そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『賭ケグルイ』7巻について

この前、賭ケグルイ7巻を読みました。

まず、7巻の感想に入る前に賭ケグルイの魅力を話します。
賭ケグルイの魅力は2つです。1つは、賭けに狂う正しいギャンブルものであること。もう1つは可愛いヒロインが真剣勝負のさなかに見せる美醜です。

賭けに狂う正しいギャンブルもの

まず、タイトルの通り、この作品はギャンブルものです。

舞台となる百華王学園ではギャンブルが公然と行われています。賭け金も多額で、負けを越すと学園内での人権を剥奪され、家畜となってしまう。主人公の夢子はそんな百華王学園に転校してきた二年生。

彼女は、百華王学園で次々とギャンブルをして勝ち抜き、学園の生徒会長とギャンブルをすることを目的として行動します。

設定とストーリーラインだけを見ると『ライヤーゲーム』や『カイジ』をイメージしちゃうんですけどね。それだと、ギャンブルに対する解決方法、戦い方に違和感を感じてしまいます。

例えば、よくあるギャンブルものってさ。あるゲームがあったとしてそのゲームに対する必勝法を考えるのが肝となっています。

しかし、主人公の夢子はさ。一つ一つのゲームに対して、イカサマをみつけて、そのイカサマを打ち破る方法を考えるんだけどさ。あくまでそれだけでさ。そっから先は運や元々持ってる能力値で勝ってるんですよね。

これを毎回やっててさ。この辺だけに注目すると、最終的な解決策が脳筋じゃねって思っちゃうんですけどね。ここがこの作品の面白いとこであり、一貫したテーマになってるんですよね。

夢子はさ、相手が仕掛けたゲームに対してのイカサマを見抜いてさ。そのイカサマをなくした上で、純粋な運や能力値による勝負に持ち込む。その時の決め台詞がさ。「さあ、賭ケグルイましょう!」なんだけどさ。

この「賭け狂う」ってのがさ。ただ単にギャンブルで身を滅ぼすとか。狂うほど賭けるって意味だけじゃなくてさ。正々堂々と勝負しましょうって言ってるんだよね。

これをさ。金持ちが集まって、ギャンブルをやる学園で言ってるってことに意味があるんですよ。

賭ケグルイとは、ルールをつくることで自分が有利になるようにする勝ち組の人間が1人の女性によって、そこから降ろされ、真剣勝負をさせられる話なんですよ。

たとえばですよ。スマホってあるじゃないですか。スマホってさ。買うときにさ。通信量ってのがあってさ。買ったら、月々それを払わなければいけないんだけどさ。僕らはそれがないと生きていけないルールの中を生きている。その中で一番儲けているのは、スマホを売る会社であり、iPhoneの会社のアップルです。

さらに広げればさ。僕らはスマホを使うために金が必要なわけだけどさ。そのお金に価値が決めているのがどこかといえば銀行であり、国である。しかし、本来であればお金は紙にすぎない。僕らは金が価値のあるものであるというルールに乗っかってるにすぎない。

世の中に勝ち組と負け組がいるとするならば。それはルールをつくるものたちとルールに従う者にわけれるわけでさ。百華王学園では、どうやって互いをルールで縛るかって戦いをしててさ。そこに夢子がルールを崩して、純粋な勝負事に持ち込んで勝つってとこにさ。カタルシスを感じるんですよね。

ちなみにこのストーリーラインに似てるのがあってさ。なにかといえばジョジョの三部。あの漫画も、ルールで縛ろうとする敵スタンドに対して承太郎がどうやってオラオラするかが話の肝なんですね。

つまり、オラオラと賭け狂いましょうは同じなんです。

ルールに縛られている状態から脱するってのが、僕らの誰もが心の中で求めるストーリーラインなんですね。

可愛いヒロインが真剣勝負のさなかに見せる美醜

この漫画の魅力の一つとして、ヒロインがみせる美醜があります。この作品、可愛いふつうの萌えキャラだと思ってたキャラがさ。かなり醜い顔になるんだよ。

どのくらいかと言えばさ。涼宮ハルヒが文化祭の時に見せたほうれい線がしっかり刻まれた一瞬の表情。この漫画では当たり前のようにそれが出ます。その美醜の幅の広さがいいんですよ。

自分こそが勝者と考えた子の泣きじゃくる姿。恍惚、あるいは怒りで顕となる醜い素の表情。あえて醜いと言ってしまいましたが。その姿は美しく、惹かれてしまうほどチャーミングです。ようはとりつくれないほど必死な姿なんですよ。その必死な時の表情があるからこそ、その後の笑顔が何倍も魅力的になる。作者自身のフェティシズムがよく出た魅力的なひとコマがたくさんあります。

7巻の魅力

賭ケグルイ全体の魅力を語ったうえで、7巻の感想に移ります。

面白いですよ。生徒会役員と桃喰一族を巻き込んだ生徒会選挙の開幕。一族の分家の1人、蟲喰が用意したギャンブル、指ギロチンに挑む夢子と妄。賭ケグルイの魅力がよくわかる巻でした。

桃喰一族を巻きこんだ生徒会選挙

7巻の重要な点は新たに登場した敵、桃喰家一族と生徒会選挙ですね。生徒会のほとんどを倒した後にどうするかと思いきや。まさかここで新たな敵が出るとは思いませんでした。

そして、はじまった生徒会選挙。票をギャンブルで奪うゲームですね。

今後、夢この生徒会選挙で夢子が桃喰家一族とどう戦いかに目が離せません。

指ギロチンに挑む夢子と妄

今巻のメインとなるギャンブルが指ギロチン。複数ある紐のうちの一つがギロチンを固定する紐。それを切ってしまえばギロチンが起きてしまう中。最後までギロチンの下に指を抜かなかった者の勝ちというゲームでさ。

ルールを聞いた時点で妄に有利なゲームだなってわかりましたよ。だから、ゲームを用意した蟲喰が余裕そうな表情でイカサマを語ってる様がさ。メッチャ笑えました。

今巻を読んでて安心したのがさ。倒した生徒会のメンツがさ。桃喰家の一族という新たな敵によってさ。また再登場することがわかったのがいいですね。

今後も続刊が出たら追って報告します。


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