さて、今回は小説版星のカービィ、2巻の『くらやみ森でおおさわぎ』を紹介します。
あらすじ
お店で大食いしている自称プププランドの王様・デデデ大王のもとに、あやしい三人組がやってくる。彼らは、宇宙一おいしいというフルーツをゲットするため、吸いこみ能力のあるカービィを捜していて…!?一方のカービィは、お店からいなくなったデデデ大王のあとを追い、ワドルディたちとともに危険なウワサのある「くらやみ森」をめざす。「くらやみ森」で、宇宙一のフルーツ争奪戦が始まろうとしていた!!小学中級から。
導入
任天堂の看板キャラの一人、カービィ。本作はそれの小説版です。
1巻を読んだら、面白くって全巻一気に読んじゃいました。なので全巻とおして語ろうかとも思ったのですが、このシリーズは1巻ずつ丁寧に話したいと思ったので、引き続き今回は2巻の話をします。
2巻の導入は謎の3人組の悪巧み。暗い森の中での話し合いで、いかにも悪者ですよ〜って感じが出てますね。どうやらカービィを騙すつもりらしい。
どうなるのかな、と思ってページをめくると、パッと明るくなって真昼間、カービィとワドルディはプププランド一番のレストラン、コックカワサキのお店に行きます。楽しみだね、と笑うカービィとワドルディ、しかしその顔も曇ります。なんとコックカワサキのお店は貸切でおやすみ、中にはデデデ大王が。
カービィは食べれなくてガッカリ、ワドルディはカービィとの仲がバレるではと不安になります。
1巻でも話したけどさ。ワドルディはデデデ大王の部下として表向きはカービィと敵対してるんだよ。しかし、ふだんは大王に内緒で
二人は友達として仲良くしているんだよ。そこが尊ぇ尊ぇんだよね。
どうやら、デデデ大王は全宇宙グルメ協会のカードをなぜか持っててさ。それでコックカワサキを貸切って食べまくってるんだよね。
しょうがないから、デデデ大王のお城にカービィと帰るワドルディ。
すると、そのコックカワサキのお店にカービィを探してやってくるのがさっきの三人組。大食漢のデデデ大王を見て、この人こそがカービィに違いないと思い、話しかける。
1巻に引き続き、導入が上手いですね。
夜の暗闇と昼間の明るさとの対比と悪いやつと良いやつを示してますし、シリーズの設定であるワドルディとカービィの関係、デデデ大王、ワドルディ、カービィの性格も伝わるように書いてる。さらに、最初の数ページの悪巧みに対しての読者のなかの予測が早い段階で崩れることでどうなるのだろうとワクワクさせてくれます。
にくめない悪役としてのデデデ大王
1巻はカービィってこういうこだよというのがわかる巻になっていました。
2巻はデデデ大王はどんな人かがわかる巻になっています。3巻でワドルディとカービィ4巻はメタナイトが主役になってますから。4巻まではこのシリーズを好きになってもらうためにそれぞれのキャラクター性を焦点を当てた巻を書いているんです。
この後、夕方になっても帰ってこないデデデ大王を心配するワドルディ。なだめるカービィとメタナイトに対する彼の反応は、彼がデデデ大王にどれだけ忠誠を誓っているかがわかります。
それに、デデデ大王を探すために街の人に聞きこみをするもうまくいかない場面はコメディにおとしながらも、大王に対する周囲の評価がわかります。
さらに、本作で重要になるのがデデデ大王とカービィの類似性でしょう。
デデデ大王とカービィの類似性
今回の話の発端は、悪役の三人組がカービィを騙そうとして間違えてデデデ大王に話しかけたことです。
カービィとデデデ大王。見た目は違えど、じつは中身は似通っています。強く、食べ物が大好きでいくらでも食べれる、体も丸い。噂だけ聞いてた三人組も人物像が一致していたデデデ大王に声をかけてしまいます。
2巻で指摘されたこの類似性が、じつは4巻である敵と遭遇したときになぜデデデ大王は彼に負けて、カービィは平気だったのかって話に関わってきます。
そして、それに対する答えが作品全体のテーマに関わってきます。
では、この話は4巻でしましょう。みなさんも小説版カービィをぜひ読んでみてください。
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