ここらへんだけ切り取ると普通の恋愛青春モノ。しかし、ここに「だれが勝つのか」という疑問を読者に投げかけたところが面白い。
本作、タイトルが"幼馴染"が絶対に"負けない"ラブコメ。だからこそ、読者は主人公のそばにいる幼馴染の黒羽志田がどうやって"負けない"のかって思いながら読むんですよ。
そのうちに、もう一人のヒロインである可知白草も幼馴染であることがわかる。そしたら、タイトルでの予測が不安定なものになってさ。あれ、どうなるんだって思わせたところで。
そもそも"負けない"ってなんなんだ。今回の話の勝ちってなんなんだって問いがあらわれるんです。
青春において、恋においてのが人によって違くて、その瞬間においての勝利、幸せになれる選択をしていこうよって話になるんですよね。
最初はどういう方向で読むか戸惑ってましたが、展開が広がるつれて面白くなって。ラストでこう来たかって思いましたね。
では、2巻の感想に移りましょう。
繋がり
今回も面白かったです。
主人公、丸末晴の後輩にして理想の妹、桃坂真理愛の登場。幼馴染の黒羽志田の記憶喪失。そんななか、末晴と志田に事務所のスカウトが来る。
前巻では大きな事件の中に小さなエピソードを挟んでどうなるかってさせてたんですが。今回は起承転結の大きな事件を繰り返していって、ラストで全てがつながる形になってる。
1巻よりも2巻のがモヤモヤせずに読めて面白いし。1巻のラストにどんな話かわかって面白いの要素があってよかったですね。
今回、大事な要素は"繋がり"。
1巻のラストで現れた真理愛と末晴の話をすることで、幼馴染の黒羽志田が立ち入れなかった繋がりがあったことが強調され。末晴が俳優に戻ることに不安を感じる志田に繋がる。
そこに意識が持ってかれることで、じつはもう一つの繋がりを見落としていたってのを読者が見落としていたってのがよかったですね。
青春においての勝ちとはなにか
1巻で、主人公の末晴に立ちはだかる表向きの敵として阿部先輩が出ました。しかし、青春というくくりで見ると、彼に勝つことが勝利でないというはなしでした。
2巻は事務所の社長。1巻と違って、今回はいかにもな若者の敵みたいなキャラで出ましたね。その上で、ひっかけとして真理愛の独白を出すことで、じつは彼女との戦いと見せかけてなんですよね。
そこから、目の前のストーリーの裏にキャラクターそれぞれの思惑があるってのが、破綻なく描かれてるのがよかったですね。
では、次巻も追って報告いたします。
- 作者: 二丸修一,しぐれうい
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