そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『彼女のLー嘘つきたちの攻防ー』について

さて、今回紹介する作品はこちら、『彼女のLー嘘つきたちの攻防ー』です。


彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)
著者:三田千恵
イラストレーター:しぐれうい
レーベル:ファミ通文庫
発売日: 2018/8/30
出版社: KADOKAWA
ISBN-10: 4047352306
ISBN-13: 978-4047352308

あらすじ
嘘がわかる俺 VS.嘘つき少女

遠藤正樹は嘘がわかる特異体質で、川端小百合は決して嘘をつかない少女だった。そして学校のアイドル佐倉成美は、常に嘘をふりまく少女だった。ある日、川端と佐倉の共通の友人が亡くなってしまう。自殺という噂だったが川端は「彼女は殺された」と言い、佐倉も「彼女を追い詰めたのは私」とうそぶく。真相を知りたいと川端に頼まれた正樹は、その力で誰も知らない佐倉の心の内を知ってしまい――。願いと嘘と恋が交錯するトライアングルストーリー。

面白かったですよ。青春ミステリーって感じですね。嘘を見抜ける主人公に、嘘をつけない少女、川端小百合が「依頼者」として事件の謎解きをお願いする。事件の謎には、嘘つきの少女、佐倉成美が関わっていた。

主人公は、仕方なく、嫌いだった佐倉成美と接触するが、彼女の人となりを知っていくうちに、彼女のことを悪い人だと思えなくなる。

嘘の中に隠された真実が明らかになったとき、そこに隠された願いとは、みたいな話なんですけどね。

終盤までどう転ぶかわからなくなってさ。なにがホントかわからなくて疑心暗鬼になるミステリーを読んだ感があってさ。読了後の満足感はかなりある。

それでいて、嘘をわかるからこそ、父や周囲を信じられない主人公がさ。その力を気になってる女の子のために使ったらさ。そもそも、嘘がわかるがイコール悪いヤツがわかるとか、真相がわかるということでなく。挫折や過去のすれ違いを乗り越えて成長していく過程は青春小説なんですよね。

謎が解けた後のさ。これで納得するしかないのかっていうさ。ビターな結末もさ。大人になっていくっていうさ。青春ミステリー感があっていいんだよね。

ネタバレができない作品だからこんくらいしゃべれないけど、オススメなんでぜひ読んでみてください。

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)