そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

異世界居酒屋「のぶ」について

 

さて、第15回目ネット小説レビュー。今回紹介する作品はこちら、異世界居酒屋「のぶ」。

 

あらすじ

古都アイテーリアの裏路地に、一風変わった店があるという。
若い衛兵ハンスは同僚のニコラウスに連れられてその店──居酒屋「のぶ」を訪れる。
木の引き戸を開けた先にいるのはノブ・タイショーと呼ばれる主人と、給仕のシノブという女性。
こぢんまりとした店内は、不思議な異国の情緒を漂わせており、見たことも聞いたこともない料理を出してくる。
そして、キンキンに冷えたエール──「トリアエズナマ」がとんでもなくうまい!
噂は広が り、次々に客が訪れるようになるが、中には込み入った事情を持つ者もいて……。
これは、異世界に繋がった居酒屋「のぶ」で巻き起こる、小さな物語。

 

最近、異世界プラスグルメって作品は結構あるんですけど。まずはここからはじまった。だからこそ、他を紹介する前にこれを紹介すべきですよね。

 

二人の衛兵が最近流行ってる店があるらしいって言って、居酒屋のぶを訪れるとこからはじまるんですけど。この時点ですごいんですよね。異世界転生、あるいは転移って、転移した側の視点で物語を始める場合が多いんですけど。この作品は、異世界の人の視点で現実の世界に料理を語ってる。しかもその語り口もうまいんですよ。

 

 たとえばこれ。

 

(引用「牛すじ煮込み」)

 「煮込んでいるのは、牛の腱と……なんですか?」
「こんにゃくです」
「コンニャク……?」

 また聞いたことのない名前が出てきた。
 帝国と東王国、それに北方三領邦の料理にはかなり精通しているという自信があったが、そのどれにも思い当たる食材がない。
 柔らかそうな見た目は何かの内臓という風にも思える。

 

 内臓は鮮度を維持することが難しいのであまり流通しないから、その地方地方で独自の呼び方が定着していることが多い。見知った部位でも、思わぬ名前で呼ばれていれば、分からないこともある。
 牛の腱や内臓を使う、これも貧窮から生まれた料理なのだろうか。

 

 ぼくらが何気なく、食べているこんにゃく。それをぼくらの料理を知らない。中世の文化に似た異世界の住民の視点だとこうなんだよってのがうまく書かれているんですよね。

 

 この作品では居酒屋だからビールのことを異世界の住民のみんなはトリアエズナマって名前で認識してて。最初はこんなエール飲んだことないって言ってたんですけど。あとあと、じつはこれは流通を禁止されたラガーなんじゃないかって話になってですね。ぼくこれ読んではじめてビールにはエールとラガーがあるってこと知りました。

 

 こんな感じでですね。この作品って。食だったり、いろんな国の風土だったり、文化だったりに対する作者の知識量が半端ないんですよね。

 

 だから、僕らの世界にもありそうな居酒屋に異世界の人がやってきたってのがリアルに感じる。

 

 じつはさ、この作品。帯で孤独のグルメの作者さんがグルメにこんな表現があるとはって言ってたんですけどね。たしかにこの発想は凄いと思うんですよ。孤独のグルメは吾郎ってキャラがネットでネタ扱いされているから誤解されがちなんですけど。あの作品の魅力は男が一人で飯屋に入ったときの心情の変化だったり、しぐさのひとつひとつがなんかわかるっていう。リアルな感じが魅力なんですよ。で、のぶは異世界人でこのありそう感を出している。そこがすごいんですよね。

 

 これによってどうなるかっていうと。僕らがふだん食べている料理に付加価値がつくんですよね。何気なく、食べている料理がいつもよりおいしく感じるんですよ。

 

 ほら、テレビである料理屋さんが特集されたとして。次の日にそこに行ったら絶対混んでんじゃないですか。あれって、味がおいしい。店の雰囲気ってのもあるんですけどね。テレビで紹介された○○を食べているっていう付加価値も料理の満足感に入っているんですよね。

 

 そういう付加価値が普段家でも食べれるナポリタンやおでんにも付加される。そこが魅力なんですよね。

 

 普段見ているものが何かべつのファクターを通すことで特別なものに変わる。そういうの異化って呼ぶらしいですよ。

 

 こういう身近なものを別の世界観の人の視点で異化させる作品といえば、テルマエロマエがありますよね。

 

 テルマエロマエ、ローマのお風呂技師が日本の現代の銭湯にタイムスリップし、日本の銭湯事情。ひいては日本の文化全体を古代のローマ人が褒める漫画です。

 

 このテルマエロマエの異化と孤独のグルメのありそう感の両方がこの作品にはある。だから面白いんですよ。

 

 もしネット小説を食わず嫌いしている人がいるならばこの作品だけは読んでほしいですね。食べるという行為はだれもが共感できるし、普段の日常や文化をべつの世界の人に褒められるってのは気分がいいですよ。これを読んだ後と前とで生きるのの楽しさが大なり小なり変わる。万人受けする作品なんですよ。

 

WEB版

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蜘蛛ですが、なにか?

 今回はネタバレが多めです。

 

 さて、ネット小説レビュー、第14回目の作品はこちら。蜘蛛ですが、なにか?

 

 あらすじ

 女子高生だったはずの「私」は目覚めると……なんと「蜘蛛」に転生していた! 周囲は毒ガエルや猿の化け物、果ては龍まで……って、コレもう詰んでない!? 種族底辺・メンタル最強女子の、迷宮サバイバル開幕!

 

面白いですよ。最初に目覚めたときは卵から産まれて。自分を生んだ母親や兄弟にも殺されかけるってくらいハードな世界。しかもダンジョンの中での転生なんですよね。今までは、ある程度話の流れやオチが予測できるように描かれていたんですけど。この作品はどうなるかの先は読めず、ハラハラする展開が多めになっています。

 

この話は主人公のクモを中心にして考えるといわゆるスキルチート。レベルや特殊な行動、修行をすることで各種の技能を向上させていくことで強くなっていく話です。ただレベルを上げるだけでなく、レベルを上げていくことで得たスキルをどう使っていくかで話を盛り上げていくんですね。

 

この主人公が一度ダンジョンの最深部に落ちてしまい、そこからダンジョンの外に出るためにスキルを得て、レベルを上げ、最強のモンスターになっていく過程を描きながら、じつはもう一つの話を並行して書いている。

 

その話が転生前に同じ教室にいた生徒の一人をもう一人の主人公にした十年後の異世界の話。じつはこれ、教室にいる生徒、先生が全員なんらかの理由で一度死んで転生してしまったクラス転移ものなんですね。クラス転移もの。文字通り、そのクラス全部が異世界に転生する話です。漂流教室の異世界版だって考えればイメージしやすいと思います。

 

 その話での主人公は人間の姿で生まれたため、まともにレベルを上げてモンスターと戦うのが十年後になっちゃったんですね。

 

 モンスター転生で、スキルチートで、読み進めるとじつはクラス転移で、並行して王道な俺TUEE転生ものもやる。こんなに詰めておもしろくないわけないじゃん。 

 

 これのいいとこがさ。この10年後の話を読むと。10年前からスキルチートで成長しているクモがいったい教室にいただれで。10年後、何をしているのかがめっちゃきになってくるんですよ。

 

 つまり、ミステリーもはいってんですね。

 

 前、3巻が出たころかな。デュラララの作者も絶賛って書いてあったんですけどね。そうなんですよ、あの作品面白かったら。この作品も面白いんですよ。

 

 そういった面白さがあるうえで、作品内で一貫したテーマが。わたしってなんだろう?ってことなんですよね。

 

 たとえば、クラス転移した中にですね。もう一人の主人公の同級生で、元は男なのに女性に転生しちゃったキャラがいるんですけどね。彼は女性の身体で生きているうちに男のもう一人の主人公に恋しちゃうんですよ。でも、それを転生前の男としての心が許せない。結果、彼女のなかで葛藤が生まれるも、ある瞬間を境に転生前の男は俺は今ここで死ぬんだって言っててですね。そこからは彼女はもう一人の主人公が大好きな女の子になっちゃうんですよね。

 

 これはTSものではよくあるんですけどね。こういうふうにスキルを得るのに夢中になって暴走したり。名誉や全能感によって、残忍なことをしたり。この話ではですね。スキルを得るという行為だったり、スキル自体の特性だったり、地位だったり、身体的な特徴によって、クラス転移した仲間たちの心というのが変質してしまう場面を意識的に書いている。それによって、私という個人はどこからできるのか。私ってなんなのかってのを読者に突き付けているんですよね。

 

 そんななか、教室の中の誰なのか。十年後の彼女の目的はなんなのか。そのへんのことを一切明かさずに淡々とスキルチートで強くなっていく彼女のメンタルだけはまったくブレずに「蜘蛛ですが、なにか?」なんですよね。

 

 ネット小説の中では一番好きかもしんないからさ。ぜひ読んでほしい。

 

WEBで無料で読むならこちら!

小説家になろう

蜘蛛ですが、なにか?

 

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算数で読み解く異世界魔法について

 

 さて、今日紹介するのはこちら、『算数で読み解く異世界魔法』

 

あらすじ

落ちこぼれフリーターのタカハが転生したのは魔法の詠唱に数字を用いる世界だった! 彼は転生特典『対訳』の力で全ての魔法言語を瞬時に理解し、持ち前の数学知識を駆使した大魔法使いを目指す。
──が、まさかの大問題は転生先の家族にあった!
頑固な父親、のんびり屋の姉と築く生活は、喧嘩ばかりで修行もままならない。
おまけに、タカハの前には前世からの因縁を持った宿敵まで出現。異世界では最強の魔法使いとして成り上がるはずだったのに……。

家族の絆と自身の誇りを胸に、今、タカハのかつてない戦いが始まる!
完璧な計算を越えた想いが絆を繋ぐスイートホーム・ファンタジー!

 

 算数で読み解くってタイトルがいいですよね。なんだこれ?っておもうじゃないですか。でっ、この設定が面白いんですよ。この世界では、17よりさきの数が言語として存在しないらしい。なぜなら、魔法を発動させるための限界が17までだから。

 たとえばですね、作中の呪文ってのがこの呪文自体は12マナ、この操作を命令したらプラス1マナ、合計で対価として10マナ使いますって意味でそれが算数なんですよ。

 で文章にするとこうなる。

 

「水--十二の法--一つーー今--眼前に ゆえに対価は10」

 

 魔法の発想としては目新しいし、ほかの魔法ものと比べて呪文のつくり方が理にかなっているんですよね。しかもかっこいい。

 しかも、この縛りがあるから主人公の成長や戦い方がなんでもアリってかんじにならず。ほんとに努力をしたうえで得た勝利って感じで読めるのがいいですね。

 

 俺がすごいと思うのが、この話読んでてちょっとストレスがかかるんですよ。このストレスってのがですね。主人公にむかついてイライラするとか。そういう悪い意味じゃないんですよ。この物語が最終的に爽快感のある展開に持っていくために、ラストの開放を印象付けるための序盤の抑圧の描き方が上手いんです。

 

 主人公は両親に恵まれていないフリーターで、周囲の人間を数字で当てはめて評価する。そんな彼がある日、自分がずっと欲していた大きな才能を手に入れて転生する。だけど、転生したんだけども。師匠からは9歳まで魔法の修行を禁止されている。しかも主人公もいい感じに性格が悪くてですね。ヒロインにも冷たく接している。

 

 見てて、イライラするんですよ。するんですけど、この作品の端々にある世界観ってのがしっかりつくりこまれているのがわかるからですね。これが後々の主人公の成長によって得られるカタルシスの前フリだってのがわかるんですよ。

 

 理不尽なこといくつも起きるんですけど。その理不尽なできことの中で主人公が気づくのが。才能よりもそれを伸ばすための努力が大事で。転生前に自分がもっていなかった大事な家族というのがじつは自分の周りにいるってのが主人公が気づいていき、成長していき、最終的にライバルとの戦いで開放するカタルシスってのが面白いんですよね。

 

 続きが読みたい作品です。

 

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自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨うについて

さて、今回紹介する作品は『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』です。

 

あらすじ

交通事故に巻き込まれた「俺」は、目が覚めると見知らぬ湖の前に立っていた。
体は動かず、声も出せず、訳もわからぬ状況に混乱し叫び出すと予想だにしない言葉が――!?
「あたりがでたら もういっぽん」
ど、どうやら俺は自動販売機になってしまったらしい……!
選択出来る行動は自動販売機の機能"のみ"。自力で動くこともできず、会話もまともにできない
状況で異世界のダンジョンを生き抜く事は出来るのか!?
小説投稿サイト「小説家になろう」で話題沸騰!
ダンジョンの奥深くで出会った少女と自販機を描く、新感覚迷宮ファンタジー開幕!!

 

昨日、剣が転生した作品を紹介しましたが。次は自動販売機です。石、ブラックバス、盾、剣といろんな異世界転生がありましたが、まさかの自動販売機ですよ。どうやって戦うんだよって話じゃないんですが。これがおもしろいんですよ。

 

自動販売機の主人公は、もちろん自販機の中にある商品を異世界で売るんですけどね。売るときに自分の身体にいれてもらったお金はそのまま自分のポイントになるんです。いわゆるスキルポイントって奴ですね。そのポイントを使って自分のスキルをふやしたり、商品のラインナップを変えたりできるんですよ。

 

このふやせるスキルを使ってですね。敵と戦うスキルチートものおでもあるんですけどね。それだけじゃないんですよ。

 

この自販機ですね。ドリンク以外の自販機にもなれるんですよ。

 

たとえば、カップラーメンだったり、からあげとかの食べ物だったり、温泉の自動販売機とか。

 

それで新しい自動販売機にフォルムチェンジするたびに自動販売機の豆知識が語られている。ここスゴイですよ。個人的にはヒロインの絵もいいけど。作中に登場する自販機の挿絵とかもつけてほしいと思ったくらい。作品の魅力になってんですね。

 

あとですね。

 

食べ物系自販機のネタのおかげでグルメの要素も入っている大きいですね。しかも、自販機だからわりかし探せば見つかるし、安い。僕、これを初めて読んだとき、その日のうちにスーパー銭湯のとこの自販機まで行って唐揚げ買っちゃいましたからね。

 

もちろん、ヒロインのラッミスも可愛い。元気いっぱいで、純真な感じがいいですね。主人公を慕っているとこも、自販機が相手だから見てほほえましいし。

 

豆知識をこまめに入れて、グルメ要素もはいっている、ヒロインも可愛いいとなろうでヒットさせる要素を詰め込みつつも自動販売機という新しい要素をいれているとこもいい。ぶっちゃけ一番アニメ化してほしい作品です。

 

続刊もどんどん出てほしい。ぜひ読んでください。

 

転生したら剣でしたについて

 本屋のネット小説のコーナーを覗いたら、メインとして大きくソードアートオンラインと魔法科高校の劣等生が積まれてました。この二作品は三年前からずっと人気ですね。

 

 どちらも学生が俺TUEEをする作品ですね。あと、妹がいる。主人公には隠された圧倒的な才能が……あげようと思えばキリがないんですが。一番は世界観ですかね。読者が想像を共有できるくらい念密につくられた世界。

 

 最近、流行ってるけものフレンズ。マッドマックス。ズートピア。どれも僕らが行ってみたい。生きてみたいとおもいをはせてしまいそうな非現実がある。

 

 このすばを見る限り、異世界転生は3年前から流行ってるって話はしましたが。きっと僕らはここではないどこかにずっと行きたいとおもってるんでしょうね。

 

さて、今回紹介する作品はこちら、『転生したら剣でした』。

 

あらすじ

気がつくと異世界に転生していた。普通の人間としてではなく、剣として。
さらに周りを見渡せば、魔物が闊歩する危険な草原地帯。身の危険を感じた主人公は自分の体を浮かせる能力を駆使して魔物を狩っていく。
そんな折、休憩として地面に刺さった瞬間、能力が発動しなくなり動かなくなってしまう。
途方に暮れる主人公の前に、奴隷姿の猫耳少女が突如として現れるのだが……。

 

 またしても異世界転生ものです。しかも今回は剣。無機物転生ってのもジャンルとしてあるんですよ。剣だけでなく、畑、石、温泉なんかもあるんですよ。

 

 この作品の要はなんといっても、スキル吸収ですね。主人公の剣はなんと倒した魔物のスキルを吸収して自分のものにすることができます。いわゆるスキルチートですね。スキルチートの魅力は蜘蛛ですがやああ勇者でも語ったんですが。ここでの面白さは。倒すのに苦労したあいつの力が俺のものっていう達成感ですね。強敵が現れれば現れるほど、その後、主人公がその能力をどう使うのか。どう強くなるのか、それがワクワクするんですよね。

 

 それにさ、剣の装備者として出てくる。獣人のネコミミの少女、フランが可愛いの。無表情ロリで食いしん坊。彼女の目標は進化すること。なんでも、この世界の獣人は進化するらしいんですよ。でっ、彼女は黒猫族って種族らしいんですけどね。この種族で進化した者はだれもいない。だから彼女は黒猫族ではじめて進化した者になるのが目標らしいんですよ。

 

 これキャラづけがいいんですよね。復讐とか。金持ちになるじゃなくて。進化っていう、いわゆる自身の成長が目的になってるてのが。これにより、彼女は剣である主人公をただ使うだけでなく、主人公を師匠と呼んで彼に頼りすぎずに努力する。それが健気で保護欲を駆り立てるんですよ。

 

応援したくなるキャラなんですね。

 

そんな彼女を剣としての立場で見守る。スキルチートでありながら、少女の成長譚になってるんですよね。

 

続きをこれからも読みたいです。

 

 

 

 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまったについて

 

 さて、今回紹介する作品はこちら、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった』。

 

あらすじ

頭をぶつけて前世の記憶を取り戻したら、公爵令嬢に生まれ変わっていた私。え、待って!ここって前世でプレイした乙女ゲームの世界じゃない?しかも、私、ヒロインの邪魔をする悪役令嬢カタリナなんですけど!?結末は国外追放か死亡の二択のみ!?破滅エンドを回避しようと、まずは王子様との円満婚約解消をめざすことにしたけれど……。悪役令嬢、美形だらけの逆ハーレムルートに突入する!?恋愛フラグ立てまくりの破滅回避ラブコメディ★

 

 タイトルでわかるとおり、乙女ゲームの悪役令嬢に転生する主人公、カタリナが、このままだと本来の主人公が男性キャラとくっつく時に破滅しちゃうからそれを阻止するために必死で生きようってはなしです。

 

 悪役令嬢転生ものの面白いところが、ゲームだと破滅することになるっていう結末を知ったうえで、その運命を回避しなくてはいけないって目的がはっきりしてるとこですね。

 

  さらにいいのが、主人公のカタリナのキャラですよね。彼女は破滅するのを避けるために没落しても働けるように農業を勉強したり、剣と魔法を幼い頃から修行するわけなんですけど。これでチートになるかと思いきや。農業以外てんでダメ。しかも、その農業は趣味になるんですね。

 

 でもですね、それがまわりまわって周囲のキャラとの関係につながり最終的に惚れられる。コメディたっぷりのカタリナの視点と惚れるキャラの視点を交互にやって。すごい勢いで一巻で5人のキャラがカタリナに落とされるんですね。

 

 悪役令嬢もののなかで、一番コメディ色がつよいのでオススメです。

 

 

 

 

 

 

 

ヤンデレ系乙女ゲーの世界に転生してしまったようですについて

 さて、今回紹介する作品はまたしても悪役令嬢転生もの、ヤンデレ系乙女ゲーの世界に転生してしまったようです。 

 

あらすじ

「攻略対象全員ヤンデレの乙女ゲーム世界に転生!? よりにもよって!?」婚約者の絵姿を目にした瞬間、私――リコリスはとんでもない記憶を取り戻してしまった。どうやら私は、記憶を持ったまま転生してしまったらしい。それも『ヤンデレ系乙女ゲー』の世界に! この記憶が確かなら、ゲームの中での『リコリス』もヤンデレだ。ヒロインをいじめまくり、周囲を傷つけ、最後は婚約者に刺されて……ってそんな人生お断り! 私は絶対、幸せになりたい! 決意を固めた私の前に、将来のヤンデレ?婚約者・ヴォルフが現れ……!? ネットで大人気! ヤンデレ系乙女ゲー・ラブミステリーがいよいよ登場!

 

 この話を一言で言うならば「ヤンデレは忘れた頃にやってくる」ですね。最初は、あれいうほどヤンデレ要素ないんじゃないかって思うんですよ。婚約者のヴォルフはツンの入った俺様っぽいってだけで、リコリスとはじめて会った時は完全に闇がないですからね。

 

 だから途中までは王道の悪役令嬢ものなんですよね。婚約者としてヴォルフと出会うと、周囲に心を開かなかった彼はヒロインにだけは心を開き、彼女の内面に惹かれる。しかし、ヒロインは悪役令嬢としてヴォルフが他の女の子に取られる結末を知っているから。彼のみえみえの好意に気づかない。

 

 悪役令嬢ってのが、いい感じに障害になってくれるからみててニヤニヤするんだよね。で、そんな日常が、ふつうの悪役令嬢ものが続くんじゃないかっておもうときに主人公たちに絶望的な障害、ヤンデレがやってくる。

 

 これがうまいんですよ。最終巻の理不尽だけど、しっかりと主人公のこれまでの行動を踏まえてのヤンデレはギョッとしましたよ。

 

 四巻で完結してる作品なので、短くて読みやすい。悪役令嬢もので最初に読むのにオススメですよ。

 

 

張り合わずにおとなしく人形を作ることにしましたについて

 さて、今回紹介する作品は、「張り合わずにおとなしく人形を作ることにしました」。

 

あらすじ

「私が乙女ゲームのライバルキャラ!?」  9歳のある日、前世の記憶を取り戻したアルティリア。彼女は魔法学院を舞台とした乙女ゲーム、『ルーンナイトコンチェルト』の噛ませ犬の公爵令嬢に転生していた。原作通りにいけば、待っているのは過酷な運命。 ……って、せっかくの第二の人生、悲劇のヒロインなんてお断りだ! だったら、原作から外れてしまえばいい。“自分にしかできないこと”より“みんなができること”が重視されるこの世界。ルート回避のために、世界でアルティリアだけが持つ力――布と糸でできたモノに命を与える力――人形魔法を極めてみせます!!

 

  またしても悪役令嬢もの、3冊目です。今度の転生はお人形さんをあやつる貴族の娘。悪役令嬢ものの魅力といえば、やはり大事なのは破滅の運命からどう逃れるかっです。

 

 今まで紹介した作品は、魔法学園に入学すれば、本来のヒロインと衝突するため、入学するまでにどういった準備をするかってのが話の肝になっていたんですけどね。

 

 なんと主人公はこの学園自体に行かないことを選ぶんですね。でっ、乙女ゲーでは、特に秀でていなかった人形魔法を幼い頃から鍛えることで留学することを選ぶ。

 

 この人形魔法がいいんですよね。騎士とか、サボテンとかを模した可愛いお人形さんが主人公の魔法で意志を持って動いてるんですけどね。これがいいんですよね。中二病的なカッコイイ戦闘シーンがありながらも、少女漫画系ファンタジーのようなかわいい雰囲気が作品全体にある。

 

  恋愛もあるけども、戦闘、異能バトルの要素が強い作品でもあるので、そっちが好きな人にもオススメです。 

 

 

 

アリの巣ダンジョンへようこそについて

 

 さて、今回紹介する作品はこちら、アリの巣ダンジョンへようこそです。 

 

あらすじ

目覚めると、俺は土壁に囲まれた部屋の中にいた。自分の名前も含めて過去をまったく思い出せないが、どうやらダンジョンマスターというものになってしまったらしい。自分の役割を果たそうと、さっそくダンジョンを作り始めるが、通路を掘るにもひと苦労。そこで考えたのが、アリのモンスターに掘らせることだった――無尽蔵に増えて、進化していくアリたちとともに、侵入者たちを撃退せよ! 「小説家になろう」発、大人気ダンジョン運営ファンタジー!

 

 ダンジョンをつくって、管理して、やってきた冒険者を倒す。 スマホの放置ゲーの面白さをそのままライトノベルにしたような作品です。

 

 面白いですよ。たとえば、モンスターに側に立つ話というのは、だいたいがなんだかんだ言って人間の味方、あるいは人間に近いエルフ、ドワーフなどの亜人の味方をするものなのでですが。この作品の主人公はダンジョンにやってきた人間を善悪とわず、殺している。

 

 冒険者の視点での話はつい彼らに感情移入してしまうくらい真に迫ったものがあります。

 

 だというのに、主人公視点での話は全体的に明るい。スマホの放置ゲーの面白さを描いているんですね。

 

 そう考えると、ヒロインを妖精にした点も上手い。人間たちに一番遠い人外をヒロインにしたことで、彼らを殺すことに罪悪感を感じないことに疑問が湧かない。

 

 二巻も読みたいです。

 

 

お前みたいなヒロインがいてたまるか!について

 さて、今回紹介する作品はお前みたいなヒロインがいてたまるか!です。

 

 あらすじ

 4歳のある日、ここがスタート前の乙女ゲームの世界だと知った椿。彼女は、全てのルートで自ら命を絶つライバル令嬢に転生していた。幸いゲームの始まりである母親の死が訪れる前だったため、すぐに救出作戦を開始。一方でヒロイン・美緒とイトコの恭介が恋に落ちるルートが椿にとって一番避けたい終焉ルート。美緒の性格が悪そうなのも相まって椿は生き残りをかけ、まだ見ぬイトコを守ると誓うけれど、なんと美緒も前世の記憶持ちで――!? 波乱万丈の人生を送るライバル令嬢に転生した主人公の、フラグ回避ストーリー第1弾ここに登場!

 

 またもや悪役令嬢もの、舞台は現代。しかも今回は乙女ゲームの本来のヒロインも転生者。しかもそのヒロインの性格はかなり悪い。だから悪役令嬢として全力で邪魔してやろうってきになれる。

 

 未来を知ってるからこそ、悪役令嬢として不幸になる芽を早めに潰して、一巻と二巻は乙女ゲームのキャラとの交流、日常が主となっていた。これからどうなるか期待です。

 

 

医療魔術師は、もう限界ですについて

  さて、今週紹介する作品はこちら。『医療魔術師は、もう限界です!』。

 

あらすじ(amazon引用)

 天才医療魔術師のジークは今日も大量の命を救う。美人助手のオータムに優しく厳しく支えられ、睡眠を削り、体力も限界、それでも診療所には重症患者が列をなす。「先生、500人追加です!」「もう……限界です」

 

 物語の舞台と主人公のキャラのつくりかたがうまい作品ですよ。

 主人公は幼いころから天才の医療魔術師。彼は戦乱の絶えない二つの大国の間に診療所を構えているため、診療所には患者が絶えない。ゆえに眠れる時間がない。休みたいと嘆くも、そばには死んでも働けとののしる美人の助手がいる。しかし、女子も口では厳しい態度をとりつつも、心の中では主人公を尊敬していて……ってはなしなんですけどね。

 

 まず、この不眠不休で働いている状況ってのが今でいうとこのブラックなんですよね。休みたいけど休めない、寝させてほしいけど、眠れない。今の時代、僕らのほとんどが経験していることですよね。

 

 こういうのって、最近いろんな作品でもあるんですよ。だけど、だいたいが底意地の悪い上司がいるとか。こういう仕事しかないとかさ。社会だとか、個人とかのわかりやすい悪がいるはずっていう単純な図式で描かれている。

 

 でも、この話だと主人公が働かなきゃいけないことの理由に対して、こんなことをオータムが言ってるんですよ。

 

(『医療魔術師は、もう限界です!』から引用)

――ならば、そこに死にかけている子どもがいればあなたは助けないのか。仮に自分しか助けられないとして、助けを求める手を払いのけることなど果たしてできると言うのか。助けられるのならば、助けるに決まっている。

 医とは呪いだ。力がなければあきらめることもできよう。しかし、救うことのできる力があるのなら、それをしないことは罪となる。――

 

 つまり、ブラックがなぜ起きるかと言えば。その仕事ができるひとがそのひとしかいないからってのがあるんですよ。だからこそ、そうした仕事に対して安い給料が払われているってことをなんとかすべきで。プレミアムフライデーなどで法で仕事の量を制限するってことが必ずしも解決にはつながらない。それをしたら、表面上はホワイトに見えて、一部のひとにだけ仕事が集中してしまう最近世間で言われはじめたゼブラ企業をつくることになりかねないんですね。

 

 この作品の1巻の第1章のはなしのテーマが人を救える力をもった若者が、それゆえに過大な期待と責務を求められるって話でして。いわゆるアメコミでいうところの「大いなる力をもつものには大いなる責任が求められる」って奴ですね。

 

 本来だったら、感情移入できない才能をもったスーパーマンの悲哀ってのを。今の日本のブラックに置き換えていることでとっつきやすい話にしているんですよ。

 

 ちなみに、1章で、主人公は才能がありすぎるがゆえにその才能ゆえに降りかかるたくさんの仕事を抱えざる負えない状況を描いたうえで。2章ではその状況を改善するために大きな病院を建てて、主人公の技術を引き継ぐ後継を育てていこうって流れにつながっていってますので、今後、このテーマがどうオチつけていくのかは気になりますね。

 

 で、この作品のいいところはこのテーマがあくまでこの作品の魅力の半分ってとこですね。こういったシリアスもあるんだけど、じつは後半で作風が変わったのかっていうくらいラブコメのようそがある。つまり、銀魂みたいにシリアスとラブコメとのふり幅が大きいんですよ。

 

 それがオータムとジークとの恋愛ですね。表紙の女の子がさ、最初のページとカラーページで主人公を罵倒してるもんだから。俺、あんまヒロインに期待してなかったんだけどさ。先に進めば進むほどかわいく見えてくるよね。

  この作品、最初の第1章と第6章でぜんぜん話の雰囲気が変わっちゃうんですけどね。じつは主人公のジークの視点とオータムの視点を交互に移すことで、お互いに対する気持ちの変化をちゃんと書きながら。いい感じに盛り上がってきたとこで、噂好きのサリーの視点を使うことで第3者からみた二人のもどかしい関係ってのも描いててさ。シリアスやりながらもラブコメ着地するって無茶をさ。しっかり小技効かせてやりきってんだよね。

 

 この大技を1巻でやっとくとさ。なにがいいって、あとあと2巻以降でシリアス全開で話を進めても、コメディ全開で話を進める。あるいはその両方をまぜる。それがどっちもできるんですよね。

 

 俺、これの2巻出たら買うな、たぶん。

 おすすめの一冊なんでぜひどうぞ。

 

 

ガチャにゆだねる異世界廃人生活について

  さて、今回紹介する作品はこちら、『ガチャにゆだねる異世界廃人生活』。

 

あらすじ

 ソシャゲガチャをこよなく愛する俺、来宮廻はスキルやアイテムが当たるガチャ能力を手に、異世界への転生を果たした。レアアイテムでの悠々自適ライフを期待していたんだけど、出るのは「たこ焼き1ヶ月分」や「土下座スキル」みたいなハズレばっかりで…こんなの異世界で役に立つワケないだろぉ!!しかも「町まで案内しなさい!お金は払うからお願いします!」迷子のポンコツ盗賊少女と出会ったことから、伝説の魔物退治やら、次々と面倒事に巻き込まれて!?―でも信じてる。全力でガチャりまくれば、いつかはSSRで理想の生活が出来るってな。ガチャ運任せの異世界物語、回転開始!

 

 ガチャを回すことでスキルやアイテムを手に入れる。しかし、どれも一見つかえないものばかり。そんなアイテムとスキルを使いこなしてあらゆる障害を突破する。スキルチートの王道を踏んでますね。そのうえで、このはなしにはどう読んでも無視できない作品があるんですよね。

 

 基本的なプロットがさ、こう。

 

(『ガチャにゆだねる異世界廃人生活』の基本ストーリー)

 異世界に転生した主人公。そのとき出会った盗賊とビナギ村に行く。しかし、盗賊には迷子癖があり、さまざまなトラブルを主人公に持ち込む。その過程でサディスティックな変態シスター、近距離魔法しか打てない魔術師が仲間となり、ビナギの村で一緒に住むようになる。

 

 見てわかるようにこれ、「この素晴らしい世界に祝福を」をけっこう意識して書いてるんですよ。

 

(『この素晴らしい世界に祝福を』の基本ストーリー)

 異世界に転生した主人公。一緒に転生した女神と始まりの街、アクセルに行く。しかし、女神はポンコツで、さまざまなトラブルを主人公に持ち込む。その過程でドエムなクルセイダ―、爆裂魔法しか打てない魔術師が仲間となり、アクセルで一緒に住むようになる。

 

 一回設定を文字で起こしてから、ちょっとずつ書き換えたんじゃないかってくらい似てますよね。しかもちゃんとべつの作品としての面白さを確立している。

 

 たとえるならさ。フェアリーテイルって、序盤はワンピースにメッチャ似ているけどさ。話進んでくごとに、フェアリーテイルもフェアリーテイル独自の面白さを確立してったじゃないですか。あれと同じでさ。パクリじゃなくて、勉強しているなっておもうんですよ。 

 

 この作品さ、3人の女の子が主人公と同棲することになるんだけどさ。今のところ、このすばと比べると恋愛要素は薄いんですよ。盗賊の子は若干主人公を意識している描写はあるんだけどさ。今のところはハーレムというよりもさ。恋愛のちょい前段階の友達のようなぬるま湯の関係を持続している感じなんですよね。ここいいよな。正直言ってさ、『僕は友達が少ない』とかさ、ハーレムゆえにどの女の子を選ぶとかあーだこーだとかさ。そういう展開さ、見飽きたとか以前にもう疲れたって思っちゃうんだよな。その点、こっちはちょうどいい。このすばも恋愛要素がうすいっちゃ、うすいんだけど、まだまだ熱いんだよな。もちろん、これからどうなるかわからないからさ。あくまで一巻ではここがよかったってはなしだよ。

 

 あとはさ、じつはこの主人公のマワルさ。このすばのカズマよりも安定した生活を過ごしてるのもいいよね。後半も冒険もしてるっちゃしてるんだけどさ。マワルの目的が魔王を倒すとかでなく、自分の能力であるガチャを引きまくることで。そのために得ポイントをためなければいけないって話だからさ。いい感じに女の子と適度な関係を保ちつつ、街の清掃したり、たこ焼き売ったりして、時々冒険するって感じがさ、いかにも異世界で普通にくらしてます感があるんですよね。

 

 読んでて、俺の好きな話でした。オススメです。

 

 

豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたいについて

  さて、今回紹介する作品はこちら、『豚侯爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい』。

 

あらすじ

大人気アニメ『シューヤ・マリオネット』には、嫌われ者が存在する。魔法学園に通うデニング公爵家三男こと豚公爵だ。そんな悪役に転生してしまった俺は、このままじゃバッドエンド直行!?…だけど熟知したアニメ知識と、『全属性の魔法使い』なんていう無双能力を駆使すれば、学園の人気者になって、運命も変わるハズ!そして、アニメの中では成し遂げられなかった豚公爵のささやかな願い―「おはようございます、スロウ様!」滅ぼされし大国のお姫様。今は俺の従者である愛しのシャーロットへ。君に相応しい男になって、告白してやるんだ。

 

 作品世界内に存在する架空のアニメの世界に転生する主人公。しかも転生した男はアニメの中では一番の嫌われ者。転生したアニメの世界の知識と未来を知っている主人公はそれを利用して嫌われ者から英雄へと変わっていく。その第一歩がこの前発売された1巻の内容です。

 

 パッと見、悪役令嬢転生ものの亜種なんですけど。悪役令嬢転生物のみそでもある「読者と主人公が知っているバットエンドを回避する」っていうカタルシスをいれながらさ。魔法科高校の劣等生みたいなさ。一般人からはダメな奴と思われたり、嘲笑されるんだけど。なぜかすごいやつにだけは主人公の価値がわかって。しかもいいタイミングで事件が起こって、それを主人公が解決してスゲェって言われるさ。「舐めてたアイツはスゴイヤツ」っていう王道が入ってますよね。

 

 作中でモブがさ、アイツはただの劣等生だろって言ってるのを見るとさ、主人公のことをよく知っている俺らはさ。うわ、コイツ舐めてるなってさ。何も知らないモブに対して優越感を感じるしさ。

 

 しかも、そのモブの前で主人公が大活躍してさ。なんだとって驚くモブを見て、ちょっとザマア!って思っちゃうんだよね。

 

 この作品もいい感じにこの爽快感と優越感をうまく作品にいれているんですよね。

 

  あと、もちろんヒロインも可愛いんですよね。シャーロットとかさ。1巻では影が薄いんだけどさ。主人公につくすドジでかわいい女の子って感じで可愛いよね。こういう悪役令嬢転生物の亜種が今まで書かれなかったのはさ。いわゆるさ、全ヒロインが別の男のおてつきの状態でスタートするからさ。今まで書かれなかったんだと思うんだけどさ。あんま気になんないしさ。

 

 これからもっと面白くなるぜって期待感を高めるための1巻って感じでもあるからさ。今から二巻が楽しみです。

 

 

おめでとう、俺は美少女に進化したについて


さて、今回紹介する作品はこちら、『おめでとう、俺は美少女に進化した』

あらすじ
白いフリルのノースリーブにふわっとした膝丈のスカート、黒髪ロングの、ちょっと自分に自信がない人見知りな清楚系美少女コスプレイヤー・朝倉すばる。…“俺”である。そう、冴えない大学生の俺・鈴村将晴の友達にも家族にも絶対言えない秘密、それは女装コスプレ。あまりの完成度の高さに親友(男)の婚約者のフリをさせられ義理の弟と妹に惚れられイケメンに迫られ…ってこれハーレム?逆ハー?―俺の心の平穏は、いつ訪れる!?

 カクヨム書籍化作品も10作目です。今回は紹介するのは女装男子物です

 女装していることを秘密にしなければいけない主人公に、義理兄弟に惚れられてしまうことと幼馴染の小林稲葉の恋人のふりをするという二つの問題が起きる。それらを何とかしようとすると、別の問題も付随して、どんどんややこしいことになってどうすんだって話です。

 女装していることを隠さなければいけないっていう大きな問題があって。それゆえに誤解が広まり、雪だるま式に問題が大きくなるのが面白いですね。
 主人公の一人称のまま、複合的な事件が広がっていくとこもいいです。
 この作品、いろんなところで誤解が広がっていっていくんですけど、その場合、べつのキャラの視点が入ってもおかしくはないんですよね。でもそれはしない。この作品は主人公の視点のまま固定しながら、事態の深刻化をキャラの会話で主人公と僕らにわかるようにしている。

 あと、登場するキャラの濃さですね。ハーレム体質で修羅場に遭遇しやすい幼馴染。その幼馴染が好きなヤンデレ婚約者。幼馴染の姉が好きすぎて、それゆえに極端な行動に走る女の子。いっかい読むと、忘れられない濃いキャラの存在があります。
 そのキャラたちを全員腐らせずにうまく人間関係を整理していっているのはスゴイですよ。

 それと、美少女コスプレの好きな男の子を主人公にするだけあって、主人公がプレアデスとして活躍するまでの過程がかなり細かくしっかり書かれているんですよね。風が吹いたら桶屋が儲かるみたいにさ。複数の事件に対してさ。主人公がこういうことしたら、こうなってこうなったみたいなことをしっかり考えてある。だからこそ、いろんな事件が複合して起きてさ泥沼化しているわけなんだけど。最終的にはきれいにおさまるんだろうなっていう安心感があるんですよね。

 コメディを読んでいるはずなのに。作者、頭いいなって読んでて思います。
 
 後半出てきた一真さんが主人公とどうなっていくかも気になりますし。主人公のことを気に入った美咲さんの活躍も気になりますね。
 ぜひ、続きを書籍で読みたいです。 

勇者のパーティで、僕だけ二軍について

 さて、今回紹介する作品はこちら、『勇者のパーティで、僕だけ二軍!?』 

 

 あらすじ

 魔王討伐における人類の希望―勇者。そんな勇者が率いる最強パーティに、炊事・洗濯さらには買い出しを極めた選ばれし雑用がいた。彼の名はロキ。パーティで唯一の二軍である!「僕は雑用をするためにパーティに入ったわけじゃない!」女遊びに二日酔いとクズすぎる勇者のもと、くじけそうになりながらも一軍を夢見て剣の特訓を続けるロキ。そんなある日、自称・天才美少女魔法使いのルミナの二軍落ちをきっかけに、一軍の座をめぐる闇討ち上等なパーティ内戦争が勃発し―!?この物語は、ぼっちな二軍の少年がメンバーたちの信用を勝ち取り、クズ勇者への下克上を目指す冒険譚である! 

 

 底辺の主人公が努力して這い上がる。最悪の状態から強くなっていく話。こういうのって読んでてイライラするもんなんですけど。この作品はそれが少ないんですよね。勇者自体はクズである、ヒドイヤツだって感じなんですけど。その勇者の周りのヒロインはけっこう優しい子、かわいい子なんですよね。だから虐げられているというよりも庇護されているようにみえますから、あまりストレスを感じずに読めますよね。

 

 それとストーリ―の仕組みとして面白いのは。一見、わがままな勇者に振り回されている主人公なんだけどさ。じつはそのわがままによって、主人公が成長する機会が与えられている。このへん見ているとさ。これ、女王の教室なんじゃねぇかなって思うんですよね。

 

 女王の教室、もう10年くらい前のドラマですね。天海祐希演じる女王のような女教師、阿久津真矢と志田未来が演じる神田和美との学校内での闘争を描いた作品です。金八先生、GTO、ごくせんと、いろんな教師が出てきたわけなんだけどさ。秋葉でトラック突っ込んだとか。2000年にバトルロワイアルが映画化されたりさ。大人が子供がわからない。どういう教育すればいいんだって時に。厳しい時代になるからこそ、厳しい態度で接するんだっていう逆切れみたいな発想のドラマなんですけどね。ストーリーの作り方はうまいんですよね。

 

 阿久津真矢の恐ろしさ描きながらも、主人公たちのひたむきな努力、友情。心が上向きになるシーンを1話1話ちゃんといれながら、ラストあたりで心を折って、続きが見たいと思わせる。さすがは志田未来の出世作ですよ。この後で女王の教室のイメージをひきずった学校内の問題をわかったようなツラで描いたような作品が増えるんですけどね。かなり面白いドラマだった。

 

 これもストーリーラインは女王の教室と同じだと思うんですよね。かなりファンタジーとコメディ寄りではあるんですけど。

 

 この作品の主人公を二軍にしている勇者はさ、女遊びをしたり、パーティーのメンツを変えたり、主人公をボコボコにしたりとさ。読者からかなりヘイトをため込ませるようにイベントを重ねている。だけどさ、この勇者の行為で街にとどまったり、魔法使いが二軍になったりしたことがさ。まわりまわって主人公の成長につながってるんだよな。つまり、じつは勇者と主人公が作品全体でライバル関係でありながら、じつは師弟関係になるように書いてんじゃないかとも思うんだよな。

 

 この辺はさ、カクヨムに投稿されているほうだとちょっと違うんだけどさ。この作品がさ。カクヨムで出版された中で一番大幅に変更点が多い作品であることを留意するとさ。そうなりそうな話になっている気がするんですよね。

 

 2巻が出たら絶対買います。5月予定らしいんで、作者さんにはぜひとも続きを書いてほしいです。