そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『聖女さま? いいえ、通りすがりの魔物使いです!』3巻について

今回紹介する作品は、『聖女さま? いいえ、通りすがりの魔物使いです!』の3巻です。

 

聖女さま? いいえ、通りすがりの魔物使いです! 3 ~絶対無敵の聖女はモフモフと旅をする~ (カドカワBOOKS)

 剣術も魔法もなんでもできる才色兼備な主人公がなった職業は魔物使いだった。前世でモフモフした動物と触れ合いたいという無念を果たせずに亡くなった彼女は、今世では魔物使いとしてモフモフと囲まれることを目指す。

 

 待望の第3巻。

 序盤で驚きました。この世界の女神と神を名乗る者たちの会議によって明らかになったこの世界の真実。

 1巻、2巻の平穏系チートで描かれた敵との対立。強力な魔物を仲間にしていく過程が、神々に対する明確な対立行動になっていた。

 初っ端から、これはどうなるんだろう、と気持ちが盛り上がりました。

 

 今まで、魔王、フェンリルを仲間にし、モフモフにした主人公。3巻で仲間になるのは吸血鬼。かわいい女の子です。ここにきて、絵がかしましくなりましたね。ふだん、モフモフ以外の姿を許さないヒロインでしたが、3巻は度々人間の姿になる場面が多かったです。

 

 吸血鬼はこの世界を牛耳る神聖教会で独立して動く騎士団に命を狙われていた。主人公は仲間となった吸血鬼を守るために騎士団から逃げていく。

 

 彼らから見つからない場所を探した結果、たどり着いたのは自分の故郷。一巻で出てきた弟含め、父親と母親も本作で初登場。

 予想はしていたが、娘が最強なら親も弟も最強だった。

 吸血鬼を狙って襲いくる騎士団を蹴散らす主人公たちにはカタルシスを感じた。

 

 本作では登場してすぐマスコット化した都合、あまり掘り下げが薄かった魔王、フェンリルの人間体でのキャラクター性がわかる場面が多かったのがよかった。

 

 ラストの4巻に向けた引きも続きを気にならせる。新たな敵はどんな人物なんだろうか。次の巻ではどんな魔物がモフモフになるのか。興味がつきない。

 

 巻末の短編も面白かった。

 ギルドの職員さんのキャラが立っていて面白い。主人公のコミカルな言動がよかった。

 主人公が冒険者として活動するはなしのため、主人公自体の魅力が伝わる話だった。

 

 続巻も今から楽しみだ。