さて、今回紹介する作品はこちら。第18回のえんため大賞受賞作、『残念公主のなりきり仙人録』です。
あらすじ
仙人オタクライフ、満喫中です!! えんため大賞奨励賞受賞作登場!
皇族直系の公主ながら、気楽な立場で暮らしている陽琳。彼女が熱く打ち込んでいるのは……奇怪にして謎めいた術を使うと言われる、伝説上の偉人──仙人になるための仙人活動=センカツ! そんな「仙人オタク」の陽琳が、いつも傍にいて温かく(?)見守ってくれる美形の完璧家令・紫晃とともに、因縁渦巻く皇宮でとんでもないものを掘り出しちゃってしまい──!?
恋愛未満の二人が恋の芽吹きを漂わせつつ。仙術に関連したお悩み事を解決する。時雨沢恵一さんのアリソンとストーリーラインが似てますね。
読んでて、設定の細かさに惹かれましたね。陽琳には天帝の代弁者としての血が流れてて、紫晃には今回の物語の黒幕、これからのストーリーでたびたび現れるであろう存在とあるつながりがあります。
このへんから、この作品がただ一巻だけでは終わらない。これからどんどんおもしろくなっていくだろうってのがわかるんですよ。
ストーリーもしっかりしてるんですよね。皇宮で埋められていた自体を掘り出すと、それは術師の命令で動く死鬼だった。その死鬼は名を睡蓮と呼び、どうやら記憶をなくしてるらしい。睡蓮は何者なのか。だれが睡蓮を死鬼にしたのか。謎を解くにつれて明らかになるのは皇宮内に渦巻く陰謀であったと。
ジャンプの封神演義やコナミの幻想水滸伝のように土台にしっかりとした古典の知識がはいった中華風ファンタジーであり、謎を解いていくミステリーでもある。
俺として、今後気になるのは陽琳と紫晃の関係がどうなるかですね。じつは一巻は設定とこんな感じで二人の旅が始まりますよっていうエピローグ的な話だったんで、二人の恋愛的な話が後にちょっとはいっただけだったんですよね。
でさ、あれ? ビーズログ文庫なのにぜんぜんラブいシーンがないなと思ったらさ。ようやく後半でニヤッとできるシーンがあってさ。続刊を買うこと決めましたよ。
俺好きなんだよね、ヒロインが言ったことやしぐさでさ。無自覚でやってるんですかって男性キャラが言うシーン。
続刊も楽しみにしてます。