そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『小鳥遊ちゃんは打ち切り漫画を愛しすぎている』について(ネタバレ注意!)

こんにちは、神島竜です。
今回は『小鳥遊ちゃんは打ち切り漫画を愛しすぎている』を紹介します。

小鳥遊ちゃんは打ち切り漫画を愛しすぎている【電子特典付き】 (MF文庫J)

書籍情報
タイトル:小鳥遊ちゃんは打ち切り漫画えお愛しすぎている
著者:望公太(https://twitter.com/nozomikota)
イラスト:桶乃かもく(https://twitter.com/k_okeno)
出版社 ‏ : KADOKAWA (2024/4/25)
発売日 ‏ : 2024/4/25
ISBN-10 ‏ : 4046835400
ISBN-13 ‏ : 978-4046835406
あらすじ:
放課後、部室で密かに行われるのは……打ち切り漫画批評!?

俺、月見里司は高校生で漫画家志望。大人気の漫画誌、週刊コメットの漫画賞で最終選考まで残った経験もあり、今日も今日とて漫画部部室で、デビューを目指してネームを悶々と考える日々……なのだが、異様なまでに打ち切り漫画を愛好している部の後輩の小鳥遊がいつもちょっかいを出してくる。「お前……結局趣味が悪いだけじゃねえか。デスゲームやってる貧乏人を、金持ちが安全圏から見て楽しんでる感覚かよ」「ち、違いますよ! 私が求めてるのは散り際の美しさです! 土俵際の美学です! 敗者の生き様です!」「ただただ人間として面倒くさいな!」漫画同好会部室は、相も変わらず他愛のない会話で溢れている。

もくじ

主人公は漫画家志望、ヒロインは打ち切り漫画を偏愛する女の子。

舞台は高校の漫画部の部室。そこに集まるのは、漫画家志望の月見と1年生の小鳥です。基本的に、二人の漫画トークが中心となる作品です。
ヒロインである小鳥遊(ことり ゆう)は、毎週コメットで連載されている打ち切り漫画を愛しており、家にはその漫画の単行本が5巻まで揃っています。
月見はデビューの準備をしながら、ヒロインと漫画の話をするという内容です。読んでいて面白かったです。会話の内容はTwitterでのジャンプの打ち切りレースに対する反応を思い起こさせます。
会話の内容が上手い作品です。作中に登場する作品は架空の作品なのですが、読んでいると今まで読んできた打ち切り漫画の記憶がよみがえってくる。それでありながら、その作品とは似通らない内容で、かすりそうでかすらないラインで話すのが上手いなと感じました。 

まさかのSF,つづきはどうなるのか!?

今回読んでいて驚いたのが、最後に明かされたループ設定です。小鳥遊は月見との青春をループしていることが終盤に明らかになります。
それは、彼女の意思によって行われるループです。
一応、会話の節々に伏線は貼ってあったのですが、実際に明らかになったら驚きました。
読み返してみると、時間の進みが一般の日常系ライトノベルよりも早く。テキストゲームのノーマルエンドのような、ここで何もしなかったからこのエンディングになった感が強いんですよね。
次巻では、別のルートが見れると思うので、この辺がどうなるかが気になります。