そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『悪徳貴族の三男なのにエルフハーレムの王ってそれはないでしょう』について

今回紹介する作品は、『悪徳貴族の三男なのにエルフハーレムの王ってそれはないでしょう』です

悪徳貴族の三男なのにエルフハーレムの王って、それはないでしょう! (美少女文庫)

どういう話か

 主人公のフランツは領主を務める悪徳貴族の家の三男であった。
 彼の父と上の兄弟は自分たちが貧しくした領地の経営をなんとかするために、エルフの村を焼くことにする。
 村を焼いて、エルフたちを奴隷として捕え、彼女たちが持つ技術や富を独占しようと考えたのだ。
 その策はエルフの能力を過小評価した希望的観測に基づく、浅慮な思いつきでしかなかった。
 自分たちの領地を救う策としては愚策であることを上の兄弟二人と父に進言するフランツ。
 しかし、彼の意見を無視し、小心者と笑う家族たちは、フランツをエルフの森を焼く兵の一人に任命し、前線に立たせる。
 拒否もできず、己の運命を悟った彼は、この戦いで死んでしまうのだ、と諦観したまま戦地に立つ。
 案の定、エルフは彼らとの戦争に一瞬で勝ち。フランツたちを捕えてしまう。
 このまま見せしめに処刑されるのだと考えていたフランツであったが、族長であるリーファは捕虜として、彼を自身の館に住ませる。フランツに魔法の才があることを見抜いた彼女は、彼を自分の村の王として育てようと考えていた。
 そんなことも知らずに、自分はこれからどうなるのだろうと、暗澹とした気持ちでいたフランツ。
 そこで暮らしていくうちに、エルフの族長であるリーファと性行為するだけでなく、メイドのイスタ、魔術師のエトナとも身体を重ねていく。

どこが面白いか

 シチュエーションはオネショタもの。逆光源氏でもあります。
 主人公は3人のエルフと性行為をすると同時に、教育を受ける。これにより、性行為を重ねるにつれ、ヒロインと関係を深め、剣術や魔術の才能を開花させる。
 最終的に主人公はエルフハーレムの王となります。そこまでの成長過程と意思決定の流れがしっかり描かれています。そのため、底辺から上まで成り上がっていく物語を読んだかのようなカタルシスがあります。
 主人公の障害として出てくるキャラも序盤はハラハラとさせられますが、主人公が強くなるにつれコミカルな小物として描かれていくのも面白い。

キャラクターの魅力

 まず、主人公のフランツは魅力的な主人公です。物語は彼の亡き母に向けた独白からはじまる。
「神様、お母様、僕に勇気を……そして奇跡を…」
 この台詞の後に描かれる兄弟と父との間の確執とどうなるかは想像に難くない悲惨な運命。家族とのセリフのやりとりは舞台のシンデレラのよう。主人公の賢さと優しさを強調しつつ、現在の状況やこれから起きることを読者にわかりやすくしています。
 そして、主人公はエルフに捕まり、物語は思わぬ方向に進む。族長のリーファにエルフハーレムの王として育てられるという"奇跡"を受けた主人公は、彼女たちとの交流を通じて成長する。最終的には障害に立ち向かう"勇気"を得るのだ。
 ヒロインたちも魅力的です。本作はとある事情から女性だけの村になっているリーファ族と
何も知らない主人公のふたつの視点で描かれている。
 ヒロインどうしの会話がコミカルで面白い。主人公に対する好意が会話から出てきますから、エロシーンが楽しみになります。
 

どうエロいか

 筆下ろしおねショタシチュがとてもいいです。ヒロインたちは年下で未経験の主人公をリードするために本で得た知識で性行為をほどこす。
 本当は処女なのに、そのことは主人公に隠す。主人公が知らずに処女を奪っているシチュがとても良いです。
 主人公は3人のヒロインから個別で教育を受けるのですが、その過程で流れでセックスするのもよかった。流されてってのが、背徳感があってよかった。
 コスチュームプレイも豊富で、よかったです。

 オススメの作品です。ぜひ読んでみてください。