さて、今回紹介する作品はこちら、『モノクローム・サイダー』です。
あらすじ
今なお大人を捉えて離さないレトロゲーム。もしもそのゲームが、少年時代の恋を成就させる架け橋だったなら? こんな青春をしてみたかったと思わせる珠玉の恋物語。
カクヨム小説大賞のエッセイ・実話・実用作品コンテスト受賞作です。
かなり心にグサッときました。
じつは半分まで読んだ時にですね、つい読むのを一時的に止めて、しばらく経ってから読み直しました。
この作品ですね。感情を揺さぶられる小説なんですけどね。読むのつらいんだよ。
だってさ、じつは実話じゃないですか。ただの実話なら笑い話ですむんですよ。この人さ、エッセイ書くのうまくてさ。かなり心をえぐるようなさ。構成にしてんだよ。
主人公が屋上で一人の少女と出会い、グンペイを通じて仲を深める。懐かしいな、思わせるくらいさ。あの頃を描くのが優れてるのもさることながらさ。あいまあいまに、奥さんとの会話シーンいれてくるのが地味に効くんだよ。
レトロゲームの比喩をいれたさ。軽い文章だからさ。ラノベのノリで読んでる時にさ。ガツンとエッセイとしての実際に会ったんだぜって重みがくるとさ。
ワンダースワンってことは、俺がいくつくらいだったかな。ふとさ、俺が昼休みに放送委員として音楽流している時に屋上で奥さんとグンペイを作者さんのイメージが頭に流れてですね。
俺、そこまで彼女欲しかったかな〜って頭抱えるくらいさ。心に来るんだよな。
あとさ、主人公のさ。俺ら感もスゴイんだよね。主人公さ、パソコン部で下ネタを披露してさ。部のみんなとワイワイやってるってシーンがあってさ。その時のだれかのネタで笑い、笑われのさ。一方通行なコミュニケーションがさ。文化部の、男子たちのノリがさ。
わかっちゃうんだよな。あるあるって思うんだよ。
だからさ、そのノリに浸かってた主人公がさ。ヒロインの前である失敗をしてしまったあの瞬間がさ。俺にはわかるんだよ。あるよな〜っておもったよ。
だけどさ、そのすぐに奥さんとの会話シーンがあってさ。まあ、解決するんやろうなってのはわかるからさ。やっぱつらかった。
エッセイでさ。ストーリーのながれがあって。伏線がしっかりしてて。文章が上手いのはなかなかないんだよね。ほんと、おもしろかったです。