そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

アリの巣ダンジョンへようこそについて

 

 さて、今回紹介する作品はこちら、アリの巣ダンジョンへようこそです。 

 

あらすじ

目覚めると、俺は土壁に囲まれた部屋の中にいた。自分の名前も含めて過去をまったく思い出せないが、どうやらダンジョンマスターというものになってしまったらしい。自分の役割を果たそうと、さっそくダンジョンを作り始めるが、通路を掘るにもひと苦労。そこで考えたのが、アリのモンスターに掘らせることだった――無尽蔵に増えて、進化していくアリたちとともに、侵入者たちを撃退せよ! 「小説家になろう」発、大人気ダンジョン運営ファンタジー!

 

 ダンジョンをつくって、管理して、やってきた冒険者を倒す。 スマホの放置ゲーの面白さをそのままライトノベルにしたような作品です。

 

 面白いですよ。たとえば、モンスターに側に立つ話というのは、だいたいがなんだかんだ言って人間の味方、あるいは人間に近いエルフ、ドワーフなどの亜人の味方をするものなのでですが。この作品の主人公はダンジョンにやってきた人間を善悪とわず、殺している。

 

 冒険者の視点での話はつい彼らに感情移入してしまうくらい真に迫ったものがあります。

 

 だというのに、主人公視点での話は全体的に明るい。スマホの放置ゲーの面白さを描いているんですね。

 

 そう考えると、ヒロインを妖精にした点も上手い。人間たちに一番遠い人外をヒロインにしたことで、彼らを殺すことに罪悪感を感じないことに疑問が湧かない。

 

 二巻も読みたいです。