そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『僕の知らないラブコメ』について

 今回紹介する作品はこちら、『僕の知らないラブコメ』です。

 

あらすじ

 みんなは近いうちに逃げ出したくなるような嫌なことってある? あるよね、きっと。明日になっちゃえばいいのにって思うようなそんな時。僕、芦屋優太はそんな時間を早送りできる能力を手に入れたんだ。これでもう勉強や揉め事、全ての嫌な時間から逃げることができる。やったね! そうして早送りしながら日々を過ごしてたら知らないうちに彼女が出来ていた! しかも相手はあのクラスの問題児、柳戸希美だって? 僕は怯えながらも付き合い始めたんだけど、意外にも柳戸はとても優しくて、そしてとても可愛くて……。どうして柳戸はこんな僕のことを好きになってくれたんだ……? え、このラブコメ、僕だけ知らないの? 

 

 面白いですよ。ある日、早送りできる能力を手に入れた主人公。軽い気持ちで早送り下らって話です。ドラえもんを思い出すようなストーリーラインですね。

 発想が面白いですよね。テーマとしては成果よりもその成果を手に入れるための過程が何よりも尊いって話でさ。

 甘いラブコメが読みたいって考えて読んでたらさ。後半の展開のキツさにやられますよ。前半で早送りしたら彼女ができたって時点でどうなるってのはわかるんですけどね。

 過程を無視したいっていう主人公の欲求っていうのは。効率化されていく現代社会において僕らの中に潜在的にある感覚ですからね。共感されやすい主人公だと思いますよ。

 あと、主人公が手に入れる早送りできる能力については。なぜ手に入れたのかって話はないです。このへんの謎の解き明かしは期待するとガッカリします。

 

 

僕の知らないラブコメ (MF文庫J)

僕の知らないラブコメ (MF文庫J)