そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『スコップ無双3』について

 さて、今回紹介する作品はこちら、『スコップ無双』の3巻です。


スコップ無双3 「スコップ波動砲!」( `・ω・´)♂〓〓〓〓★(゜Д ゜ ;;;).:∴ドゴォォ (MF文庫J)
著者:つちせ八十八
イラストレーター:憂姫はぐれ
レーベル:MF文庫J
発売日: 2019/9/25
出版社: KADOKAWA
ASIN: B07XJR867Y

あらすじ
海の国で法律の穴と被告の墓穴を堀ることで裁判に勝訴したアラン達は、オーブを求めて大海原へ。人魚との種族の壁をスコップで掘って友好関係を築き、鉱夫潜水術(スコーケル)で水中呼吸も瞬時に解決。あまりのスコップ無双に己の無力さを痛感した女騎士カチュアは、それでも世界をスコップから守るため剣を振るう。するとビームが出た。どしゅおーんずがあーん。どう見てもスコップ波動砲「違う、聖波動撃(ジャスティストリーム)だ! スコップじゃない!」波動を得た女騎士は人類を救うために、今日もスコップと戦うのだった――超英雄ファンタジー、戦慄の第三弾!【電子特典!書き下ろし短編付き】

スコップ無双とは、異世界を舞台に坑夫のアランがスコップで無双する話です。
 主人公のアランは坑夫。鉱山にこもって宝石を掘り続けているうちに何百年も生きながらえ、スコップで波動砲が撃てるようになりました。
 数百年ぶりに鉱山から出ると、山賊に追われた一人の女性を助ける。彼女の名前はリティシア。一国の姫である。しかし、彼女の国の王は魔族になり変わられ、それに気づいた姫は、偽物として追われる身になってしまっていた。
 誰からも信じられないなか、そんな自分のことを信じてくれるアラン。国の危機を救うのに協力してくれるアランに恋心を抱くようになる。
 そして、彼のスコップを使ったチートを目の当たりにしていくうちに、自身もスコップを信仰するように。

 1巻、2巻と物語が進んでいくうちに本文がスコップで埋め尽くされていく様は言語化しづらい面白さがあります。

 その異様さを指摘するためにカチュアとアリスという常識人が出るのですが。彼らの出番は一巻の中盤と終盤。

 キャラの会話がスコップで埋め尽くされていく異様な爽快感とそこにツッコンでいくことでギャグとして面白い。

 しかし、2巻になるとそんなカチュアやアリスも徐々にスコップに汚染されていく。

 今回はそんなシリーズの3巻。もう誰がどう見てもスコップなカチュア。自分でも何言ってるかわからないけど、読めばわかります。
 そんな彼女は騎士としての自分とスコップとしての自分の狭間で悩む。
 また、完全に人外の域に達しているリティシアもこのままスコップになる未来がはたして正しいのかという疑問をアリスに打ち明ける。

 そして、どこまでがスコップでどこまでが人か。だれも彼もがスコップでいるべきか。そんななか、物語のラストではスコップを能力として認知しているキャラも現れる。

 果たして物語はどう動くのか次の巻が楽しみです。