そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

お母さん同伴で異世界へ⁉︎『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか』の1巻、2巻、3巻まで

さて、今回は『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』を3巻まで読んだので話させてください。

目次

どんな作品か

ライトノベルをよく読む人は今更かもしれないですけど。読まない人はこのタイトルだけでインパクトありますよね。

Twitterでも話題になってたんですよ。

アニメイトでこのラノベの催促イベントがあってさ。ある条件満たして1巻を買うと、特典がもらえるってのがあったんですよ。
その条件ってのがさ。母親同伴で買った人には特典をプレゼントですよ。無理じゃないッスか。このタイトルのラノベを親と買うのはさ。

そのイベントとタイトルのおかげで。お母さんがラノベ界で異例の大ヒット。アニメ化もせず、まだ2巻しか出てない時に、累計10万部突破したんですよ。

タイトルだけ見たら一発ネタかと思いきやそうではないんですよね。母親同伴の異世界転生ものという異色のジャンルでありながら、強すぎる母親と子の関係ってのをテーマにしたわりと含蓄のあるストーリーがあってさ。かなり面白いんですよね。

母親同伴の異世界転生もの

便宜上異世界転生ものと言ったんですけどね。どちらかといえば、SAOのような実際のMAORPGの世界に送られた話なんですね。どうやらこのライトノベルの世界の役人さんがさ。日本の子と母親の関係を改善させるためにさ。母親と一緒に攻略しなければいけなくてさ。クリア条件が母親と仲良くなることなんですよ。

話題になった以上さ。読まなきゃと思って、読んでたんですけどね。予想以上に読むのがキツかった。けものフレンズもそうなんだけどさ。新しいジャンルの作品ってさ、楽しみ方がわからないとただ退屈になってしまうじゃないですか。

この作品はさ。主人公と母親のやりとりを読むのがかなり恥ずかしい。こんなタイトルの作品を読んでるってのもあるんだけどさ。
漫画やら、ライトノベルにはだいぶ慣れてきたと思ったのにさ。久々に読んでて耳が熱くなりましたよ。

なんか、はじめて深夜アニメを見た時のこと思い出しました。

でもさ、20ページくらい読んでさ。母親以外のヒロインが出てきたら、なんとか慣れてきましてね。1巻、2巻読んでったらこれスゴイなって思いましたよ。

強すぎる母親と子の関係

全体のテーマとしては強すぎる母親と子の関係だと思うんですよね。

ドラマのイメージなんだけどさ。たぶんバブル期からなのかな。お受験とか、単身赴任や残業により父親の権威が薄れていくってのがあると思うんですよ。

たとえばさ、エヴァのゲンドウってのがあるじゃないですか。あれがさ、サブカルで父親というのが最期に輝いた瞬間だと思うんですよ。

それより前のさ。初代ガンダムでは父親に殴られたことのないアムロが出てさ。あれも33話で父親から渡された武器パーツを捨ててさ。その状態で戦ったら勝ってさ。アムロの父親がやったー! 俺のおかげで勝ったんだとか言ってるシーンさ。泣けたよ。

でさ、ガンダムで父親の陰りが起き、エヴァで最期の断末魔をあげた後にさ。グレンラガンでは親父は既に死んでるしさ。銀河美少年タウバーンでは昔のことにしがみつく殴らなければいけないダメ親父になっててさ。

アニメの父親ってのはさ。日に日に弱くなってるんだよ。

明治の頃はさ、『破戒』とか『こころ』とかではさ。父親に縛られる自分ってのがあったんだけどさ。文学がアニメに移る頃にはさ、その父親による鎖みたいなのがさ。なくなってるんですよね。

そっからさ、今の問題は何かって言うとさ。逆に母親が徐々に子供たちの心の中の支配を強めってる。

エヴァの時からそれは明らかじゃないですか。なんてったって、母親の子宮のなかで戦っちゃってるんですから。

バブみ、おぎゃるなんてのも最近の流行りでさ。父性がすたれ、母性がサブカルを支配しててさ。その支配力が頂点に達してるのが今なんですよ。

でさ、ここで『通常営業が全体攻撃で二回攻撃のお母さん』の話に戻しますよ。

これさ、文字通り、異世界に来たら全体攻撃と二回攻撃ができるお母さんと旅する男の子の話なんだけどさ。このお母さんがいるとどうなるかといえばさ。ゲームやってる人ならわかるじゃないですか。息子が活躍できないんですよ。お母さんが先にモンスターを倒しちゃうから。

この状況が何かと言えばさ。エヴァQのさ。あなたは何もしなくていいと言われるシンジくんな状態でさ。

何もできない状態で、何をするかって話がこの作品の根幹なんですよね。

ちなみに、一巻と二巻ではさ。主人公と主人公の母親と同じようにさ。ゲームに閉じ込められた母親と娘が出てきてさ。母親がかなりのチートを手にいれて暴走してるわけなんですけどね。

一巻と二巻のそれぞれのテーマがさ。母親がどうあるべきかって言うさ。主人公の母親のキャラ立てのための巻なんですよ。

でっ、3巻からさ。徐々に問いかけているテーマがさ。息子に寄っててるんですね。

それがさ、今回はパーティの恋愛関係。このシリーズってさ、母親以外のヒロインもいるんだけどさ。主人公と恋愛フラグが立たないんですよ。

それをさ、3巻から出てくる母親に反抗するための組織の四天王的なヤツがさ指摘してんだよね。お前らがそうならないのは主人公の母親がいるからだってさ。

実際ではかなりページ数を割いて語ってさ。恋愛も四天王の指摘の一つなんだけどさ。読んでて、なんでアニメや漫画に家族が出てこないかって言えばこの辺が原因だよなとは思いましたよ。


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