そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『公園で高校生達があそぶだけ』について

 さて、今回紹介する作品はこちら、『公園で高校生達があそぶだけ』です。


公園で高校生達が遊ぶだけ (講談社ラノベ文庫)
著者:園生 凪
イラストレーター:トコビ
レーベル:講談社ラノベ文庫
発売日: 2018年8月31日
出版社: 株式会社 講談社
ASIN: ISBN978-4-06-513041-4

あらすじ
「とりあえず吾妻の中で、わたしを可愛さピラミッドの頂点に設定するといいよ。そうすればわたしを通して“可愛い”がわかる」「瀬川を可愛さピラミッドの頂点に設定すると、具体的にどうなるんだ?」「わたしに似てれば似てるものほど、吾妻は可愛いと認識しだすよ」「じゃあ、電卓とかも可愛く見えんのかな」「ちょっと待って。吾妻の中でわたし、電卓なわけ?」そして今日も公園で、高校生の何気ない日常が紡ぎ出される――。

 タイトルの通り、公園で高校生達があそぶだけの話です。
 基本、主人公を含めたいろんなキャラクターが公園にいてさ。彼らの日常の会話で笑わせていくコメディなんですね。
 近いのだと、『生徒会の一存』や『男子高校生の日常』でしょうか。キャラクターどうしの会話で笑いをとる作品が好きな人にはオススメです。
 また、この作品の魅力はそれだけでない。なんてことのない日常を積み重ねているようで。
 じつはこの作品は主人公の吾妻と彼の幼馴染である瀬川との友達より上で恋人未満のじれったい関係をかなりスローペースで描いている。
 たとえるのなら、かなり弱火で煮詰めている感じでさ。
 ヒロインがすごいデレているわけでもなく。主人公が鈍感というわけでもない。
 友人関係のくだらないやり取りをしていく中でさ。かすかに恋の火がちょろちょろ燃えててさ。
 お互いを意識してくっつきそうなのに、くっつかない感じがもどかしくていいんだよ。
 火が弱すぎて、煮だたないんじゃないかと思ったらさ。二人のやり取りが、小学生の頃の思い出とかがかかわっていてさ。
 じつはわからないくらいの弱火になっているとこがいいんだよ。
 2巻を今から楽しみにしている作品です。

 では、次巻も追って報告いたします。