そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『破滅フラグしかない悪役令嬢をドM奴隷に堕として幸せにします』について

今回紹介する作品は『破滅フラグしかない悪役令嬢をドM奴隷に堕として幸せにします』です。

破滅フラグしかない悪役令嬢をドМ奴隷に堕として幸せにします (美少女文庫)

どんなはなしか

 主人公のライトは転生者。ガルゲイム王国の女王、メリアの従者である。
 彼は悪役令嬢であるメリアの破滅を防ぐために時間を繰り返している。しかし、何度やってもメリアはメインヒロインであるリーネによって処刑されてしまう。
 メリアの破滅を防ぐには、彼女によるリーネへの嫌がらせ及び周囲への傲慢な態度を改めさせないといけない。
 繰り返すループに心が折れそうになった瞬間、ライトはチートスキルを手に入れる。
 それは精液をかけた相手を、自分の好きなように改変する力であった。
 これにより、メリアのいじめの一環で行われた足コキによる射精により、メリアをザーメンフェチにした主人公は、それを利用して彼女に中出しをする。
 こうして、メリアと性行為をする仲になったことで、処刑される未来は回避された、かと思われた。しかし、数年後にライトの目の前に映ったのは女王になったリーネなよるメリアの処刑であった。
 一体、何が足りなかったのか。ただ、メリアと恋仲になるだけでは足りないと考えたライトはメリアに更なる調教を行う。

どう面白いか

 お嬢様の調教者としてもエロく。タイムリープものとしても面白かったです。
 序盤で、主人公につらくあたるメリアがチートによって簡単に中出しされ、すぐにラブラブの関係になったのには驚きました。
 彼女の調教が物語全体の目的であることはわかっていたので、まだページがあるのに、こんな序盤でM奴隷になるのか、と疑問に思ったんです。
 そこからの二度目の処刑シーンに驚きました。まだ序盤の調教が足りないレベルでメリアとのSMシーンはさらに激しいのがあるんだって流れはワクワクしました。
 また、物語の賑やかし要因かと思っていたリーネが途中からタイムリープを何度繰り返しても主人公に立ちはだかる障害であると同時に2人目のヒロインとしての格が上がっている点も面白かったです。
 予想できないし、エロとしても内容が充実した作品でした。

キャラクターの魅力

 悪役令嬢であるメリアはとても魅力的に描かれている。きれいな美貌の暴虐無人な女。この辺を周囲の反応でなく、彼女自身のアクションと主人公の独白だけで説得力があるものになっています。
 その上で、処刑シーンの悲惨さが物語の先をわからなくさせ、面白さがありました。
 二人目のヒロインであるリーネも魅力的なキャラです。タイムリープの処刑シーンで何度も出てくることで、物語のキーマンとしての立ち位置が強調される。
 その上で、前半はメリアとの性行為が強調されているにも関わらず。主人公とメリアとのイチャイチャを遠くから盗み見る立場としての心理描写。主人公とのことを想う挿絵により、魅力を高めていっています。
 ラストの強キャラ感もよい。

どうエロイか

 タイムリープものとしての面白さと、調教ものとしてのエロさが両立しています。
 ザーメンによる改変能力により、メリアが自分の価値観が変わったことに気づかずに主人公のザーメンを飲むことを当たり前になっていき、最後には自分から中出しを許容する流れは洗脳ものとしてのエロさがありました。
 また、メリアとの性行為を繰り返すことでリーネとのフラグが立つ流れもとてもよかったです。
 エロさと、このままだとどうなるのか、というハラハラ感が両立した作品でした。