そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』について

さて、今回紹介する作品はこちら、『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』です。

老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます


あらすじ(amazonから引用)
光波は、ある日崖から転落し中世ヨーロッパ程度の文明レベルである異世界へと転移してしまう。しかし、狼との死闘を経て地球との行き来ができることを知った光波は、2つの世界を行き来して生きることを決意する。その理由は老後の安泰のため!老後資金を計算すると、必要な資金は金貨8万枚! 異世界の文明が歪まない程度に(でも自分が楽できるなら自重はしない)、いろいろなものを持ち込んでお金儲けにまい進します!


小説家になろうPV数、二位の『私、能力は平均値でって言ったよね』で有名なFUNAさんの3作目です。先月はFUNAさん的にすごい月でしてね。『私、能力は平均値でって言ったよね』の5巻の発売だけでなく、なんと、同じく小説家になろうで連載していた2作、『ポーション頼みで生き延びます』と『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』の書籍本も発売されました。

平均値とポーションに関する感想もブログに書いてますので、よろしければ下をクリックしてください。
kamizimaryu1026.hatenablog.com
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そのうち、3つの作品を比較しての感想も書く予定ですので、お楽しみに。


本作、8万枚の魅力は4つあります。

①主人公の山野光波がオタクかわいい

まず、お兄ちゃんっ子で、亡き兄の影響でミリタリに理解のある少しオタクな光波ちゃんの一人称がかわいい。

彼女にはオタクなお兄ちゃんがいて。モンスターと戦う時も。商売をする時も。つねに、彼女の一人称にはお兄ちゃんから教わった言葉がはいる。だからこそ、ようしょようしょにアニメのセリフをパロったギャグがはいったコミカルな一人称になってて。それがらき☆すたのこなたみたいに、かわいさとおもしろさが両立した語りになっています。

自身がオタクでなく、親類にオタクがいるってとこがいいんですよね。女の子らしい感性を持ちつつ、ミリタリーやアニメに理解を示しているってとこが萌えます。

②1人称と3人称が混ざった文体

他のFUNAさんの著作と比べると、8万枚は三人称と一人称が少し混ざった文体になっている。主人公の光波の一人称による語りから、三人称による状況説明に移行するスパンが短い。
かと言って、視点の移動で混乱することはない。むしろ、光波がやったことがこう影響した。相手がこう受け取ったって感じにさ。
行動に対する結果が、読者にすぐわかるようになっているから、周囲に影響を与える光波の無双感が読んでてわかりやすい。

③異世界現代技術無双によるテルマエロマエ要素

この話は現実世界と異世界を行き来できる山野光波による、異世界での現代技術、知識無双が肝となります。
そうした中での光波の行動、売り出す商品に対する異世界の人々の反応がさ。他のFUNAさんの作品と比べると比較的頭が良くてさ。居酒屋のぶにもあるようなさ。たまたま、この技術、商品を知らなかったひとが、それに対して分析していく流れもしっかり抑えてておもしろいです。真珠のくだりとかよかったです。

④現代と異世界、両方での無双

この作品は現代と異世界、両方での世界を転移できる力を得た主人公が、その力を使って金貨8万枚を稼ぐはなしです。
で、その過程で、銃の扱いを覚えるために傭兵団と接触したり、1巻以降でのネットでの連載でも現代の世界でさまざまなことをするんですけどね。
それにより、現代と異世界、どちらにおいても超人的な活躍をするってとこがおもしろい。二つの世界が一人の少女の一挙手一投足に振り回されてるって感じがさ。爽快感があるんですよ。

ネット版での無料で読めますし、書籍版は書き下ろし短編と、主人公光波の挿絵がはいってます。



僕も小説を書いています! ゾンビが跋扈する世界での思春期の少年たちを描いたエデンプロジェクトを読むならこちらをクリック!
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