あらすじ
純正サキュバスや、女騎士イメージプレイ、産卵ショー等々…王道からディープな店まで色々なサキュバス嬢を網羅していくスタンクたち。一方、すっかりサキュバス店通いに慣れてきたクリム君にとある変化が…!?
異種族レビュアーズの魅力
『異種族レビュアーズ』とは、ファンジー世界にはどんな風俗があるかを真剣に考えた。
ダンジョン飯の系譜にある作品です。
ダンジョン飯とは、ファンタジーでのモンスターをどうやって調理するかを描いていった作品です。
まおゆうなどを含め、ファンタジーでの経済はどうなっているのか、宗教は、国は、といった問いを深めていく流れというのがあってさ。
そこを風俗に向けて考えたのが『異種族レビュアーズ』です。
冒険者でヒト族のスタンク。彼はいつものようにこの世界の風俗、サキュパス店に行きます。
美女のエルフに見送られ、デレデレするスタンク。
店を出るスタンクの前にドン引いた様子で見るエルフのゼル。
なんでもゼル曰く、スタンクがサービスを受けたエルフは500歳のババアだそうだ。
そんなゼルに対し、お前だって50歳のヒト族のサキュ嬢にサービスを受けてたじゃないかとツッコむスタンク。
50歳のヒト族のサキュ嬢と500歳のエルフのサキュ嬢、どちらがいいかを酒場で議論する二人。
話は平行線でラチがあかないと考えるスタンクは、たまたま酒場で居合わせたハーフフッドのカンチャル、獣人のブルースにも意見を求めます。
結果はヒト族の圧勝。その事実にショックを受けるスタンク。
後日、酒場で集めたレビューを掲示板に張り出すと、サキュバス店を利用する人々の間で大好評。
ヒト、エルフ、獣人などの異種族ごとの価値観の違いの現れたレビューは亜人たちが混合して生活する街では需要があったのです。
レビューの写し代でスタンクたちは大金を得ます。その大金を握りしめ、スタンクたちは新たなサキュパス店へと向かいます。
ちなみに、これは1巻では1話の内容なんですけどね。
もともとは読みきりだったのが。その後連載となります。
連載になるうえで、このシリーズのうまいところがさ天使のクリムくんですね。
クリムヴェール、天使、ある出来事をきっかけにして天使のわっかが欠けてしまい地上に落ちてしまいます。
天使としての力を失ってしまったクリムは、たまたまそばにいたスタンクたちに、自分を守ってほしいと言います。
すると、彼らはそのままクリムをサキュパス店へと連れていき、彼もそこではじめてを失ってしまう。
その後、彼らはクリム君を連れていき、お金をもらえることにつられたクリム君もだんだん積極的になってしまう。
この話は異世界での風俗という短編集をやりながら、奥手で純粋なクリムくんがサキュパス店にハマっていく過程を描いた成長(?)物語になっていく。
では、2巻の感想に移りましょう。
クリムくんの変化が明確に伝わる瞬間と、その後の新たなストーリー展開を描いた本作。
順に語っていきます。
クリムくんの変化
今回、クリムくんの成長がはっきりとわかる回が多かったですね。
面白い物語に共通してある要素に「殻を破る瞬間」ってのがあってさ。
ゴーレムのサキュパス店で行われるそこそこ背徳感のある選択肢を選んでしまった瞬間や、スタンクたちが遠出している間に一人でサキュパス店に行く。
受動的だったキャラが、能動的な行動に切り替えた瞬間をいれていくことで話が動いている感じがして盛り上がるんですね。
今回、印象的なのが都市で話題のサキュパス店に向かうためにスタンクの手を取ってでかけるクリムくん。
あのシーンで彼の成長がはっきりと明確になりましたね。
成長物語が終わり新たなストーリーへ
2巻の後半は新たな展開の準備回でしたね。
後半では、今いる町を離れ、ケンタウロスに乗って遠出します。
あと、スタンクのいる町ではサキュパス店レビュアーが当たり前になりましたね。
これにより、今後は町から遠出する場面も増えていくでしょうね。
さらに、後半は、いろんなレビュアー高得点を出しているサキュパス店に行くんですけどね。
その内容が、きれいな美女の魔法使いによる分身をさ。三日間好き放題にできるサービス。
スタンク、カンチャル、ゼル、クリムの4人はそれぞれ分身とおもいおもいの時間を過ごします。
これはさ、ダンジョン飯の5巻の時のドッペルゲンガーの回のときの一緒でさ。
ストーリーを新しい展開に移行させる前に、改めて彼らがどういうキャラなのかを、どう扱ってもいい美女を出すことでキャラ立てしているんですね。
そのうえでさ、その分身体をつくる魔女の計画を最後に移すことで、こっからどうなるのかワクワクさせたうえで終わるんですね。
では、3巻も追って報告いたします。