『私、能力は平均値でって言ったよね！』の9巻について

さて、今回紹介する作品はこちら、『私、能力は平均値でって言ったよね』の9巻です。

著者:FUNA
イラストレーター：亜方逸樹
レーベル:アース・スターノベル
発売日: 2018/11/15
出版社: アース・スターエンターテイメント
ASIN:

あらすじ
ハイパーな魔物たちとの激闘に勝利したのは『赤き誓い』だった。
そして、冴え渡るメーヴィスの名推理！？！？！？
マイル達『赤き誓い』は、世界の危機を乗り越えて新たな冒険へと進む。
エルフの女性研究者エートゥルー＆シャラリルと一緒に森のフィールド・ワークへと出かけるが……
アニメ化企画進行中の『私、能力は平均値でって言ったよね！』　第9巻も、普通の少女目指して（？）大活躍です！

　なんと、ついにアニメ化が決まりました。これからも続いていくであろう少女たちの冒険と日常と成長の日々、今回は女神エルの活躍、ハンターとしての成長、メーヴィスを中心にした巻を順に語っていきます。

女神エルの活躍
ハンターとしての成長
メ―ヴィスを中心にした巻

女神エルの活躍

　前半は以前、痛い目に遭った兵が仕える国の王様が、森を超えての侵略行為を行おうとしていることを知ったマイル。
　王様にお灸をすえるため、女神エルにまた扮して奇跡を起こしましたね。
　マイルちゃんが架空の女神様をでっちあげることは1巻からやっています。
　そして、このシリーズの作者のＦＵＮＡさんはストーリー上に神様が出た時、それが神話、あるいは噂話として作品世界の人々の間で共有されているんですよね。
　こうなってくると、奇跡を重ねていく、女神エルが今後どういった存在になっていくか気になります。

ハンターとしての成長

　今回で、じつはハンターとしての精神的な成長というのがここ最近でやってたテーマなんだなと思いました。
　5巻でマイルは、自分の本当の願いを知るという気付きを得ることで成長しました。この後、マイル抜きで戦うという短編を間に挟んだのをきっかけに、メンバーの成長に焦点が当たっていました。
　そして7巻から9巻の前半までで中心となっていたのがレーナでしょう。
　彼女は、赤き誓いの実質的なリーダーとしてチームを率いていました。
　そんな彼女がほかのハンターと行動を共にすることで、自分たちは能力はないけど、経験や精神的なものが未熟なんだ、と思い知らされる、というのが何度か強調されていたんですね。
　そして、リーダーとしての決意を固めた瞬間に、メ―ヴィスから、「私がリーダーなんだけど……」と突っ込まれることで、ギャグとしてオチをつけながらも、今回のシリーズの中心人物を入れ替えています。

メ―ヴィスを中心にした巻

　9巻の後半は、赤き誓いの剣士、メ―ヴィスを中心としたはなしでした。
　彼女は赤き誓いの中で、自身の力不足を意識し、引け目を感じている子です。
　ポーリンとレーナはマイルによって魔法が鍛えられ、チートキャラになれたものの。
　マイルは、メ―ヴィスに剣技を教えることができなかったため、メ―ヴィスはマイルの身体能力に頼った剣の稽古によって鍛え上げられた神速剣のみでした。
　その後、マイルの用意したミクロスを使うことで一時的に能力を高める技を身につけたものの、それを自分の力だと思えることができなかった。
　後半以降はそんな彼女の成長に焦点を合わせているのでしょう。

　今後の展開が楽しみです。では、10巻も追って報告いたします。