そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『エルフ嫁とNEWライフ!(美少女文庫) 』について

 今回紹介する作品は、『エルフ嫁とNEWライフ』です。

エルフ嫁とNewライフ! (美少女文庫)

どんな作品か

 幼いエルフのミーシャはひょんなことから、主人公のいる現実世界に迷い込んでしまう。
 それを見つけた主人公は当面の間、彼女の世話をする。なんとか異世界へとミーシャは帰っていく。
 何年か経ったのち、上司のブラック企業に疲弊しながらも家に帰る主人公。
 そんななか、家にミーシャがやってくる。成長した彼女は恩返しとして主人公のお嫁さんになりたい、と言う。
 その後、同棲生活、身体を重ね、ミーシャも配信者としての仕事を見つけ、主人公のいる世界に馴染んでいく。

どこが面白いか

 エルフとの出会いの場面が幼い頃。そこから、何年か経ってから恩返しとして現実世界に戻ってくるエルフ。
 玄関を開けたら、運命の再会+求婚がスピーディー。異世界人との同棲生活が丁寧に描かれている。
 社会人の主人公の生活を描きつつ、配信者としての活動の準備をはじめるミーシャ。
 ミーシャの支えによって、主人公の生活が向上していく流れも面白かったです。

キャラクターの魅力

 ミーシャがとてもかわいい。魔法によって、主人公のいる世界について知識として知っているミーシャ。
 しかし、知識だけでは難しい問題もある。そのため、主人公に支えられて、現実世界に適応していく。
 エルフとの同棲生活のイチャイチャを描きながら、異世界人が現実世界で生活基盤を作っていくにはどうすればいいのか、というサブストーリーも面白かった。
 主人公と一緒に暮らしたい。そのためなら、主人公のいる世界に馴染みたいと努力するミーシャはとても魅力的だ。

どうエロいか

 突然同棲して彼女とイチャイチャというストーリーの枠組みとしての日常の延長としてのエロへの移行がとてもいい。
 やるぞって感じじゃなく、やって当たり前みたいな流れがとてもいいですね。
 エルフがどうやって生活基盤をつくるのか、というサブストーリーがありながらも夫婦という関係性が作られていたので、とってつけたような感じがなく、ストーリーとエロがバランスよく整列している。

 おすすめの作品です。ぜひ読んでみてください。

『優等生綾香のウラオモテ 文化祭で、バイト先で、いっぱいエッチ!』について

 今回紹介する作品は、『優等生綾香のウラオモテ 文化祭で、バイト先で、いっぱいエッチ!』です。

優等生綾香のウラオモテ 文化祭で、バイト先で、いっぱいエッチ! (美少女文庫)

どんなはなしか

  学校で、友人、クラスメイト、教師から真面目な優等生として評価される綾香。
 彼女にはアヤカという裏の顔があった。メガネを外し、髪型を変えた彼女は性に奔放な女性として、周囲の男性たちと身体を重ねていく。
 同人のノベライズ版。シリーズ3作目の本作では、バスケ部のマネージャー、海の家、ナース、巫女、文化祭でメイドなど、様々なシュチエーションで男性たちと身体を重ねる。

どこが面白いか

 いわゆるビッチもの。シリーズ3作目を迎える本作では、1作めではわずかながらもあった理性のブレーキはなく、綾香としての日常と、アヤカとしての非日常のエロエロを縦横無尽に往復している。
 なぜバレないんだ、というツッコミは野暮なのだろう。雰囲気が違いながらも、その容姿からはどことなく綾香を思い起こさせる彼女との逢瀬に、日常場面で密かに惹かれていた女性と似た女性と性行為をしてしまうという罪悪感のあるシチューエーションは読んでて面白い。
 日常場面でプラトニックな触れ合いを描いた上で、悶々とさせたところでアヤカとして現れて、抱えていた情動を発散させる流れは、スーパーマンなどの変身ものに近い枠組みを感じる。
 巻数を重ねるごとに大胆になっていく彼女の行動に、なんでバレねぇんだよ、とセルフツッコミを入れながら読んでいくのは面白い。

キャラクターの魅力

 ビッチなヒロインによる一人称で描かれた作品。3作品も続いている。それは彼女自身が魅力的なキャラクターであるからに他ならない。
 変身ものとしての枠組みにより、真面目な優等生として日常を送る綾香であるときは、直接的な性行為はない、ということが読んでいくに当たって明白であるのだが、それでも日常を送る彼女が性行為をしたくて仕方がないという心理描写が濃密にあるため、アヤカとなるタイミングはいつなのだろうと思いながら読める。
 男性キャラクターたちも、尖ったキャラクター性がなく、これといって印象が残らないが、重複するようなキャラがおらず多様な男性との関係性が描けている。

どうエロいか

 優等生で真面目な彼女のエロエロな心理描写。
 それがアヤカになることで開放されるというカタルシスがとてもいい。
 本作では、様々な服装での性行為となり、これらも多種多様で良かった。

 おすすめの作品です。ぜひ読んでみてください。

『スーパーリッチなお嬢様姉妹が貧困俺に全裸で土下座した逆転のハメ撮り72時間コンプリートパック』について

 今回紹介する作品は、『スーパーリッチなお嬢様姉妹が貧困俺に全裸で土下座した逆転のハメ撮り72時間コンプリートパック』についてです。

スーパーリッチなお嬢様姉妹が貧困俺に全裸で土下座した逆転のハメ撮り72時間コンプリートパック (美少女文庫)

どんな話か

 お嬢様学校の寮にウーバーイーツとして配達に来ていた主人公。何度も運ぶにつれて顔なじみになっていた姉妹から男性のことについて知るための手伝いとして雇われることに。
 お嬢様の姉は主人公に対して好意的な態度を見せる一方、妹は彼に対して反抗的な態度。
 男性に興味津々な姉は主人公に対して性的な要求をエスカレートさせていき、ついには中出しをされる。
 妹とも、仲を深めていく。

どこが面白いか

 非常に丁寧に描かれた作品だ。序盤で、貧しいながらも真面目に生きている主人公を描いた上で、ひょんなことからお嬢様姉妹と関わり、彼女たちに好意を抱くと同時に、貧民とお嬢様との間の格差を感じ取り、黒い感情をときおり見せる心理描写がとてもいい。
 本作はタイトルの全裸土下座が終盤で起きることを明示した上でタイムリミットを表示しながら進行する作品だ。形式としてはアメリカドラマの24に近い。
 タイトルで読者が期待する展開がどのような形で訪れるのだろうか、というワクワク感を煽ってくれる。
 主人公とお嬢様姉妹の接点がウーバーイーツという点も今までに見なかった着眼点だったのも面白かった。
 妹がジャンクフード好きという設定が自然に出ている。お嬢様のいる豪華なタワーマンションと家族と借金取りのいる貧しい我が家を行き来する主人公から描かれる心理描写は沸騰間近のヤカンを見ているような気分だ。
  

魅力的なキャラクター

 お嬢様姉妹のキャラクターも魅力的だ。
 ただのお金持ちのお嬢様と行った表通りのキャラではなく、一人の人物として描かれているように感じる。
 個人の趣味や生い立ち、考え方のようなものが説明でなく描写でわかれせてくれるように感じた。
 主人公もいい。ときおり見せる劣等感の混じった心理描写にはひやひやしたが、基本は真面目な人物なのだということが、序盤の働く姿やキャラクターたちとの会話からわかった。だからこそ、主人公のことを嫌いにならない塩梅で尖った心理描写が描かれている。ここのバランス感覚がとてもいい。

どうエロいか

 異性の身体に興味のあるお嬢様姉妹が、教材として主人公を雇う。
 シチュエーションがシチュエーションなだけに直接的な性行為はすぐに行われる。
 性行為を重ねていきながら、主人公は一時的な豊かさと、永久的だと思わされる貧困を行ったり来たりしながら、黒い感情を蓄積させる。
 しかも、自分は貧困であり、彼女はお嬢様なんだと思わされる場面が、彼女たちの善意が垣間見える場面であるという点も罪悪感がくすぐられる。
 そのうえでの肉感的な描写を重ねていきながらの、タイトル通りの結末を期待する興奮がページを捲るほど高められた。

 とてもおすすめの作品です。ぜひ読んでみてください。

『星のメイドさまと新婚生活』について

今回紹介する作品は『星のメイドさまと新婚生活』です。

星のメイドさまと新婚生活 (美少女文庫)

どんなはなしか

 祖父の一周忌に来た若狭学。幼い頃からメイドとしてそばにいた屑川天音もそばにいる。
 そこで、祖父の顧問弁護士がある遺言状を遺族たちの前で明らかにした。
 曰く、メイドの天音は祖父の血を継いでおり、若狭学と屑川天音は従兄弟同士だというのだ。
 これにより、祖父の血を引く遺族に等しく分配される遺産は天音にも渡ることが明かされた。
 騒然とする親族、もちろん、主人公である若狭学も驚く。しかし、メイドであるヒロインの天音は落ち着いた様子。
 その日の夜、主人公に告白する天音。彼女は幼い頃から学のことが好きだった。パーティーで星の王子さまの話をしたあの頃から。
 メイドであった頃は財産目当てだと思われたくなかったので思いを告げていなかったが、自身も彼と同じ立場となった今なら。天音はそう考えていた。身体を重ね、夫婦となった二人は日常的なイチャイチャをしながら、様々な性行為を行う。

どう面白いか

 心臓の音が聞こえそうなくらい丁寧でしっとりとした描写だ。
 青橋先生の描く交際までのスピーディーな流れをおさえつつも、主人とメイドとしての日常の積み重ねがきれいに描かれていると感じた。
 そのうえでの、誘い受けな彼女のセリフの一つ一つが心を躍らせる。
 お互いがお互いが好きなのだ、というのが早い段階で読者の自明となった上での二人のイチャラブは離れた位置から読んでも楽しかった。
 本作はヒロインが魅力的であることもさることながら、彼女と主人公の関係性、周囲の反応、序盤から展開する詩的な表現が物語として読み応えがあり、セリフににじみ出るデレが、その後の性行為への期待を煽り、とろ火で茹でられた鍋のような心地でページを捲ることができた。本作は、星の王子さまの著作権が切れたことをきっかけに描かれた作品なのだろうけども、それも小道具として二人の出会いをとてもロマンチックなものとして描くのに役立っている。

キャラクターの魅力

 ヒロインがとてもかわいい。台詞の端々がとても知的だ。それでいて主人公に対する捕食者としての肉欲が垣間見えるようなセリフのエロさがある。主人とメイドという時間の積み重ねが感じ取れるような描写があったことも良い。それらがある事件をきっかけに好きな者同士の逢瀬へと発展していく流れは主人公を主体として読むのもよい、少し離れて二人の関係性を眺めてみるのもなかなか趣があって良い。
 見守りたくなるようなほほえましさがある。そして、年齢差があるであろう二人のおねショタ的な関係性もとても良い。
 二人の同棲生活の合間でのエロはじわじわと熱が上がっていくようなシークエンスを感じた。

どうエロイか

 恋人のようなイチャラブな会話。主人公の純真さ、奥手な部分による初心な会話からの肉体的な接触、視覚的な誘惑からのじょじょに性行為に流れていくまでの丁寧な流れがとても良い。
 その後の夫婦となってからのイチャラブもとてもエロかった。
 メイドと主人との関係性が崩れるような事件が起き、するのではないか、という予想からワンテンポ遅らせてからのエロはとてもよかった。

 おすすめの作品です。ぜひ読んでみてください。

『異世界チートWエルフ嫁』について

 今回紹介する作品は、『異世界チートWエルフ嫁』です。

異世界チートWエルフ嫁 (美少女文庫)

どんな話か

  主人公の義仁は異世界転生者。冒険者として、第2の人生を謳歌している。魔法が使え、とても強い。
 彼は観光目的でエルフの里に来ていた。ここで日々を過ごす中、エルフの里を強襲し、森を燃やそうと画策する者の存在に気づく。
 計画が実行にうつされたとき、賊を倒し、二人のエルフの女性を助ける。
 街に戻ってきた主人公の義仁。館に入れると、彼のもとを訪れる二人のエルフ。それは以前助けたエルフだった。
 自分たちを助けてくれた義仁に一目惚れしたので、お嫁さんにしてほしい、と二人のエルフは義仁に言う。
 夜、義仁の寝室に訪れる二人。彼女たちは夜這いに来ていた。二人の誘惑に負け、性行為を行う。
 それから始まる同棲生活。義仁と冒険者をはじめてパーティーを組んでダンジョンを攻略する。その合間にもちろん性行為を行う。
 二人に流される形で美少女エルフたちとの爛れた性活が続く。
 そんななか、彼女を連れ戻そうと、エルフの里から使者がやってくる。
 じつは二人には義仁に隠している秘密があった。

どう面白いか

 主人公は王道の異世界転生者の主人公。魔法使いとしての才能に恵まれた男性。
 本作では二人のエルフ姉妹との異世界での爛れた日常が描かれている。
 それに対して、日常の崩壊を予期させるような障害が匂わせで出てくる。
 これがいい具合に先が気になると同時にノイズにならない。障害となる悪役の視点で描かれるパートでは、主人公の強さが周囲の人物のセリフや反応で描かれているので、悪役の考えた計画は失敗するであろうというのが読者にわかるように描かれている。
 では、どう失敗するのか。自信満々の彼らのザマァがみたいという感情がページをめくらせた。
 また、悪役の存在は本作ではアクセント程度で、エッチなことをさせてくれる美少女エルフ姉妹が主人公のそばにいることが本作の面白さだ。ファンタジーとしてのお約束を守りつつ。異世界での冒険のながらで、性行為にはいっているというソフトなハーレム展開がとても読み心地が良い。
 そして、物語の展開ではセリフだけで状況がわかり、地の文がシンプルに抑えられているが、官能描写にはいれば主人公の高ぶりに合わせて徐々に描写が厚くなっているところも、読み応えがあってよかった。

キャラクターの魅力

 美少女エルフ姉妹のアスタリシアとリュシア。二人はとても魅力的な人物だ。
 双子で幼い頃から仲の良かった彼女たちは、一人の男を共有する。性行為のシーンは基本、3Pだ。
 性行為の描写は、二人の美少女としてのルックスだけでなく、関係性が現れている。
 初性交の場面、二人の美少女エルフが主人公に夜這いをかける。そこで先にモーションをかけるのが姉のアスタリシアだ。
 夜中にネグリジェの姿でリュウシ後ともに主人公の前に現れキスをするアスタリシア。彼女とのキスが終わると、姉に促される形で、リュシアとも唇を重ねる。
 勝ち気な性格のアスタリシアとおとなしい性格のリュシア。アスタリシアがリュシアを引っ張ることが多いのだろうというのがわかる。
 それでいて、盛り上がると積極的になっていくリュシア。そのギャップはとてもいい。
 双子の要素をただのハーレムで収めずに、ちゃんと性行為の場面に反映させている。
 本作は異世界での要素はあっさりと描かれているが、その合間合間の性行為の回数が多い。
 双子エルフとの異世界でのエロい日常をメインテーマとしてブレずに描けている。

どうエロいか

 3Pの場面をしっかりと描けている。複数の女性と順番にやっているような感じがない。
 二人のエルフと一人の男性の性行為として描かれていると感じた。
 それでいて、異世界の生活もちゃんと描き過ぎにならない程度に描けている。生活が書かれているからこそ性活になっている。
 性描写の場面では二人の心理的な描写も描きつつ、その上での心と体の両方のつながりを求めての双子との3Pとなるのでとてもエロい。
 強気な姉と、それに引っ張られるおとなしめな妹。しかし、妹もじつは積極的。といった流れもとてもよかったです。

 おすすめの作品です。ぜひ読んでみてください。

『僕には暴淫暴食(エロエロぱくぱく)エルフ神様転校生がいます』について

今回紹介する作品は、『僕には暴淫暴食(エロエロぱくぱく)なエルフ神様転校生がいます (美少女文庫)』です。

僕には暴淫暴食(エロエロぱくぱく)なエルフ神様転校生がいます (美少女文庫)

どんな話か

 主人公の開人には幼い頃に親に言いつけられた役目があった。それは社に捧げ物を用意すること。最初、彼は家のしきたりでそれをやることに不満だったが、次第に自分からやるようになる。
 彼はある日、社の祭壇の向こうから手が伸びて、自分の捧げ物を食べる女性の姿を見てしまう。
 一瞬見たその姿に一目惚れした彼は料理を学んで、以前よりも熱心に捧げ物を用意するように。
 一方、異世界から扉をつくり向こうの世界の捧げ物を食べていた女性。名前はセーラ。彼女は異世界のエルフだった。熱心に捧げ物を用意する幼い開人に興味を抱き、彼に好意を抱くようになる。
 彼に会いたいと願うも、彼女と彼の世界をつなぐ扉は魔力がたまらないと移動することができない。
 時は経ち、開人が学生になる頃。祭壇が開き、中からエルフが現れる。
 現れたセーラは開人を自分の専属料理人にするため、両親が転勤でいない彼の家で同棲する。
 さらに時は経ち、エルフの女性として街の近隣住民や開人の学校に受け入れられるようになる彼女。
 それにつれて、彼女は自分の開人に対する恋心を自覚するようになる。

どう面白いか

 異世界につなぐ門、それをつくって異世界の住民はこちらの世界にやってくる。エルフのセーラも門を自作してこちらの世界に行くことに。しかし、魔力が溜まって使えるようになるまでに時間がかかる。その間、門の隙間からお供えものを手に取り食べるように。門は神社の祭壇と繋がっていた。
 そこでお供えものを捧げる主人公をみつけ好意を抱くようになる。
 設定が既に面白い。序盤の関係性の作り方も上手い。二人が出会ったらどうなるだろう、というワクワク感がある。
 ついに出会った二人。学校に通うようになるくらいに成長した主人公。親は仕事の都合で神社を離れ、一人で暮らしている。
 もちろん、日課の捧げ物は忘れずに。
 そんななか、ついに魔力がたまり、こちらの世界にやって来れたエルフのセーラ。
 彼女は唯一のつながりである主人公を頼る。二人は同居することに。
 ここで、異世界からこっちの世界にやって来る存在については国の表に出ない組織からは認知されており、戸籍などの諸々の事情は解決されていることも説明されている。
 スタイル抜群のエルフとの二人暮らし。無防備な女性との日常的なお色気シーンを挟み、数ヶ月、あるいは数年の時間が経つ。
 街に馴染んだセーラ。当たり前のように学校にも通っている。
 そして、開人に対して言語化できない感情があることをクラスメイトの女性に相談する。
 クラスメイトたちから、それが恋心であることを伝えられ、恋バナに色めき立つ彼女たちはセーラにアプローチのためのアドバイスをする。一週間後、クラスメイトたちから恋愛講義を受けたセーラは行動に移すことを決意する。
 開人に牛乳風呂を提案し、先に入った開人の風呂場に乱入する。
 知らないことに対して好奇心が旺盛で、食欲が旺盛な彼女。そんな彼女が恋心を自覚すればそれらの欲求の熱量がそのまま性欲に変換される。だからこそ、彼女の行動はスムーズだ。そしてそのことに読んでいて違和感がない。
 セーラの心理描写を追うほど、沸騰したヤカンの蒸気はいずれ吹き出すように、内に湧いた衝動が実行に移されることは読者にとって想像に難くないことであり、期待感が高まる。
 また、本作は異世界から現実世界にくる存在が表立ってではないが一部の人には公になっている世界観だ。そのため、エルフがこちらの世界にやってくることに対する諸々の障壁はすんなりと崩れ、二人の同棲生活を楽しむための土台が速やかに組み立てられている。
 スタイル抜群のエルフとのエロい性活の描写がよいことはもちろんであると同時に、エルフが人間の世界でどう暮らすのかという話としてもソフトな読み応えの面白さがある。

キャラクターの魅力

 エルフのセーラは魅力的な人物だ。好奇心が旺盛で一度決めたことにはまっすぐに突き進む。
 そのことは、周囲にバカにされながらも現実世界に繫がる門を自作し、何年もかけて開人のいる世界にやってきたことからもわかることだ。また、食欲が旺盛なことも可愛らしい。
 本作はこちらの世界にやってきたセーラと開人との同棲生活だ。そこでは現実世界にやってきたエルフの日常が描かれており、彼女の挙動は見ていて楽しいものだ。食欲が旺盛で少し天然。それでいて、優しいところがあり、周囲もいつの間にか異質であるはずの彼女を受け入れている。そして、周囲に受け入れられたという日常が、そのまま開人への恋心を自覚した途端、周囲はセーラの味方にもなる。
 この辺も読んでいて楽しかったです。日常が楽しく描かれており、エロもちゃんとある作品でした。

どうエロいか

 長寿のエルフと人間である開人との恋愛。二人の関係性はある種のおねショタ味がある。
 食欲が旺盛な彼女は性欲もかなりあるという設定がよかったです。
 日常のほんわかとした空気を壊さずに、恋心を自覚してからのエロへの直行はとても良かったです。
 本作は、序盤はセーラが開人をリードする形で性行為を重ねていく。しかし、セーラは開人に自分に対しての強い劣情を行動に移してほしいと考えている。回数を重ねていくにつれて、S寄りなプレイもしていく流れも良かったです。
 おすすめの作品です。ぜひ読んでみてください。

 

『破滅フラグしかない悪役令嬢をドM奴隷に堕として幸せにします』について

今回紹介する作品は『破滅フラグしかない悪役令嬢をドM奴隷に堕として幸せにします』です。

破滅フラグしかない悪役令嬢をドМ奴隷に堕として幸せにします (美少女文庫)

どんなはなしか

 主人公のライトは転生者。ガルゲイム王国の女王、メリアの従者である。
 彼は悪役令嬢であるメリアの破滅を防ぐために時間を繰り返している。しかし、何度やってもメリアはメインヒロインであるリーネによって処刑されてしまう。
 メリアの破滅を防ぐには、彼女によるリーネへの嫌がらせ及び周囲への傲慢な態度を改めさせないといけない。
 繰り返すループに心が折れそうになった瞬間、ライトはチートスキルを手に入れる。
 それは精液をかけた相手を、自分の好きなように改変する力であった。
 これにより、メリアのいじめの一環で行われた足コキによる射精により、メリアをザーメンフェチにした主人公は、それを利用して彼女に中出しをする。
 こうして、メリアと性行為をする仲になったことで、処刑される未来は回避された、かと思われた。しかし、数年後にライトの目の前に映ったのは女王になったリーネなよるメリアの処刑であった。
 一体、何が足りなかったのか。ただ、メリアと恋仲になるだけでは足りないと考えたライトはメリアに更なる調教を行う。

どう面白いか

 お嬢様の調教者としてもエロく。タイムリープものとしても面白かったです。
 序盤で、主人公につらくあたるメリアがチートによって簡単に中出しされ、すぐにラブラブの関係になったのには驚きました。
 彼女の調教が物語全体の目的であることはわかっていたので、まだページがあるのに、こんな序盤でM奴隷になるのか、と疑問に思ったんです。
 そこからの二度目の処刑シーンに驚きました。まだ序盤の調教が足りないレベルでメリアとのSMシーンはさらに激しいのがあるんだって流れはワクワクしました。
 また、物語の賑やかし要因かと思っていたリーネが途中からタイムリープを何度繰り返しても主人公に立ちはだかる障害であると同時に2人目のヒロインとしての格が上がっている点も面白かったです。
 予想できないし、エロとしても内容が充実した作品でした。

キャラクターの魅力

 悪役令嬢であるメリアはとても魅力的に描かれている。きれいな美貌の暴虐無人な女。この辺を周囲の反応でなく、彼女自身のアクションと主人公の独白だけで説得力があるものになっています。
 その上で、処刑シーンの悲惨さが物語の先をわからなくさせ、面白さがありました。
 二人目のヒロインであるリーネも魅力的なキャラです。タイムリープの処刑シーンで何度も出てくることで、物語のキーマンとしての立ち位置が強調される。
 その上で、前半はメリアとの性行為が強調されているにも関わらず。主人公とメリアとのイチャイチャを遠くから盗み見る立場としての心理描写。主人公とのことを想う挿絵により、魅力を高めていっています。
 ラストの強キャラ感もよい。

どうエロイか

 タイムリープものとしての面白さと、調教ものとしてのエロさが両立しています。
 ザーメンによる改変能力により、メリアが自分の価値観が変わったことに気づかずに主人公のザーメンを飲むことを当たり前になっていき、最後には自分から中出しを許容する流れは洗脳ものとしてのエロさがありました。
 また、メリアとの性行為を繰り返すことでリーネとのフラグが立つ流れもとてもよかったです。
 エロさと、このままだとどうなるのか、というハラハラ感が両立した作品でした。

『戦国犬姫!~信長の妹と新婚ライフ~』について

今回紹介する作品は『戦国犬姫!~信長の妹と新婚ライフ~』です。

戦国犬姫!~信長の妹と新婚ライフ~ (美少女文庫)

どんな話か

 大野湊を守る武将、信政。彼は信長の妹、織田犬と結婚している。織田家とのつながりの強化のために佐知家では二人の間に子供が生まれることが望まれていた。しかし、二人はこの何年間まだ子作りを行っていなかった。なぜなら、信政の母は彼を産んだ時に、若くして生んだことによる出産のダメージで死んでしまった。じつは信政には現代の日本人の魂が転生していた。彼は自身の母親の死因が若くして子を産んだためであることがわかっていた。。そのため、信政は子の出産に耐えられる18歳のこの時まで待っていた。そして、犬姫が18歳になるのが今日だった。その日の夜に愛し合う二人。はじめて一つとなることを知った犬姫は、ことあるごとに信政と肌を重ねるようになる。一方、信長の天下統一の戦は激しさを増し始め、その戦火に信政も巻き込まれつつあった。

どう面白いか

 時代小説の側面と、官能小説の側面を両立させています。
 当時の時代背景を丁寧に描き、時代のうねりに巻き込まれた夫婦の物語として読むことができました。で、ありながら、ジュプナイルポルノとしての面白さもしっかりあります。
 犬姫のかわいさがちゃんとライトノベルのヒロインのような萌えキャラとしてのかわいさをもって描かれている。
 主人公の信政を現代から転生したキャラクターとして描くことで、官能シーンや時代描写が僕らがとっつきやすい表現で書かれています。それでいて、登場人物たちのセリフや犬姫精神描写は時代に沿って描かれたもののため、時代小説を読みながらライトノベルも読めるという一挙両得な作品になっています。

キャラクターの魅力

 主人公もヒロインも魅力的です。主人公の信政は現代から戦国時代に転生した人間です。そのため、一人だけ感性が現代に近い。そのため、18歳を待ってから子作りをはじめたという展開が、主人公の生い立ちと考え方を覗けば理解できるのものになっている。そして、犬姫の視点で考えれば、信政に大切にされていたことはわかっているとはいえ、そうした気持ちを募らせていたお預けをくらっていた形となっていた点はとても官能的です。
 信政を想うヒロインの心情もとても可愛らしい。一人の幼妻としての立場的な可愛さ。幼い時からの許嫁、婚約関係などに近い関係性は尊さがある。織田家に動かされる形で彼女の人生は決まったわけだが、後半で、主人公に対する好意を高めたことにより、主人公の立場を守るために自分の意思で兄の織田信長に対して発言するという精神的な成長にはカタルシスを感じました。

どこがエロいか

 織田家との関係強化。子供をつくることの必要性が説かれていることで、二人の間での子作りが周囲によって容認されているという形がとても自然でワクワクしました。
 また、18歳まで待ってからの子作りという流れは主人公の生い立ちを考えれば納得のいくものであると同時に、犬姫の立場ではお預けをくらっているような形であり、我慢に我慢を重ねた関係がついにすすんだという初体験はとても官能的だった。そこから、セックスが日常となった二人の間の浜辺での野姦もとてもいい。
 冬ごもりの場面で、何度も繰り返す形での性行為はとてもエロい。外的な要因によって、二人がその日はダラダラと性行為にふけることが許されているというシチュエーションがすばらしかった。
 すべての事件が終息した後の、犬姫という名前からの着想による、犬耳と首輪をつけての性行為はとてもエロかった。
 お互いへの信頼関係を積み重ねたからこそアブノーマルなプレイができるようになったという流れを汲んでいてとてもエロい。

 時代小説としても面白かったし、美少女文庫としても面白い。この作者さんだからこそできる作風はとても面白い。
 オススメの作品です。ぜひ読んでみてください。

『恋する奴隷エルフちゃんは絶対に解放されたくない』について

今回は『恋する奴隷エルフちゃんは絶対に解放されたくない』について紹介します。

恋する奴隷エルフちゃんは絶対に解放されたくない (美少女文庫)

ガレイとエルフィーナ

どんな話か

 エルフィーナは幸せだった。彼女はガレイの家に仕える奴隷である。
 魔術師としての才を持っていた彼女は白狼騎士団の団長であるガレイをサポートしていた。
 騎士団は人々からの依頼を受けて、魔物たちと戦っている。
 ガレイは部下から尊敬され、周囲に対して優しく接している。
 彼の奴隷であるエルフィーナは騎士団に欠かせない高待遇で迎えられていた。
 階級としては奴隷であっても自由があり、お給料も出ている。魔物を討伐後はガレイとおいしいものを食べている。
 主人であるガレイとの関係も良好だ。彼女は今の暮らしに満足していた。
 そんななか、ガレイから告げられる事実。エルフィーナはもうすぐ借金を返済する予定であり、彼女は奴隷から解放されて、もうすぐ自由人となるのだ。
 奴隷でなくなってもガレイのもとにいたいと考えている彼女。しかし、プライドの高い彼女はそのことをガレイに打ち明けられずにいた。
 ガレイの奴隷解放を食い止めるために、えっちな誘惑でガレイを自分に依存させることを思いつく。

どこが面白いか

 ヒロインのエルフィーナがとてもかわいく、主人公のガレイも好感がもてる人物です。
 だからこそ、このじれったい関係性はどうなるのだろうと思いながら読み進めました。
 また、舞台はファンタジーで、彼らは魔物たちと戦う合間の日常パートでセックスしています。
 その魔物の特性と性行為につなげる導入の練具合もとてもよかった。
 エルフィーナとガレイは互いが互いを悪く思ってはいないのですが、どちらも性格的な理由で恋愛に発展しない。
 しかし、外部からの圧力で二人の関係性は急激に進んでいく。
 その動かない山がついに動いたかのような展開は読んでいてカタルシスを感じました。
 

キャラクターの魅力

 ヒロインも主人公もどちらも魅力的な人物として描かれています。
 騎士団長のガレイの評価と魔術師のエルフィーナの評価。そんな二人は一緒に食事に出かけるほど仲がいい。
 階級上は奴隷とはいえ、エルフィーナは今の生活に満足している。そういった前提を描写した上で、その均衡を崩すのが彼女の奴隷解放だ。その事件が起点となって物語が動く点がとてもいい。
 そのうえでガレイをおとしたいエルフィーナと、彼女の思いに気づかない真面目なガレイとの噛み合わない会話はとても面白い。
 今までなんで恋愛関係にならなかったのがわかります。日常パートがとてもコミカルに描かれていて読んでいて楽しいです。
 

どこがエロいか

 この話は自身の奴隷解放を阻止したいと考えるエルフィーナが、自身に依存させるためにエッチなことで主人公を誘惑する。真面目で朴念仁な主人公はエルフィーナのおもいどおりにいかない。
 それでも諦めない彼女の機転や偶然により、ついに性行為にいたり、ズルズルと回数を重ねていく。
 エルフィーナが主人公を誘惑するためにあれやこれやを行おうとする思考自体が既にエロい。
 性行為シーンにいってからの、エルフィーナの態度もいい。
 周囲からは奴隷であってもプライドの高いエルフのお姫様として映る彼女。
 そんな彼女は、主人であるガレイに対して、自分は奴隷なのだからガレイの好きなように使っていい、と誘惑する流れはとてもエロいです。エロ描写をはさみながらも、真面目にファンタジー世界の騎士団としての活動も描かれていたので、この事件がどうエロシーンにつながるのか、というワクワク感がありました。

 オススメの作品です。ぜひ読んでみてください。

『なんでソープに先生が!?』について

今回紹介する作品は、『なんでソープに先生が!?』です。

なんでソープに先生が!? (美少女文庫)

どんな話か

 学生の乙木葉梨は、夏休みに宝くじを当てて大金を得る。当てた宝くじでソープに行くことを決意する葉梨。
 そこで出会った美女、彼女は今日が初出勤で慣れていない様子。
 話していくうちに、彼女の顔に既視感を覚える。なんと彼女は自分の学校の担任の先生、笛有照羽だったのだ。
 彼女はある事情からお金に困り、ソープでのアルバイトをはじめた。風俗の仕組みに疎い彼女は、アフターの意味を理解しないまま、どんなオプションもできる形で契約していた。
 とはいえ、6万も払い、コースが始まっている以上、童貞を捨てたい主人公はここで何もせずお開きにできない。
 彼は先生と性行為をし、最後まで行う。そして、宝くじの賞金を使って、彼女の出勤日は全て予約してプレイを堪能する。
 そうしていくうちに、互いの関係に変化が生じていく。

どう面白いか

 はなしはとても面白かったです。
 ソープには行ったことがないので、主人公の地の文や何も知らなかった先生との会話から描かれるソープとはなにか、はわかりやすく面白かったです。
 教師がソープをやっているというシチュは背徳的でありながら、サスペンスとしての要素も出ている。つまり、タイトルどおり"なぜ"という疑問が物語を読む原動力になります。
 ヒロインがあるピンチに陥る場面では、主人公はこのピンチをどう解決してくれるのか、とハラハラしました。
 本作で提示された問題に対する主人公が出す解決策は決して白黒つけたというものではなく、どちらかといえば黒寄りのグレーだ。
 しかし、それ自体が主人公とヒロインを特異な存在にすると同時にラストの展開に歪な関係の肯定がテーマとして立ち上がっているように感じる。

キャラクターの魅力

 キャラクターもとても魅力的です。
 教師と生徒という関係性は王道で、ある程度舗装されてきた道だ。しかし、2人は一定のテンプレートに縛られたキャラクターとして描かれていない。
 彼らの内面やその先の道筋を知りたくなるように描かれています。
 主人公のサポート役として描かれるソープ店店長もとても魅力的なキャラクターだ。
 いわゆるミステリアス。ノーネームドキャラでありながら、作中を通じてとても印象に残っている。

どうエロいか

 主人公は『楽して楽しく』がモットーの男の子だ。ゆえに、ソープの相手が先生であってもガツガツいく。
 一方、教師の笛有は奥手で初心な女性だ。そんな人が主人公にいろいろなプレイを仕込まれていく。
 1人の男性により自分のなかの蕾がひらいていく。その変化の過程はとても官能的だ。
 ソープとはどういった仕組みのお店か。という点もわかりやすく描かれている。
 エロが、ただエロいというだけでなくキャラクターとのコミカルな会話の上でのエロとなっていて面白く読めました。

 オススメの作品です。ぜひ読んでみてください。


『転生したら破滅フラグしかない悪役貴族だった件』について

 今回紹介する作品は、『転生したら破滅フラグしかない悪役貴族だった件』です。

転生したら破滅フラグしかない悪役貴族だった件~エルフ、獣人、吸血鬼をメイドにしました~ (美少女文庫)

どんな話か

 ソーマは前世の記憶を思い出した。両親が死に、家督を継いだ彼は廊下で転び、後頭部を打ちつける。
 その時に思い出したのが、自分は前世では過労死したオタクサラリーマンであることと、ここは自分が昔プレイしていたゲームの世界であることだった。
 さらには、自分がゲームでは悪徳貴族として登場しており、主人公に粛清される運命ひあることを知る。
 粛清を恐れた彼は、いい子の仮面をかぶることに、幼い領主として善政を敷き、奴隷となった亜人を積極的に助けるように動いた。
 すると、ソーマはひょんなことから、ゲームでは悪徳貴族を粛清していたシャルロットを奴隷として雇うことになる。
 粛清を恐れた彼は、シャルロットに優しく接すると、次第に彼女は、ソーマに惹かれるように。シャルロットから誘われる形でセックスする。
 獣人のエリシア、吸血鬼のシエラにも惚れられ、関係を持つようになる。
 

どう面白いか

 本作は射精音の長さでTwitterで話題になりました。そのことは読む前から知っていました。読んでみると、じつはこの射精音の長さには理由があるんですよ。
 主人公には回復魔法があり、これを自身の男性器にかけることで、精液を大量に出せるようになり、媚薬のような効果を持っている。
 と、いう理由がちゃんとあったのが面白い。
 また、本作は文章がとても個性的。美少女文庫でありながらも馬路さんが書いてるって感じがすごい出てるんですよ。
 で、ありながらちゃんとエロい。
 流れは王道のおねショタものになっている。性行為を重ねていくことが主人公の成長につながっていく点も良かったです。
 主人公の善政の積み重ねがラストのカタルシスにつながっていた点もよかったです。

キャラクターの魅力

 主人公がとても面白い。
 彼の一人称によって物語は語られる。
 その語り口はとてもIQが低く感じるんだけど。突飛な行動に繋がるから、次にこの主人公が何をしでかすだろうと思って目が離せない。
 ヒロインも魅力的だ。彼女たちも、主人公と関わったからか。もとからなのか単純な性格をしている。
 しかし、セリフや行動がコミカルで可愛く見える。
 また、3人はエルフ、獣人、吸血鬼というそれぞれ種類の違う亜人だ。亜人としての特性がキャラクターとして描かれているし、性行為にも活かされていて面白い。

どこがエロいか

 エロシーンの導入は意外と王道だ。
 主人公を誘惑する3人のヒロインたちのセリフはそれぞれ三者三様でエロい。
 また、作者の筆力や発想は面白いとエロいを反復横跳びしている。作者の突飛な発想は読んでいると、これはエロいのか? となる時があります。
 人間である主人公は、亜人であるヒロインとのエッチで生命の危機を感じます。それに対して、主人公は性行為に回復魔法を駆使することで切り抜けます。
 その辺に切り抜ける展開はまるでバトル漫画を読んでるかのよう。俺は美少女文庫を読んでたのでは!? と動揺します。
 獣人のエリシアとの性行為シーンで、アナルに手を入れて大腸ごしに膣をオナホにする場面はビックリしましたよ。

 とても面白かったです。ぜひ読んでみてください。

『悪徳貴族の三男なのにエルフハーレムの王ってそれはないでしょう』について

今回紹介する作品は、『悪徳貴族の三男なのにエルフハーレムの王ってそれはないでしょう』です

悪徳貴族の三男なのにエルフハーレムの王って、それはないでしょう! (美少女文庫)

どういう話か

 主人公のフランツは領主を務める悪徳貴族の家の三男であった。
 彼の父と上の兄弟は自分たちが貧しくした領地の経営をなんとかするために、エルフの村を焼くことにする。
 村を焼いて、エルフたちを奴隷として捕え、彼女たちが持つ技術や富を独占しようと考えたのだ。
 その策はエルフの能力を過小評価した希望的観測に基づく、浅慮な思いつきでしかなかった。
 自分たちの領地を救う策としては愚策であることを上の兄弟二人と父に進言するフランツ。
 しかし、彼の意見を無視し、小心者と笑う家族たちは、フランツをエルフの森を焼く兵の一人に任命し、前線に立たせる。
 拒否もできず、己の運命を悟った彼は、この戦いで死んでしまうのだ、と諦観したまま戦地に立つ。
 案の定、エルフは彼らとの戦争に一瞬で勝ち。フランツたちを捕えてしまう。
 このまま見せしめに処刑されるのだと考えていたフランツであったが、族長であるリーファは捕虜として、彼を自身の館に住ませる。フランツに魔法の才があることを見抜いた彼女は、彼を自分の村の王として育てようと考えていた。
 そんなことも知らずに、自分はこれからどうなるのだろうと、暗澹とした気持ちでいたフランツ。
 そこで暮らしていくうちに、エルフの族長であるリーファと性行為するだけでなく、メイドのイスタ、魔術師のエトナとも身体を重ねていく。

どこが面白いか

 シチュエーションはオネショタもの。逆光源氏でもあります。
 主人公は3人のエルフと性行為をすると同時に、教育を受ける。これにより、性行為を重ねるにつれ、ヒロインと関係を深め、剣術や魔術の才能を開花させる。
 最終的に主人公はエルフハーレムの王となります。そこまでの成長過程と意思決定の流れがしっかり描かれています。そのため、底辺から上まで成り上がっていく物語を読んだかのようなカタルシスがあります。
 主人公の障害として出てくるキャラも序盤はハラハラとさせられますが、主人公が強くなるにつれコミカルな小物として描かれていくのも面白い。

キャラクターの魅力

 まず、主人公のフランツは魅力的な主人公です。物語は彼の亡き母に向けた独白からはじまる。
「神様、お母様、僕に勇気を……そして奇跡を…」
 この台詞の後に描かれる兄弟と父との間の確執とどうなるかは想像に難くない悲惨な運命。家族とのセリフのやりとりは舞台のシンデレラのよう。主人公の賢さと優しさを強調しつつ、現在の状況やこれから起きることを読者にわかりやすくしています。
 そして、主人公はエルフに捕まり、物語は思わぬ方向に進む。族長のリーファにエルフハーレムの王として育てられるという"奇跡"を受けた主人公は、彼女たちとの交流を通じて成長する。最終的には障害に立ち向かう"勇気"を得るのだ。
 ヒロインたちも魅力的です。本作はとある事情から女性だけの村になっているリーファ族と
何も知らない主人公のふたつの視点で描かれている。
 ヒロインどうしの会話がコミカルで面白い。主人公に対する好意が会話から出てきますから、エロシーンが楽しみになります。
 

どうエロいか

 筆下ろしおねショタシチュがとてもいいです。ヒロインたちは年下で未経験の主人公をリードするために本で得た知識で性行為をほどこす。
 本当は処女なのに、そのことは主人公に隠す。主人公が知らずに処女を奪っているシチュがとても良いです。
 主人公は3人のヒロインから個別で教育を受けるのですが、その過程で流れでセックスするのもよかった。流されてってのが、背徳感があってよかった。
 コスチュームプレイも豊富で、よかったです。

 オススメの作品です。ぜひ読んでみてください。

『異世界(エロ)チート賢者 銀髪の宮廷女魔術師とハーレムを! 』について

 今回紹介する作品は、『異世界(エロ)チート賢者 銀髪の宮廷女魔術師とハーレムを! (美少女文庫)』です。

異世界(エロ)チート賢者 銀髪の宮廷女魔術師とハーレムを! (美少女文庫)

どういう話か

 現世で社畜をしていた伊藤雅貴は車に轢かれて死んでしまった。しかし神により、異世界に転移される。
 転移先のアルスター王国では、伊藤雅貴を賢者として迎えてくれた。彼は王子のライオットに仕える形で、異世界で現世の技術を再現する。
 伊藤雅貴の価値を高く評価したライオットは、雅貴を国にとどめるため女をあてがうことにする。雅貴にそれとなく尋ねると、彼には王宮で気になっている女性がいた。
 彼女の名はエレナ、銀髪の宮廷魔術師。
 エレナは自分の研究資金のため、雅貴の扱う魔術について学ぶため、彼に夜伽を行うようになる。
 エレナと関係を持つようになった後も、精力的に新しい技術の開発を進める雅貴。合間に、風俗嬢で獣人のメイサ、若き女騎士のリア、未亡人でメイドのイリーネとも関係を持つ。

どう面白いか

 莫大な魔力とイメージを具現化する創造魔術を持って異世界に転生。現代の技術を異世界に持ち込むことで、賢者としての地位を築く。その傍ら、主人公は複数の美女と関係を持ちハーレムをつくる。
 典型的ななろうのチートハーレムだが、ただの紋切り型にとどまらない。美少女文庫の作品として、読者にエロを届けるための工夫が込められています。
 なろうといえば、チートをしていくにあたって障害が立ちはだかるものだ。本作もその例に漏れず。
 主人公が転移した王国内には、彼を快く思ってない者や、その力を独占しようと考える者がいる。
 その影が匂わされてはいるものの、それ自体が主人公の前に現れない。
 なぜなら、主人公に王国を去って欲しくないと考える王子のライオットがそれらが近づくのを阻んでいるからだ。
 これにより、男性キャラが作品では主人公とライオットしか出てこない。代わりに、ライオットのセリフで、主人公は自身の障害を間接的に知る。
 これらを意図的にカットしたぶん、スムーズに主人公のハーレムが出来上がっている。
 主人公とヒロインの性描写も、とてもエロく魅力的だ。

キャラクターの魅力

 本作のヒロインたちも、魅力的に描かれている。主人公とヒロインの関係は、最初は半端打算的なものだ。
 しかし、主人公のテクと、彼が作り出した催淫魔術により、ヒロインたちは彼との性行為を強く求めるようになる。
 本作はエロシーンの描写が多い。作中の性行為の本数が多い。回数を重ねるたびにの主人公に対する心理が変化していく描写はとてもいい。
 また、もとからエッチなことに興味のあった初心な女性がエレナと主人公に触発されて、彼に身体を許していく流れもとても良かった。

どこがエロいか

 本作はなろう小説としての話型をとっている。で、ありながら官能小説としての用途をなすための物語のショートカットをするための工夫が丁寧に仕込まれている。
 そのために、なろうとしての立身出世の物語から得られる満足感がありながら、性描写の量の多さが両立している。
 主人公に対して強い関心がない女性が、体を重ねていくうちに、淫なことに適応し、その精神が変化していくまでの心理の変化がとてもエロく、キャラクターどうしの関係性の変化としても魅力的に読めた。
 また、元から性的なことに興味のあった女性が、主人公に流されて好奇心のままに未知の快楽を知ってしまうパターンもあり、それもとてもよかった。
 最後の5Pもエロく、全員の妊娠が示唆された後で、ヒロインから新しい女性が紹介される流れも、開かれた窓から見える景色を想像させるいい終わり方だ。

 オススメの作品です。ぜひ読んでみてください。

『母乳ちゃんは射したい』について

 今回紹介する作品は、『母乳ちゃんは射したい』です。

母乳ちゃんは射(だ)したい。 先輩と妹、ミルクハーレム (美少女文庫)

もくじ

どんな作品か

 主人公の甲斐ヒカルは吹奏楽部、全国大会に出ている。ある日、先輩の桜沢ともみに放課後に呼び出され、自分の赤ちゃんになってほしい、と頼まれる。彼女は胸から母乳が出る体質で、自分の母乳を吸ってくれる相手を探していた。母乳は、エッチな気分にならないとよく出ないため、甲斐ヒカルと桜沢ともみは、性行為をしながら母乳を出す。
 しかし、そんな自分達の活動を、主人公の妹である甲斐すずかは見てしまう。彼女も、主人公たちの性行為に加わるようになる。
 文化祭、遊園地、プール、温泉旅館。主人公は桜沢ともみと甲斐すずかに、いろんな場所やシチュエーションで性行為を行う。」

どう面白いのか

 「私の赤ちゃんになってください!」
 開始して、5ページで生徒会長であり、先輩でもある桜沢ともみから母乳が出る体質であることを告白される主人公。
 なぜ、母乳が出るのか。出るとしてなぜ主人公に頼むのか。吹奏楽部所属であることと母乳を吸うことは関係あるのか。数ページでいろいろな疑問が出るのですが、ツッコミ不在の中ではなしは進み。当然のように、流れるようにベッドの中にいき、母乳を吸う主人公。心中は頼られた先輩に答えたい、という思いからくるもの。
 本作は同人誌のノベライズです。その同人誌のスピード感を文章にそのまま置き換え描かれています。
 駆け足で進む導入には、勢いがあり、没入感があります。
 そこからは、さまざまな場所での性行為が描かれています。短編の連作集の形をとっています。
 誰もいない場所でしっぽりとヤるだけでなく、人混みの中でのプレイも多い。
 バレるのではないか、というハラハラ感でのプレイには倒錯的な興奮だけでなく、ハラハラする緊張感があります。
 途中で加入する妹のすずかもいいキャラをしている。トラブルやアクシデントが起きた際に起点を効かせて解決に回るし、3人での性行為につながっていく。

キャラクターの魅力

 生徒会長、胸が大きい。学園のあこがれの的。序盤で、モブキャラたちによるヒロインに対する所感が描かれたうえで、その中の一人であるはずだった主人公が彼女に呼び出されて、赤ちゃんになってほしいと言われる。
 ここまでの流れが数ページにも満たない。とても早い。
 みんなのあこがれの的である桜沢ともみ。唐突に距離が縮まった二人の日常はとてもいいです。
 エロ描写を中心とした作品でありながら、クラスメイトとの会話や、文化祭での出し物、体育祭で先輩とお弁当を食べるなど、学園モノの日常も丁寧に描いている。だからこそ、母乳がたまり、胸が張ってしまうというアクシデントが唐突に起き、火急にひと目を偲んでエッチしなければいけないというシチュエーションが際立っています。
 主人公に対して反抗期の妹の甲斐すずかもとてもかわいいです。
 生意気な態度でありながら、陥没乳首という身体的なコンプレックスを抱えている。
 日常での生意気な態度と、性行為中の甘えた様子がとてもギャップが会ってエロいです。

どうエロいか

 クラスのあこがれの的である生徒会長であり、主人公にとっても憧れの先輩である桜沢ともみ。
 彼女がたくさんいる生徒の中から頼れる存在として選ばれた主人公。
 彼女の胸に吸い付くという行為を、頼まれてやるという立場の優越感。
 胸を活かした性行為の数々がとてもエロいです。また、人の多い場所、イベントでの搾乳場面が多く。
 背徳感や倒錯感の溢れた描写ば多い。同じ秘密を共有し、二人の性行為に加わる妹の甲斐すずかも魅力的なキャラです。

 スピード感があり、濃度の濃い性描写が最後まで連続する作品です。オススメの作品ですので、ぜひ読んでみてください。

『灼炎のエリス』について

 今回紹介する作品は『灼炎のエリス』です。

灼炎のエリス 私、勇者やめて雌豚になります! (美少女文庫)

もくじ

どんな話か

 勇者エリス、しばらくの休職届を出す。彼女は勇者としてさまざまな任務にあたっていた。周囲に強気に接し、美人ではあるが他者を寄せ付けず、浮いた噂はない。
 大臣であるキリュウは彼女の休職理由を知る。任務先で魔物たちにつかまり、「オークの精子」を塗られた。
 これにより彼女は常時発情する身体になり、一日中チンポのことしか考えられなくなっていた。
 キリュウは、休職中、自分のチンポの世話をすることを彼女に求める。はじめは強気に断る彼女だったが、チンポのことしか考えられなくなっている彼女は、処女を奪わないことを条件に任務を受ける。
 しかし、キリュウに奉仕するうちに身体が疼き、自分から処女を奪ってほしい、とねだってしまう。
 男性器による快感を知ってしまった彼女は、キリュウの性奴隷として淫らに堕ちていく。

どこが面白いか

 本作の構成は、勇者として活躍する彼女の地位や名声が、あることをきっかけに転げ落ちてしまうという流れになっています。
 そこにカタルシスを感じるし、サディズムを刺激させられます。
 しかし、本作の面白いところは、勇者としての誇りと責務と性奴隷であることはイコールでないということだ。
 男性器による快楽を知ってしまった彼女は、大臣のキリュウに命じられるがままに。取引先に対しての性接待、貴族社会のパーティの余興、兵舎での肉便器を行います。
 築き上げてきたイメージが崩れてしまう。しかも、崩されるのでなく、なかば自分の意思でそれを行なっている。
 このまま勇者でないべつのなにかになってしまうのではないか、という不安が渦巻くなかで。
 終盤のバトルシーンは、驚きとともに胸をすくうような爽快感がありました。
 言葉にせずとも、「それはそれ、これはこれ」というのが伝わりました。

キャラクターの魅力

 エリスはとても魅力的な人物として描かれています。英雄として単騎で先陣をきり活躍する。自分にも他人にも厳しく、それを知っている周囲から距離をとっている。
 そうした部分が、彼女の英雄性を引き立てると同時に、単独で任務にあたるからこそ、今回のようなことが起きたのだ、という妥当性を感じる。
 だからこそ、事件後に裏で性奴隷として扱われるようになっていくまでの築き上げてきた誇りの崩壊にカタルシスを感じる。また、ラストにキリュウと協力してのアクションに、キリュウとエリスの両方の成長を感じます。

どうエロいか

 みんな尊敬される勇者の女の子。周囲の男性は彼女を遠巻きに見ていた。
 彼女が大臣に弱みを握られ、みんなの知らないところでいやらしい奉仕をする。最初は嫌がるも、身体の疼きは理性を凌駕し、最後には淫らなおねだりをするようになる。
 心が折れていくまでを丁寧に描いており、とてもゾクゾクしました。
 彼女がキリュウの性奴隷になるまでの過程で、服装はしだいに淫らになっていき、周囲もそれに気づきはじめる。
 そこから、裏では大臣の政治のために性接待に駆り出されている彼女。
 ついには、兵舎の肉便器を行うことになる。
 キリュウの彼女の心を堕とそうする試みは読者の予想を上回り、彼女の変貌に目が離せない。
 その上で、そうした騒乱をぶった切るように現れる魔物と、アクションシーン。
 まさかラストがハッピーエンドになるとは思わなかったので驚きました。