さて、今回紹介する作品はこちら、小説版 星のカービィ 銀が最強の戦士です。
あらすじ
メタナイトのもとに、部下になりたいという男の子があらわれた!しかたなく部下にしたものの、彼は戦いの最中、行方不明になってしまう。その後、メタナイトが急にいなくなり…!?カービィやデデデ大王たちは、ポップスターを出て、メタナイトをさがしに行くことに!!どうもメタナイトは、危険であるため大昔に封印された、銀河最強の戦士・ギャラクティックナイトを復活させようとしているらしく!?小学中級から。
またまたメタナイト中心回。いつものように導入について語ってから、メタナイトが抱えていた闇、メタナイトが認めていたカービィ―の強さの順で話します
導入
プププランドに最近できたショッピングモールで、買い物を楽しむデデデ大王とウンザリしてついてくるカービィとワドルディ。
そんななか、映画館のポスターでギャラクティックナイトのポスターをみつける。彼について知らなかったカービィは、デデデ大王から話を聞き、さらにメタナイトが彼の封印を解いたことがあることを知る。
なぜ封印を解いたのか、封印を解いてなにをしたのか、謎が深まるも、運ばれてきたパンケーキによって会話は中断される。その会話を謎の人物が聞き、ほくそ笑んで去る。
何気ない日常からなにか不穏な流れがはじまったことがわかりますね。
さらに気になるのがショッピングモール。キザリオやハルトマンが田舎と称したプププランド。その田舎に、最近できたショッピングモールとなると、プププランドが発展している。今巻から世界観がちょっと変わりますよって意味なるんですね。実際、今回はメタナイトの巻でありながらカービィの強さ、メンタル面の話にも言ってさ。今後、カービィが銀河を救う勇者に変化するための布石を置いているんですね。
メタナイトが抱えていた闇
今回、あることをきっかけに大事な部下を失ってしまったと考えたメタナイトは失踪してしまいます。
目的はギャラクティックナイトを復活させるため。
それでカービィたちはギャラクティックナイトとメタナイトの戦いの間に入って止めるんですが、それに怒ったメタナイトは、邪魔をするならカービィが俺と戦えって言って襲ってくるんですね。
ここで明らかになったのが、じつはメタナイトがカービィに対してデデデ大王と同じくらいライバル心を持っていたこと。
メタナイトは、プププランドの外からやってきた存在です。ゲーム版のスーパーデラックスでは堕落したプププランドに革命を起こすために爆弾を落とそうとしていました。
そこでメタナイトはカービィに負けているし、小説版でも、カービィはかからなかった催眠に、メタナイトは負けてしまう。
仮面をかぶって、気にしないそぶりしていたけど本当はメッチャ気にしているんですよ。
彼は自身の弱い部分を自覚していて、だからこそ仮面をかぶっている。
たとえるなら、シャアみたいなやつでさ。
スーパーデラックスでプププランドに革命を起こそうとして敵となった話のタイトルも『逆襲のメタナイト』でさ。
どう見ても『逆襲のシャア』を意識したタイトルなんですね。
『逆襲のシャア』もさ、地球のことを考えてばかりでいるコロニーにイラついたシャアが地球なんてあるからそこに引っ張られるんだって言って、地球を破壊しようとする話でさ。
ガンダムシリーズを延命させようとするオタクにこんなのがあるからロボットアニメは前に進めないんだって言って、ガンダム自体を爆破したいっていう富野監督の考えが露骨に出た映画なんだよ。
つまりシャアもメタナイトも、自分の弱さも許せないし周りのゆるさも許せないキャラなんだよ。
それを隠そうとして強がるとこが姫騎士っぽくてかわいいんですけどね。
前巻でポップスターには豊かな資源があることを強調したうえで今回のメタナイト巻って順番なのも意味深でさ。
ポップスターの外でなにかしら子供向けでは書けない辛い目にあったメタナイトがそれを表に出さないように仮面出しているのに対し、カービィはその豊かな星で弱肉強食にも遭わずに生まれながらにしての強い能力を持ってもおおらかなプププランドの住民によって迫害もされずにダラダラ生きてきたキャラなんですよ。
ナルトとサスケよりも、お互いの立場に共感しづらいからさ。メタナイトも不満がたまってたんだよ。
メタナイトが認めていたカービィの強さ
メタナイトの抱えている闇であり弱さが、手段と目的がゴッチャになっていること。
彼はみんなを守るために強くなりたいと考えている。しかし、同時に強くなること夢中になって銀河を滅ぼしかねない状況にするという、身もふたもないこともしちゃうんですね。
そのへんの矛盾を彼は感じていて、それを悟られないように仮面をかぶっている。
4巻でさ、あやつられた姫が自分の本性を知られるのを恐れていたんだけどさ、最終的に素の姿でみんなと接せられるようになったじゃん。
メタナイトも同じような悩みを抱いてたんですね。
カービィは食べ物ばかりを考えているんだけどさ。だからこそ、自分が幸せになるにはどうすればいいかという価値観がはっきりしているからさ。
メタナイトが持つような悩みを抱えないんですね。
これが小説版カービィーのテーマでさ。
夢とか大義とか、大きな目標よりも価値観をはっきりさせることのほうが大事って話なんですよ。
今回、メタナイトはギャラクティックナイトとの戦いで部下に助けられることで、自分が強くなる理由を見失っていたことに気づきます。
そして、4巻ではできなかった弱みを見せるってことができるようになる。
だから、今巻以降はカービィに対するライバル心を隠さなくななっていきます。
ラストがいいんですね。初期のスターウォーズでみんなが戦争終わったと言って宴会やっているのに一人だけ寂しく立っているアナキンで終わっているみたいなさ。
銀河を守る英雄の寂しさみたいなシチュでさ。カービィがそこにやってきて、みんなでおやつを食べようって言って引っ張る瞬間にさ。
メタナイトがキミのような強さが欲しいってつぶやく瞬間はさ。
彼がカービィによって孤独の戦士から仲間とともに戦う戦士になったよ、て意味でさ。
ここが尊ぇ尊ぇんだよな~。
それでは、次の巻で追って報告いたします。
星のカービィ メタナイトと銀河最強の戦士 (角川つばさ文庫)
- 作者: 高瀬美恵,苅野タウ,ぽと
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2018/03/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 高瀬美恵,苅野タウ,ぽと
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2018/01/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
星のカービィ 決戦! バトルデラックス!! (角川つばさ文庫)
- 作者: 高瀬美恵,苅野タウ,ぽと
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2018/03/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
星のカービィ 大迷宮のトモダチを救え!の巻 (角川つばさ文庫)
- 作者: 高瀬美恵,苅野タウ,ぽと
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2018/02/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
星のカービィ 大盗賊ドロッチェ団あらわる!の巻 (角川つばさ文庫)
- 作者: 高瀬美恵,苅野タウ,ぽと
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2018/01/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
星のカービィ くらやみ森で大さわぎ!の巻 (角川つばさ文庫)
- 作者: 高瀬美恵,苅野タウ,ぽと
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2017/12/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
星のカービィ あぶないグルメ屋敷!?の巻 (角川つばさ文庫)
- 作者: 高瀬美恵,苅野タウ,ぽと
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2017/12/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
星のカービィ ロボボプラネットの大冒険! (角川つばさ文庫)
- 作者: 高瀬美恵,苅野タウ,ぽと
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2018/03/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
星のカービィ プププランドで大レース!の巻 (角川つばさ文庫)
- 作者: 高瀬美恵,苅野タウ,ぽと
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2018/02/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る