さて、今回紹介する作品はこちら、『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』

著者:FUNA
イラストレーター:東西
レーベル:Kラノベブックス
出版社: 講談社 (2019/1/9)
ISBN-10: 4065145503
ISBN-13: 978-4065145500
発売日: 2019/1/9
あらすじ
遊戯盤大会も無事に終え、雑貨屋ミツハは今日も営業中!
そんな中、王都から他国へ向けて外交使節団を出すことに。そこへ不本意ながらも『雷の姫巫女』として加わることになった、ヤマノ子爵ことミツハ。王様からの頼みじゃ断れない……。コレットとサビーネを連れて、転移能力と地球製商品の数々を有効活用した快適な旅路へつく。そして、目的地までの道中、ひゅん!とあそこへ――!?
寄り道しつつで、外交は上手くいくのか。一方地球でも、異世界の姫(ミツハ)の重要性は増していき――!
雷の姫巫女は、地球では各国の代表と、異世界でも各国の王族と渡り合う!? 第4巻!
『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』について(1巻から3巻まで)
『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』とは、家族に先立たれ、天涯孤独の身となった山野光波。親戚との遺産争いも終わり、年齢や身体以上の精神的な成熟をした状態で、ある日、彼女は異世界と現実世界を行き来する力、転移を手に入れます。そこで、お金と平穏の大事さを身に占めて感じていたミツハは、転移の力を使って8万枚の金貨を貯めることを決意する、というはなしです。
この作品の面白さは、影響力の拡大です。彼女は8万枚の金貨を貯めるために店を出し、悩みを解決していきます。これにより、様々なキャラクターたちからの信頼を勝ち取り、人間関係を広げていく。
やってくる悩みというのも、最初は身に迫る危機や、日常的な悩み事であったのが。周囲の人々の彼女に対する信頼の高まりに応じて、大きな問題を解決することになり、その結果として彼女は領主にもなり、3巻の終盤では国を揺るがす危機に立ち向かうことになります。
そもそも、名前も山野光波、つまり山の光の波。彼女が最初に転移したのも山の中なので、山から現れた光が波となって広がっていく話であるというのが、最初から決まっている話なんですね。
では、4巻の感想に移ります。
他国からの侵略に対抗して同盟の結成
今回、ミツハの収める街に、大砲と鉄砲を持った異国の船がやってきます。
本来であれば侵略されていましたが、相手は異世界人のミツハの収める場所。彼女の力で異国の船はなすすべもなく、捕縛されてしまう。
しかし、この船がもしほかの国にやってきたら大変なことになってしまう。そう考えた王とミツハは大陸内の国々で同盟を結ぶために、外交使節団を派遣することに。
そこにミツハ、コレット、ザビーネも同行します。
大砲と鉄砲、未知の武器に対しての国の権力者たちの思惑や行動は様々。そんな彼らに対し、現実世界での歴史や軍事に対しての知識のあるミツハは一歩先を行く判断で相手をやり込める。
そこにカタルシスを感じます。それに今回は国から国をキャンピングカーと馬車でめぐるロードムービー。当然、同行者であるヒロインたちとの関係構築も面白い。
ザビーネとコレットの関係構築
1巻から登場していたザビーネとコレットちゃん。
巻が進むにつれてキャラが立っていき、可愛くなっていってますね。
ザビーネとコレットちゃんは今までミツハとは交流があっても、彼女たち二人同士での交流はありませんでした。
そんなふたりの絡みが見れたのも今巻の魅力です。
また、ようやくミツハの暮らしている現実世界に彼女たちが転移の力で来ることができましたね。
彼女たちを携えての現実世界での交流もよかったです。
新キャラ、レミア王女
そして、新キャラのレミア王女。彼女もよかったですね。
初登場時の挿絵のきらびやかなドレスに身を包む憂いげな瞳をもった少女というのが可愛かったです。
こういう子が、ミツハの行動によりある一面をみせている挿絵が映えるんですよね。
可愛くていいキャラです。
では、次巻も追って報告いたします。