そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『弱キャラ友崎くん』、1、2巻を読んで

この前、『弱キャラ友崎くん』を読みました。

弱キャラ友崎くん Lv.1 (ガガガ文庫)


あらすじ(amazon引用)
これが人生(クソゲー)攻略の最前線!

人生はクソゲー。このありふれたフレーズは、残念ながら真実だ。

だって、人生には美しくシンプルなルールがない。あるのは理不尽と不平等だけ。自由度が高いなんてのは強者の言い分で、弱者には圧倒的に不利な仕様でしかない。

だから、クソゲー。
あまたのゲームに触れ、それらを極めてきた日本屈指のゲーマーである俺が言うんだから間違いない。

――だけどそいつは、俺と同じくらいゲームを極めてなお、「人生は神ゲー」と言いきった。

生まれついての強キャラ、学園のパーフェクトヒロインこと日南葵。
しかも、「この人生(ゲーム)のルールを教えてあげる」だって? 

……普通は、そんなの信じない。
だけど日南葵は、普通なんて枠にはまったく嵌まらないやつだったんだ! 

これがさ、かなり面白いんだよ。『やはり俺の青春ラブコメは間違ってる』みたいなさ。陰気な主人公による青春ものなんだけどさ。

青春のワンシーンワンシーンを丁寧に描きながら上手くキャラを立てて複雑な人間関係、思春期の悩みを描いている。

それでいて、青春文学に限りなく近いのに、ラノベとしての要素もちゃんと残してるんですよね。

読んでいると、『弱キャラ友崎くん』の魅力は3つあることがわかります。

①ゲーマー友崎くんの無双

この作品の主人公が友崎文也。彼がさ、序盤のプロローグで人生はクソゲーだって言い切ってさ。なんでクソゲーなのかを語るんだよ。

この辺がさ、最初は涼宮ハルヒかなって思うんだけどさ。語り切った後にさ。以上、日本一のゲーマー、nanashiよりって書いてあってさ。
あれ、って思うんだよね。

ここで、主人公がゲーマーらしいってことがわかるんですね。

でさ、今度はさ。あるゲーセンで主人公とクラスメイトのリア充が同じアタファミって、ゲームで対戦してんだよね。クラスメイトのリア充、中村に見事に勝利する主人公。しかし、勝利後、中村はキャラの相性がとか、言っててさ。最終的にこんなゲームくだらないって言う。するとさ、くだらないって言ったことを訂正しろってさ。主人公は怒るんだよね。

この辺がさ、カッコイイんだよね。ただ、斜に構えているだけかと思いきや、独自の哲学や志を持っているらしいってのがわかってさ。ただの残念青春ものじゃないってのがわかるんですよ。

②日南葵による人生攻略法

この序盤の展開だけを読むとさ。てっきり、アタファミってゲームをめぐるゲーマー友崎の話かと思っちゃうんだよ。

でも、読み進めるとさ。じつは違うようだぞってのがわかるんですよ。ある日さ、nanashiである友崎はさ。アタファミ場で知り合ったnonameって人とさ。オフ会をするんですよ。つまり、ゲーム上でなく、現実の世界でさ、実際に顔を合わせるんですよ。

それがさ、クラスのアイドル、日南葵だった。そうなるとさ、あ〜、気になるあの子も同じゲームをって、展開だと思うじゃん。違うんだよね。葵はさ、友崎に会うなりさ。服装がダサいことを指摘してさ。nanashiが人生という神ゲーを攻略してないことにガッカリしたっていうんだよ。

でさ、アタファミで私を負かしたnanashiなら、攻略法さえしれば、人生でも一番になれるはずってさ。日南の指導のもと、人生の攻略をはじめるってのがさ。エピローグなんだよ。

ここまでだとさ。突拍子もない話に聞こえんじゃん。それがさ、この先読んでみるとさ。けっこうマジメなコミュニケーション論をやりながらのさ。あさのあつこ的なさフォーティーン青春ノベルにギリギリまで寄ったライトノベルを書いてんだよ。

この人生の攻略法もさ。かなり実践的なものが多い。口角のトレーニング法とか。ティッシュを借りるところからはじめる人と話す訓練。似合う服のみつけかたとかさ。

かなりさ、いろんな本を読んで、きれいにまとめたなってわかるんですよ。水谷豊さんのさ。夢を叶えるゾウや読書猿のアイデア大全みたいにさ。その人の経験や成功譚よりも、たくさんの情報に総当たりして、そこから本当に役に立つ情報だけよりわけたさ。純度の高い情報の集めかたをしてるなって読んでてわかります。

③巨大な敵としての空気

まだ、2巻までしか読んでなくてさ。3巻.4巻はこれから読むんだけどさ。読んでておもうのがさ。たぶん、学校の空気ってのがさ。最終的な主人公の壁、敵になるんじゃないかなってとこです。

どうやら主人公の学校では女子はイケてる子しかネクタイをつけちゃいけないとか。クーラーの設置ができるのかできないのかとか。そういうさ、変えようと思えば変えられそうだけど、そのままになってる暗黙の了解、伝統みたいなのがさ。強調されててさ。これを変えていくことがさ。主人公の友崎が人生の攻略法を身につけてリア充になった時にやることじゃねえかなってのが、今のとこの予想。

ホントにおもしろいし。まだ4巻まで出てないからさ。気になる方はぜひ読んでみてください。


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