さて、今回紹介する作品はこちら、『令嬢エリザベスの身代わり生活』です。
あらすじ
公爵令嬢エリザベスと瓜二つだからと、彼女の兄シルヴェスターに身代わりを頼まれた普通の令嬢エリザベス。狡猾なシルヴェスターと腹の探り合いの末、陰湿メガネの婚約者ユーインとの婚約パーティーに出るが……!?
面白いですよ。恋愛要素もあるんですけども。貴族としての腹の探り合い。兄と身代わりとなったエリザベスとの関係。なぜエリザベスは家から逃げたのかってのが、夏目漱石の『こころ』や米澤穂信の『氷菓』のような人間関係の事件を読み解くミステリーとして成立しています。読んでて先が気になる作りになっていますね。
まず、さいしょに兄のシルヴェスターがさ。とつぜんいなくなってしまったエリザベスを探しに夜の街を走るんだけどさ。そこで妹にそっくりな女性を見つけるんだけどさ。この人は私は妹ではないという。それでも兄はさ。記憶喪失になったのかと思い、家に連れ帰るんだけどさ。調べた結果、侍女の一人がつむじが逆向きだって言ってさ。同じ名前の別人だってことがわかる。さらに調べてみると、どうやら妹のエリザベスとは遠縁の家の生まれであるらしいことがわかる。でさ、兄はエリザベスに妹の身代わりを頼むんだけど、とうぜんエリザベスは断る。するとさ、ではこのくらいの援助をしよう。キミたちは今、援助を受けないと没落する危機があるんじゃないかって言われてさ。エリザベスのほうの回想が入り、そのまま彼女の視点で物語が語られる。
この辺の流れが上手いですよね。あとは、婚約者のユーインと出会ったり。同じ女性の貴族からいびられたりするんだけどさ。そのへんをどう切り抜けるのかってのがさ。昼ドラやチャングムの誓いみたいにさ。ついつい気になって読んじゃう感じはストーリー展開が上手いなって思いますよ。
2巻もkindole版が出たときにそのまま読みます。