そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

竜の子を産んだら離縁されたので森で隠居することにしましたについて

 

 Twitterをはじめて4年経ちました。

 

pixivが小説機能をはじめたのと同時期にツィッターをはじめ、その時に知り合った書き手さんをフォローし、その友達、また友達のみなさんをジャンルを問わずにフォローしております。

 

だいたいザッと150人以上はフォローしてるんですけどね。そのなかの10人は書籍化してる。意外と多くない?

 

こういうのをみると、勇気をもらえますね。

 

ただ、チャンスがたくさんのひとにわたるぶん。そのチャンスをものにするのは難しそうだ。

 

最近、うちの近所の本屋にもネット小説のコーナーが12月の中頃にできたんですが、この棚の流動が激しい。

 

ちょうど知り合いの本が並んだ時があったのだけれども、一冊しか並んでなくてさ。しかも、発売日なのにメインじゃなく棚のすみにあった。それがまあ2、3日置かれたら消えた。

 

本になったからといっても、そこがゴールじゃないんだと思いますよ。

 

応援したい本がある。続きを書いてほしい本がある。

 

ブログのなかではがんばれと言っている、読んでほしいあなたにも。ウルフルズだね。

 

さて、第6回目に紹介する作品はこちら『竜の子を産んだら離縁されたので森で隠居することにしました』

 

あらすじ 

「1回のキスで子どもが授かるなんて幸運だわ!」。
家名目当ての望まない結婚をした箱入り娘のシャーロット。
夫は愛人の元に行きっぱなしで、義両親には使用人扱いだったが、いきなり妊娠!
でも、生まれたのは誰にも似つかぬ、というか、どこから見ても竜の子だった。
爵位と名を奪われ、婚家を追い出されたシャーロットは息子(竜)と共に、禁断の森で暮らすことに。
それから3年。北の森には魔女が住むという噂が王都で流れるようになり、と同時に怪しい人物が彼女たちの前に現れはじめ……。

 

今回は異世界転生なしのファンタジーを舞台にした作品ですね。世界観のイメージの源流はドラクエやFFなどのゲームでなく、赤髪の白雪姫とか、知らない国の物語、それでも世界は美しいみたいな。童話が少女漫画の世界で発展していった世界っぽいですね。

 

ネット小説にはけっこうあるし。漫画でも、あれこれ俺がいつも読んでるファンタジーと違うなって感じのあるんですよ。

 

俺のなかで、ファンタジーってふたつあるんですよ。童話系ファンタジーとゲーム系ファンタジーのふたつが。

 

便宜上、童話系ファンタジーと呼びますけどね。漫画でたとえるとリボンの騎士、ライトノベルならキノの旅ですかね。

 

魔法もあったりなかったりするし、ドラゴンもいたりいなかったりするんだけど、だぶんTRPGを起点にしてつくられたファンタジーとは別の経路を通って構築されたもうひとつのファンタジー。それが童話系ファンタジー。

 

少女漫画でけっこうある気がするんですよ。

 

だぶんさ、ファンタジーがTRPGに変わる前に、漫画、絵本のなかで発展してさ。時々ゲームと合流してるんだよ。

 

僕、姉が持ってた乙女系のゲームいくつかやったことあるんだけどさ。それのファンタジーもこれ系が多い気がする。

 

作品全体の雰囲気がひとつの童話を読んでるようなそんな気分になるんですよ。語り口が優しいんですね。ひとつひとつの設定を語る時がどこかにある国を紹介してるかのようで、読んでてひっかかりがない。

 

それとこの作品、三人称で書かれているんですけど、そこもグットです。話の内容は、竜の子を産んでしまった女性と竜の子の話なんですけどね。どうしても、この設定で優しい童話を書くにはですね。この女性が竜の子を産んでもその子を可愛がる天性に優しさと純粋さをもたせなきゃいけないんですけどね。それで、彼女の心の動きと成長に密着した一人称の作品にしちゃうと、彼女の心がつよすぎちゃって感情移入しづらくなっちゃう。

 

だからさ、この作品では、彼女と竜の子の関係、生活が描写される場面があるときはさ。必ず、乳母だったり、薬屋だったり、衛兵だったりとさ。彼女たちをそばで見て、安心したり、戸惑ったり、羨ましがったりするようなさ。僕らが感情移入できるふつうの人々の視点を介して彼女たちを語るようにしている。そこが丁寧なんだよね。

 

だから、シリアスになり切らずに一歩引いた目線で、ほっこりとした気持ちで読み進められました。

 

ぜひ、本屋で取り寄せてみてください。

 

WEB版

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