テレビには、今期も新たなアニメが生れている。
だれがアニメをみはるのか。だれがアニメをウォッチするのか。
にわかアニオタ、神島竜が今立ちあがる。
惰性の習慣アニメブログ。つまりこういうことがいいたかった。
さて、週間ではありませんが習慣でみるアニメをおもいつきでおもいっきり評価するこのブログ。今回紹介するアニメはこのアニメ、『がっこうぐらし』
一週間でネットを震撼させた恐怖の日常アニメ『がっこうぐらし』。学校でサバイバル生活を送る部活「学園生活部」に所属するゆき、くるみ、りーさん、みーくんの4人のかわいくてたのしいがっこうぐらしをゆるりとお送りする日常アニメ……だと思っていた時期が僕にもありました。
アニメ1話 ↓ネタバレ注意
しかぁし! その正体はゾンビがはびこる世界で学園に立てこもらざるおえない、がっこうぐらしせざるおえない日常を描いた恐怖のアニメなのだ。
ちくしょう! だまされた! と思った方が何億人いたことでしょう!
原作読んだ人とか、ニトロプラスを知ってる人とか、ゾンビ映画に耐性がある人は置いといて、やっぱだまされませんかこれ!
俺はだまされたよ! なんちゅうもんみせんだと頭を抱えましたよ!
「なんだかがっこうがたのしい!」とか典型的な楽観主義者の主人公が日常の学園生活を語りながら、「なかでもわたしがすきなのは……」と言って学園生活部の看板を見せる。そこで可愛さ満点のOPがドーン! と来てからのわいわいがやがやの食事シーン。さらに逃げ出した犬を追いかけがっこうをバタバタ。やっと犬をみつけてもうにげちゃダメだよ、とオチがついたと思ったら。最後の最後で忘れ物したとかで主人公が教室に戻ってさ。犬耳が似合いそうなかわいい後輩系女子が心配だと主人公のとこにいったらさ。視点が後輩の視点に変わって、映し出された映像が荒廃した教室で、一人でトークする主人公。そして、外に映し出されたのがゾンビ。
絶望的な状況のなかで、「あっ、窓があいてる(`・ω・´)」
近づいて窓を閉める主人公、ゾンビを見降ろして「これでよし( ^ω^) 」
怖ぇぇよ!
窓がボロボロで意味ないじゃん、とか。近づいたらさすがに見えるだろ、とか。
いろいろつっこみどころがあるけれど、とにかく怖ぇぇよ!
そんなこんなで、日常アニメを期待した俺らのハートをぶち壊してくれたアニメなわけなのですが、ひとによってはだからなに? と思う方もいるでしょう。
そんなやりかた一発ネタじゃないの? 1話以降が面白くなるのって?
あえてみなさんに宣言したい。
YESだと! 確実にこのアニメは今期最高のアニメになることを保障しましょう!
自由奔放で前向きなゆきと、マジメな後輩系女子みーくんの二人を出して、これは日常ものだよ、と押し出した時点でこの作品は勝っているのです。
この組み合わせは、けいおんの唯とあずにゃんの組み合わせと同じです。
がっこうぐらしは、この二人を主人公にしたダブルヒロインの話になるでしょう。
こっから先は原作の話もちょっと含むので注意してください。
原作のネタばれ注意↓
みーくん、直樹美紀は2年生の女の子。じつは学校の外で一人、ゾンビから逃げながら生きていたところを主人公たちに保護される、後からはいってくるキャラクターです。このすでにできているコミュニティに後からはいってきたというのが大事なんです。
入部したばかりの後輩である彼女は、主人公の学園生活部を奇異に感じる読者の視点に近い存在です。
これはあずにゃんにも言えることで、あずにゃんも外から新しくコミュニティにはいる後輩です。だから彼女は放課後にティータイムを楽しむ先輩にマジメにやってくださいと言います。
僕たちは学校や会社などの空間のなかにある一定の人数でできたコミュニティを形成します。そのコミュニティは時間がたてば、かならず他のコミュニティと違う部分ができ、ガラバコス化します。
あずにゃんとみーくんのような後輩キャラの役割は、そのコミュニティのガラバコス化した部分に対してのツッコミです。外の世界とコミュニティにできているルールの歪みを正そうと動くことでコミュニティに波乱と変化が生れるのです。
みーくんは学園生活部の歪みを指摘します。ゆきはこのまま現実逃避していてはいけないんじゃないか、周囲の仲間がそれに合わせているのはダメなのではないか、その状況が共依存になっているんじゃないか、と部内の仲間に問うのです。
みーくんの考えに僕らは共感します。
アニメだとかなりマイルドになっていますけど、漫画だと彼女の行動に狂気を感じますし、場合によってはイラだつ時があります。
遠足の時に、もうだれもいないはずの友人の家で、せっかくだからおかあさんに顔を見せに行ってきなよ、とか仲間に言ったときには何言ってんだコイツとか思いましたよ。読者っが心の中でうすうす思ってるけど、すでにそれが当たり前になっているコミュニティで唯一読者のもやもやを明らかにできるのが後輩キャラなんです。
でもですね、そう思うんですけど。だんだん、みーくんが先輩の考えを理解して感化されるにつれて、僕たちもそんなことないかなと思うようになっちゃうんですよ!
1話で視聴者に衝撃を与えた主人公、ゆき。彼女はゾンビから逃げ、学校で生活している今の状況を部活動だと思い込むことで、精神の均衡を保っている女の子です。
彼女は精神異常でゾンビが見えない楽しい学園生活が続いているとおもいこんでいる女の子なんですが、原作ではゆきに彼女はふりをしているのではないか、とうたがわれています。
しかし、話が進むにつれて、彼女はみんなのためにそうしてるんだとおもうようになるんですよ。ゾンビから隠れなきゃいけない現実に対して、それを忘れて楽しく遊ぼうとみんなに呼びかけることで悲惨な状況の中でも楽しい日常を守ろうとしている姿をいじらしく思ってしまうんですよ。
これはですね、ただ怖いだけじゃない。人としての強さみたいなものをかんじさせてくれます。
つらい日々の中で、ほんのひとときの楽しい日常を大事にする。
僕たちは、彼女とおなじようなことを大なり小なりやっています。
学校でつらいことがあった日に放課後で友達と遊んだり、
会社で残業した後で、朝にビールを一杯飲んだり、
人生ってのは、どんな大変なことがあっても、たのしいあそびというのをそのなかでみつけて生きていかなきゃいけないものです。
それががっこうぐらしのテーマです。
だから、彼女たちに頑張れと言いたくなりますよ。泣けますよ。面白いですよ。
と、俺らと彼女は同じなんだよ、という結論にたどり着いたわけなのですが、こんなことを考えるかたもいるかもしれません。
感情移入したいんだったら、男の子でよくない? って。
けいおんだって、男の子が演奏する部活でいいし。がっこうぐらしもゾンビに怯える男の子の話でもなりたったんじゃないかって。
そんなことないからね! それやったら台無しだからね!
感情移入すると言ったってですよ。いい感じの距離感ってのがあるんですよ!
ラブライブの時に言ったように、けいおんは、同性の友達とだらだらとこんな日常を送ったと共感できるアニメです。それが漫画研究部などのオタクっぽい部活でないのは俺らに近づけすぎると、逆にげんなりするからです。お菓子を食べながら時々ギターを鳴らすプロを目指しているわけではないけど楽しいからやるゆるい部活を舞台にしているから、かわいいな、と思いながら共感できるんです。
それがですよ、ムサい男同士のけいおん部の話になってみてください。
彼女もいずに音楽やってるって話が急に酷な話に感じるし、かといって、彼女いたりモテてたりしたら絶対共感できませんよ。
さらにですよ、がっこうぐらしの登場人物が全員男で。
その男どもがゾンビを見て、「もうやだよぉぉ……いやだよぉぉぉ」とか言ったところを想像してみてください。ゲンナリしますよ。見るんじゃなかったと思いますよ。
そういうげんなり感を味わいたかったら、『アイアムヒーロー』を読めばいいんです。
あれはかわいい女の子だから「可愛そう」とか言って面白いと思えるんですよ。
以上、言いたいこと言いまくりましたけど、『がっこうぐらし』、漫画もアニメもオススメなのでぜひウォッチしてください!