そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

ガチャにゆだねる異世界廃人生活について

  さて、今回紹介する作品はこちら、『ガチャにゆだねる異世界廃人生活』。

 

あらすじ

 ソシャゲガチャをこよなく愛する俺、来宮廻はスキルやアイテムが当たるガチャ能力を手に、異世界への転生を果たした。レアアイテムでの悠々自適ライフを期待していたんだけど、出るのは「たこ焼き1ヶ月分」や「土下座スキル」みたいなハズレばっかりで…こんなの異世界で役に立つワケないだろぉ!!しかも「町まで案内しなさい!お金は払うからお願いします!」迷子のポンコツ盗賊少女と出会ったことから、伝説の魔物退治やら、次々と面倒事に巻き込まれて!?―でも信じてる。全力でガチャりまくれば、いつかはSSRで理想の生活が出来るってな。ガチャ運任せの異世界物語、回転開始!

 

 ガチャを回すことでスキルやアイテムを手に入れる。しかし、どれも一見つかえないものばかり。そんなアイテムとスキルを使いこなしてあらゆる障害を突破する。スキルチートの王道を踏んでますね。そのうえで、このはなしにはどう読んでも無視できない作品があるんですよね。

 

 基本的なプロットがさ、こう。

 

(『ガチャにゆだねる異世界廃人生活』の基本ストーリー)

 異世界に転生した主人公。そのとき出会った盗賊とビナギ村に行く。しかし、盗賊には迷子癖があり、さまざまなトラブルを主人公に持ち込む。その過程でサディスティックな変態シスター、近距離魔法しか打てない魔術師が仲間となり、ビナギの村で一緒に住むようになる。

 

 見てわかるようにこれ、「この素晴らしい世界に祝福を」をけっこう意識して書いてるんですよ。

 

(『この素晴らしい世界に祝福を』の基本ストーリー)

 異世界に転生した主人公。一緒に転生した女神と始まりの街、アクセルに行く。しかし、女神はポンコツで、さまざまなトラブルを主人公に持ち込む。その過程でドエムなクルセイダ―、爆裂魔法しか打てない魔術師が仲間となり、アクセルで一緒に住むようになる。

 

 一回設定を文字で起こしてから、ちょっとずつ書き換えたんじゃないかってくらい似てますよね。しかもちゃんとべつの作品としての面白さを確立している。

 

 たとえるならさ。フェアリーテイルって、序盤はワンピースにメッチャ似ているけどさ。話進んでくごとに、フェアリーテイルもフェアリーテイル独自の面白さを確立してったじゃないですか。あれと同じでさ。パクリじゃなくて、勉強しているなっておもうんですよ。 

 

 この作品さ、3人の女の子が主人公と同棲することになるんだけどさ。今のところ、このすばと比べると恋愛要素は薄いんですよ。盗賊の子は若干主人公を意識している描写はあるんだけどさ。今のところはハーレムというよりもさ。恋愛のちょい前段階の友達のようなぬるま湯の関係を持続している感じなんですよね。ここいいよな。正直言ってさ、『僕は友達が少ない』とかさ、ハーレムゆえにどの女の子を選ぶとかあーだこーだとかさ。そういう展開さ、見飽きたとか以前にもう疲れたって思っちゃうんだよな。その点、こっちはちょうどいい。このすばも恋愛要素がうすいっちゃ、うすいんだけど、まだまだ熱いんだよな。もちろん、これからどうなるかわからないからさ。あくまで一巻ではここがよかったってはなしだよ。

 

 あとはさ、じつはこの主人公のマワルさ。このすばのカズマよりも安定した生活を過ごしてるのもいいよね。後半も冒険もしてるっちゃしてるんだけどさ。マワルの目的が魔王を倒すとかでなく、自分の能力であるガチャを引きまくることで。そのために得ポイントをためなければいけないって話だからさ。いい感じに女の子と適度な関係を保ちつつ、街の清掃したり、たこ焼き売ったりして、時々冒険するって感じがさ、いかにも異世界で普通にくらしてます感があるんですよね。

 

 読んでて、俺の好きな話でした。オススメです。