そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

異世界に転生したら全裸にされた

小学生の時は手のひらでインターネットをする日がくるなんて思ってもみませんでした。

 

スマホ、スゴイっスよね。むかしはインターネットなんて家でしかできないもんだから。オタクの趣味としてさ。電車男なんかでは格好の笑い物だったのに。手軽になれば、みんなスマホに夢中になってるとおもいません?

 

昔と比べたらさ、アニメに嫌悪感を持たない人はオタクだと考えたらさ。けっこうなひとがオタクなんじゃないかな。

 

だからこそ、アニメが好きのハードルが下がって、みんながいろんな情報にアクセスしてさ。お互いが共有すべき教養というのがなくなっている。

 

今ってさ、それぞれで村をつくって、その村から外れている人を常識がないというようになってんじゃないかな。

 

いろいろ知れる状態だからこそさ、お互いが共有できるものがないってものがたくさんあるとおもうんだよ。

 

スマホがどうとか、ゲームやアニメがどうとかじゃないんだよ。いろいろな情報にアクセスできるから、なにが共有すべき知識なのか話題なのかわからないんだよ。

 

だれかを村八分にしてると思ったら、自分が村八分にしていた。生きてるとなぜか漂う孤独感、そう思うのは俺だけかなぁ。

 

さて、てなわけで第7回は異世界に転生したら村八分にされた、あらため、異世界に転生したら全裸にされたです。

 

あらすじ

俺は異世界で全裸にされたうえにロープです巻きにされていた。ちょっとしたドMな格好だが、
そういう店に来たわけではなかった。バイトの帰り、確か駅前の立ち飲み屋で一杯だけひっかけて帰ろうと思っていたところ、
気が付けば異世界でとある村人に拘束されてしまったのだ。
怪しいよそ者の俺が、転生先でつまはじきにされながらもハーレムを築きなり上がっていく物語、ここに開幕!

 

面白いですよ。読みやすさと読みごたえが両立していて、主人公に好感が持てます。

 

主人公の修太はフリーターで、いろんなバイトをしています。これの面白いとこはですね。その修太のバイト経験が異世界での暮らしに役立ってる。彼はこうした経験があるからこれができる。そこんとこをしっかり考えてあるからさ。主人公の成功に説得力がある。

 

さらにですね。この作品、元々のタイトルが村八分だったとこからもわかるとおり、村の人に認められ、成功しはじめるまでにけっこう時間がかかるんですよ。だけど、そこが欠点になってない。主人公がポジティブな性格だから、語り口が明るいんですよ。それでいて堅実。問題が起きた時、その問題の対処のしかたが他の異世界転生ものに比べて突飛じゃないんですよ。だから、丁寧に書かれているって感じますね。

 

リゼロとか、灰と幻想のグリムガルとかさ。異世界に行ったけど、現実は甘くなかったよって話はあるんだけどさ。この作品は主人公に降りかかる問題は理不尽だけど、解決の仕方は合理的なんだよ。そこがさ、異世界転生もうええねん!って時に読むとさ。メッチャいいんだよね。ホント、面白いの。

 

あとさ、ヒロインがかわいいを通りこして、愛おしくなるんだよな。カサンドラちゃんとかさ。ガンギマリーとかさ。0よりもマイナスまでいってるとこからスタートしてさ。その子との間のいろんなエピソードを積み重ねてからできる関係だからさ。他の作品よりもキャラの好きになりかたがじわじわ〜って感じがいいんだよね。キャラの記号だけをみての好きじゃなくていろんなとこをみたうえでの好きってなれるとこがいいんだよね。

 

自分の経験ってのが、作中にあって、文章はスリムでありながら伝えるべきことは伝えてる。全体的に明るくてシリアスなとこもちょっと笑える。読んでてさ、作者真面目だなって思う。この人こんなひとかなって思うんですよね。かといって、作家性がつよいというわけじゃないから押しつけがましくない。だから、この人の作品が本になったり、新連載はじめてたりすると。なぜか知り合いが書いているような気分になってつい読んでしまう。

 

この作品以外にも何作か本出てたり、小説家になろうで書いてたりするんでぜひ読んでみてください。

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